食品ロス削減に有効な対策とは?日本と世界の現状から把握

食品ロス削減に有効な対策とは?日本と世界の現状から把握

本来まだ食べられる食品が捨てられてしまう、食品ロス。世界では飢餓に苦しむ人々がいる一方で、先進国では多くの食品が捨てられています。

そのため、日本だけでなく世界中で食品ロス削減のために、さまざまな対策が講じられています。しかしながら、食品ロス削減の対策は、消費者個人への浸透はまだまだ少ない状況です。

この記事では、食品ロスの原因や現状、1人ひとりができる食品ロスの対策について紹介します。食品ロスを減らすために何ができるか知りたい方は、参考になるでしょう。

食品ロスとなる原因

廃棄野菜

食品ロスは、輸送や貯蔵の段階で傷んで破棄されてしまうことや、生鮮食品を運ぶコールドチェーン(低温流通)などの設備不足などが原因です。また、見た目が良くない野菜や果物は破棄されてしまう等、過剰な基準も食品ロスを発生させてしまいます。


日本の食品業界の商習慣「3分の1ルール」も食品ロスを生み出します。「3分の1ルール」とは、製造日から賞味期限までの期間を3分の1ずつ均等に分け、最初の3分の1の期間に納品しなければいけないという商慣習で、食品メーカー・卸業者・小売業者の間の流通過程でルールが設けられています。

3分の1の期限を過ぎてしまうと、賞味期限までまだ日数があったとしても、メーカーへ返品または破棄されてしまいます。

家庭からも食品ロスは発生し、主な原因は食べ残しや直接廃棄(手つかずの食品)、過剰除去(皮のむきすぎ)などによるものです。

食品ロスの現状と対策

捨てられた野菜のおもちゃ

食品ロスは、世界的に解決すべき課題として重要視されています。2015年に国連サミットにて採択されたSDGsの「ターゲット12-3」は、2030年までに生産から消費者が口にするまでのサプライチェーンで失われる食品の損失を減少させることが目標です。食品ロスの現状とその対策に行われていることについて、日本と世界に分けて把握しておきましょう。

日本の食品ロス

まずは日本の食品ロスの現状と、食品ロスに対してどのような対策を講じているのか紹介します。

<現状>

2020年の農林水産省発表の食品ロス量は約522万トンにものぼります。そのうち、約275万トンは返品や売れ残りなどによる事業系食品ロス量で、残りの約247万トンは、家庭から発生するものです。

前年の2019年よりも事業系食品ロス量は約34万トン、家庭系食品ロス量は約14万トン、全体では約48万トン減少しました。いずれも推計を始めた2010年度以降、最も少ない量に抑えられています。

しかし食品ロスはまだ多く、国民1人当たりの食品ロス量は、1日約113gです。これは、毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てていることになります。多くの食品ロスが発生している一方で、日本の子どものうち7人に1人が貧困状態にあり、日々の食事に困っています。


また、食品の多くを輸入に頼っているにも関わらず食品が捨てられてしまうのは、経済的な観点から見ても無駄が多いといえるでしょう。

<対策>

2019年に食品ロス削減推進法が施行され、2020年には食品ロスの削減に関する基本方針が閣議決定されました。そのため、食品ロス削減の取り組みを国民運動として推進すべく、農林水産省、消費者庁、文部科学省、経済産業省、環境省の5省庁が連携し、食品ロス対策を講じています。


環境省や消費者庁では、消費者や事業者、自治体向けに食品ロス削減に役立つ情報を発信する特設サイトを立ち上げており、野菜を無駄なく使うレシピなど、食品ロスを削減するためのさまざまなアイディアを提案しています。


地方自治体においては、食品ロスについて学べるカードゲーム(京都市)や動画(秋田県)を作成しており、子どもにも理解しやすいように工夫しているのが特徴です。日本企業は、商品の生産から流通までに食品ロスを発生させない取り組みに力を入れたり、品質に問題のない規格外商品をアウトレット販売したりしています。

世界の食品ロス

続いて、世界の食品ロスの現状と対策を見てみましょう。

<現状>

2022年の国連の報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状」によると2021年の飢餓人口は8億2,800万人で、世界の人口のうち約9分の1の人々が栄養失調や飢餓に苦しんでいる一方で、先進国では多くの食物が廃棄されています。


2019年発表の国際連合食糧農業機関(FAO)によると、毎年の食品廃棄量は約13億トンにものぼります。世界で生産されている約40億トンの食糧のうち、約3分の1を捨てていることになるのです。


食品ロスは、地球温暖化の原因にもなり得ます。先進国で用いられなかった食品は埋め立て地で処理されますが、その際に温室効果ガスが発生します。温室効果ガスは砂漠化や干ばつの原因となり、世界のあらゆる地域で農業に深刻な被害を及ぼし、飢餓を増大させています。

<対策>

先進国において、食品ロスに対するさまざまな対策を講じており、フランスは2016年に食品廃棄物削減に関する法律を公布しました。この法律によって大型スーパーは、賞味期限切れなどの理由であっても食品廃棄を禁じられています。


食品は、事前に契約した慈善団体に寄付、または肥料や飼料などに再利用しなければならず、違反した場合は罰金が課せられます。


さらに、フランスの飲食店では、食べ残した食品を持ち帰られる容器「ドギーバッグ(またはグルメバッグ、ボックス)」を常時用意することを義務付けました。


アメリカにおいては、「フードバンク」「フードドライブ」の活動が盛んです。フードバンクとは、製造過程などで生まれる、流通に出せない規格外品を企業などから寄贈してもらい、食糧を必要としている団体や貧困世帯などへ寄付するものです。


フードドライブは、家庭などで余っている食品を地域のフードバンクや生活困窮者支援団体、福祉施設に無償で提供するもの。国ごとに対策は異なりますが、食品ロスを削減するための法律や義務をつくり、国民の意識を変えている国があるのも特徴です。

家庭でできる食品ロスの対策

色とりどりの野菜

家庭から発生する食品ロスも多いことからわかるように、食品ロスを削減するためには、国や企業だけでなく消費者個人による対策も必要です。食品ロスの原因となっている状況ごとに、どのような対策をすれば良いか紹介します。

買い物時の対策

食品を買いすぎてしまい、使わないまま賞味期限が切れてしまうといった経験はありませんか。こういった事態を防ぐためには、買い物へ行く前に冷蔵庫の中身や保管している食品を確認することをおすすめします。自宅にある食材をメモに書くか、スマホなどで写真に残しておくと便利です。


買い物に行ったときには、割引きされている商品のまとめ買いにも注意しましょう。安くなっている商品を見ると、つい余分に購入してしまうこともあり得ます。使い切れる量を購入するよう心がけましょう。

調理時の対策

調理でも工夫次第で食品ロスを防げます。食品が傷んだり賞味期限切れで破棄したりすることを防ぐために、古い食材や賞味期限が近い食品を優先して使いましょう。


また、食べ残した料理を捨ててしまうことがないよう、食べきれる分だけ料理を作ることも大切です。皮を分厚く剥きすぎるなどの過剰除去を防ぎ、食材を無駄にしない使い切りレシピを参考にするのも良いでしょう。皮ごと食べられる野菜などは、皮をむかずに料理するのも一つの方法です。


調理に慣れていない方は、技術不足で失敗してしまい、破棄してしまうことがあるかもしれません。その場合は、練習を重ねて調理技術を上達させるように心がけましょう。

保存する際の対策

冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合は、食材ごとに適切な保存方法で、食材を長持ちさせられます。食材を冷凍するときは、空気に触れないようラップで包んだり、袋に入れて空気を抜いたりすることで食材の劣化スピードを抑えられます。


長期保存の方法として、冷蔵庫や冷凍庫にしまうほかに乾燥や塩漬けなどの方法がありますが、食材によって適した保存方法が異なるので、事前に調べておくと安心です。


また、冷蔵庫や冷凍庫に入れたままの食材を忘れないよう配置にも気を配り、手前側に賞味期限が近いものを保存するなど工夫すると良いでしょう。

外食時の対策

食品ロス削減のために、外食では食べ残しをしないことがポイントです。そのために、食べきれる分だけ注文するようにしましょう。また、食べ残しを防ぐ「3010運動」もおすすめです。


3010運動とは、宴会で乾杯後の最初の30分と宴会終了10分前は、料理を楽しむというもの。宴会での食べ残しを防ぐために、環境省が推奨している取り組みです。


SDGsの取り組みや2000年に施行された食品リサイクル法の影響もあり、食品ロス削減に積極的に取り組んでいる飲食店が増えています。このような飲食店を選ぶことも、食品ロス削減に貢献できるでしょう。

食べきれない場合の対策

食品ロスを減らそうとしても、消費しきれない場合もあるかもしれません。外食でオーダーした料理がどうしても食べきれない場合は、お店に相談して残った料理を持ち帰るようにしましょう。


日本では、食中毒のリスクがあるため持ち帰り可能な飲食店は多くありませんが、環境省や消費者庁、農林水産省などはドギーバッグを推奨しています。今後は、持ち帰り可能な飲食店が増えるかもしれません。


また、アメリカでは一般的なフードバンクやフードドライブが、日本でも広まりつつあります。自宅に食品が余っている場合は、フードドライブに寄付してみてはいかがでしょうか。

食品ロス削減に向けてできることから始めよう

食品ロス削減の対策は、すぐに取り入れられるものばかりです。しかし、家庭からの食品ロスは削減できても、サプライチェーンで食品ロスが発生してしまうことを消費者の立場で防ぐのは難しいかもしれません。


そこでおすすめなのが「Kuradashi」の利用です。Kuradashiは、安全に消費できる賞味期限の近いものや規格外品をお得に購入できるサービスです。食品ロス削減に興味がある方は、ぜひ利用してみてください。

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