ここ数年で、台風やゲリラ豪雨による災害が増えていると感じている人もいるのではないでしょうか。こうした異常気象の原因のひとつが、平均気温が上昇する「地球温暖化」で、なかでも最も大きな影響を与えているのがCO2と言われています。地球温暖化を防止するためにはCO2削減が重要ですが、どうすればいいのでしょう。CO2の基礎知識と、私たちの暮らしからできるアクションを紹介します。
「CO2」ってそもそもどんなもの?
CO2とは、「二酸化炭素」を化学式で表したもの。
地球の表面は太陽のエネルギーによって温められ、熱の一部は大気中の二酸化炭素に吸収されます。二酸化炭素が適度であれば地球全体の気温はほどよく保たれますが、増えすぎると熱が余分に残り、地球全体の気温が上昇。その結果、平均気温が上昇し、地球温暖化が進行してしまうのです。
*参考:環境省
CO2を減らさなければいけない理由
CO2の増加により平均気温が上昇することで、異常気象による災害の発生、海水面の上昇、生態系の変化など、さまざまな悪影響がもたらされます。また、気候の変化による水不足や食糧不足など、わたしたちの暮らしにも影響を与えます。
こうした事態を防ぐため、世界中でCO2削減に向けた議論が進んでいます。気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」が2015年に採択されました。世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より低く保ち、1.5℃未満に抑える努力をするという世界共通の長期目標を掲げています。
*参考:経済産業省
世界や日本はどんな対策をしているの?
CO2削減のために、日本や世界で取り組まれている対策を紹介します。
日本においては、たとえば2005年から環境省主導で実施されている「クールビズ」があります。夏季の冷房温度を28℃に設定することで電力消費を抑え、それに対応できるように、ジャケットやネクタイを着用しない軽装を推奨する取り組みです。
世界においては、近年ではCO2などの温室効果ガスを発生させない、太陽光や風力、バイオマスなどの「再生可能エネルギー」による新たな発電方法が世界で注目されています。
*参考:環境エネルギー政策研究所
私たちの暮らしから排出されるCO2
日本の部門別CO2間接排出量の割合を見てみると、最も多いのは「産業部門」で34.7%、2番目に「運輸部門」で18.6%、3番目が「業務・その他部門」で17.4%となっています。
そして、4番目に多いのは、なんと「家庭部門」。14.4%を占めているんです。
内訳を見てみると、最も多いのは「照明や電化製品の消費」で29.8%、2番目は「自家用乗用車」で26.4%から、3番目は「暖房の消費」で15.7%となっています。
*参考:温室効果ガスインベントリオフィス 全国地球温暖化防止活動推進センター
私たちの生活の中でできるCO2削減
CO2削減するには、政府や企業だけではなく、私たち一人ひとりの生活からも見直すことが大切です。明日からCO2の削減に向けて実践できることを3つご紹介します。
「電力の消費を見直す」
- 主電源を切る
- コンセントを抜く
- 省エネ家電を選ぶ
「車の運転を控える」
- 近場には歩いて行く、公共交通機関を使う
「冷暖房の設定温度を見直す」
- 冷房の温度を1℃上げる
- 暖房の温度を1℃下げる
- 洋服を調整して冷暖房をなるべく使わない
小さなことからCO2を削減しよう
地球温暖化の進行を食い止めるため、日本だけでなく世界各国でも解決に向けて取り組みが始まっています。国や政府の取り組みも重要ですが、私たちの毎日の生活からもCO2を減らすように見直していくことが大切です。
今回ご紹介した内容だけではなく、どんな場面でCO2を削減できそうか、改めて見直してみてほしいと思います。