こんにちは!サステナビリティ推進部です。今回は、2024年10月21日(月)に開催した「クラチャレ ピッチアワード 2024」についてご紹介いたします。 目次 「クラチャレ」とは イベント趣旨 イベント概要 当日の様子 各審査員からのピッチアワード総括コメント 交流会の様子 振り返りと今後について ■「クラチャレ」とは 「人手不足」と「フードロス」は、日本の地方が直面する深刻な課題です。日本では、年間約472万トン(令和4年度)の食品ロスが発生する一方で、地方では担い手不足により、収穫できずに廃棄される農作物が発生するいびつな状況が起こっています。 この課題に立ち向かうべく、クラダシはクラダシ基金(※)を活用し、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ(通称:クラチャレ)」を展開しています。全国各地の自治体と連携し、第一次産業の現場で、大学生が地域の方々と共に汗を流し、その貴重な経験から得た気づきを、具体的なソリューションとして提案していただくプログラムです。 ※クラダシ基金とは:クラダシ自らが社会貢献活動を行うために創設した基金で、「Kuradashi」における支援先の1つです。地方創生事業・フードバンク支援事業・教育事業・食のサステナビリティ研究会の社会貢献活動に充てられています。 詳しくはこちらそんな社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の集大成として、クラチャレピッチアワード2024を開催いたしました。 ■イベント趣旨 2024年6月からクラチャレを日本各地10か所で開催しました。21名の参加学生を5つのグループに分け、1グループ2地域のクラチャレに参加をしてきました。2つの地域それぞれ約1週間ほど地域に滞在し、農作物の収穫や水産物の加工などの現場での実務体験や、地域の方々との対話を通じて、その土地ならではの課題や可能性を学びました。実際の経験から得た知識と感動をもとに、フードロスの削減やその地域の魅力を広め、関係人口を増やすための提案をまとめ、ピッチコンテスト形式で発表していただきました。審査員・オーディエンスの方々は①親和性②新規性・創造性③展開性・成長性④実現可能性⑤熱量・共感度の5つの観点から評価を行い、「最も実施してみたい」と思う施策案を1グループ表彰いたしました。 ■イベント概要 開催日時・会場:2024年10月21日(火) 14時00分~18時00分 室町三井ホール&カンファレンス 審査員 ・農林水産省 食品ロス・リサイクル対策室 室長 鈴木 学 氏 ・フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト 代表取締役社長CEO 岡本 勇治 氏 ・株式会社ソーシャル・エックス 代表取締役 伊佐治 幸泰 氏 ・食文化研究家/株式会社食の会 代表取締役 長内 あや愛 氏 ・神奈川県横浜市 資源循環局3R推進課 係長 松林 遼 氏 ・京都府京丹波町 商工観光課 課長 片山 健 氏 ・愛媛県八幡浜市 政策推進課 徳田 翔士氏 ■当日の様子 当日は会場に81名、オンラインで28名、計109名にご参加いただきました。オンライン配信のアーカイブ映像をYouTubeにて公開しています。ピッチアワードの熱気あふれる様子を是非ご覧ください。※マイク音声が割れておりますので、音量設定にはお気を付けください。 学生5グループが地域での実体験を基に考案した施策案を発表したのち質疑応答を行い、休憩・審査タイムを挟んで、審査員評価と参加者投票による優勝グループの発表・表彰が行われました。 各グループの提案内容は、以下のとおりです。 グループ① (沖縄県石垣市・愛媛県宇和島市) 施策名:石垣ポケットパイン 施策概要:石垣島の名産品であるパイナップルのB品を利用したお土産商品を開発 グループ② (北海道仁木町・新潟県新潟市) 施策名:もったいないを、おいしいに!学生と地域のフードレスキュー大作戦! 施策概要:新潟市の枝豆のB品や米粉を活用した地産菓子の開発 グループ③ (北海道三笠市・長野県松本市) 施策名:15日後におうちに帰る、三笠くん 施策概要:三笠メロンを用いた商品販売をフードトラックによってプロモーション グループ④ (鹿児島県喜界町・島根県益田市) 施策名:新規就農者のための移住ツアー 施策概要: 農家の人手不足解消を目的に、移住希望者向けツアーを提供 グループ⑤ (和歌山県すさみ町・京都府京丹波町) 施策名:クラチャレ拠点KCB 施策概要:クラチャレ参加地域の特産品を商品化し、販売・関係人口拡大に貢献 審査員の方からは、実施に向けたコストや競合との差別化、持続的な取り組みにしていくにはどうしたら良いかなど、日頃、地方創生や食に携わる方ならではの鋭い質問が投げかけられ、学生たちと活発な質疑応答が行われました。 審査員・オーディエンスのみなさまから選ばれた「最も実施してみたい」と思う施策案を発表した優勝グループは、グループ⑤(和歌山県すさみ町・京都府京丹波町)の「クラチャレ拠点KCB」でした。 ①持続可能性一過性のイベントではなく、継続的な地域活性化の仕組みを構築できる ②双方向性:地域と都市部の若者との継続的な関係構築を可能にできる ③実現可能:既存の資源を活用しながら、段階的な展開が可能である 上記3点が高く評価されました。優勝グループには、積水ハウス様より「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル ご宿泊券」を優勝賞品として贈呈いただきました。 ■各審査員からのピッチアワード総括コメント ・農林水産省 食品ロス・リサイクル対策室 室長 鈴木 学 氏 官民の連携と若い世代の力を生かして、共にフードロス解決に向けたメッセージを発信したいです。 ・フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト 代表取締役社長CEO 岡本 勇治 氏 積水ハウス フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅は、道の駅付近にホテルを設置することで観光業という視点から地方に人の流れを生み出し、地方創生を目指しています。クラチャレの共催を通じて、観光を通じて若者に地方創生の魅力を広めていきたいです。 ・株式会社ソーシャル・エックス 代表取締役 伊佐治 幸泰 氏 学生たちが解像度の高い課題を発表し、それに対する政策アイデアを得ることができました。学生には、この経験を通じて課題に問題提起した理由や、その際に感じた熱量を大切にしながら今後も活躍してほしいと思います。 ・食文化研究家/株式会社食の会 代表取締役 長内 あや愛 氏 地域の食材に付加価値を加えたアイデアに感動しました。学生の熱意が、地方創生やフードロス削減に寄与することを期待しています。 ・神奈川県横浜市 資源循環局3R推進課 係長 松林 遼 氏 学生が実際に地方を訪れて感じたことを政策立案に反映させていたことが強く伝わりました。この機会を活かし、実行に移していけることを自治体として取り組んでいきたいです。 ・京都府京丹波町 商工観光課 課長 片山 健 氏 参加した学生は一次産業が直面するさまざまな側面を経験しました。発表を通じて学生たちが多くの学びを得たことを感じ、嬉しく思います。今後も自治体とクラダシで協業し、よりよいクラチャレづくりを進めていきたいです。 ・愛媛県八幡浜市 政策推進課 徳田 翔士 氏 クラチャレへの参加を通じて感じた地方創生やフードロスに対する熱意を忘れず、地域との関係性を築き続けてほしいと思います。 ・株式会社クラダシ 代表取締役会長 関藤 竜也 クラチャレの醍醐味は、その地に深く根付く人々や事業者と関わることで、観光だけでは得られない地域の魅力や課題に触れられることだと思います。多くの企業がクラチャレ運営に協賛してくれている理由を理解しつつ、学生たちには今後もこの機会を最大限に活かしてほしいです。また、この運営に携わってくださった企業や自治体の皆様にも感謝の意を表したいと思います。 ■交流会の様子 発表会終了後には、協賛企業や自治体がブースを出展し、学生・関係者間の活発な交流が行われました。積水ハウス様によるフェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクトのホテルガチャ抽選会や、愛媛銀行様よりご提供いただいたみかんジュースの試飲、クラダシと共同研究を実施している茨城大学の干し芋を活用したはしっぽアイス販売など、地域の特産品・魅力が紹介され、和やかな雰囲気の中、各回のクラチャレやピッチアワードの提案についての会話など、関係者同士の情報交換も活発に行われました。 ■振り返りと今後について クラチャレ ピッチアワード2024では、若い世代が実体験を基に地域課題の解決に取り組むことで、次世代リーダーの成長を支援し、食に関わる一次産業や地域活性化について、参加者みんなで考える場となりました。参加者からは、「学生視点からのアイデアのみならず、いろんなバックグラウンドの方々が参画していたので多様な意見に触れることができて楽しかった」「同じ興味を持つ多くの学生との意見交換により、知見を広げる機会になった」との声をいただきました。 クラダシは今後も、クラダシチャレンジを通じて地方創生とフードロス削減の両立を目指し、より多くの若者たちが地域の未来を共に描いていける場を創出していきます。来年もさらに多くの学生や地域、企業が参加し、より大きく社会に貢献できるよう、クラチャレの活動を広げていく予定です。 ※クラダシチャレンジについての詳細は以下のウェブサイトをご覧くださいhttps://kuradashi.jp/pages/kurachalle