規格外の野菜や果物がバッグ・クレヨンに大変身! フードロス削減に貢献する活用方法とは

規格外の野菜や果物がバッグ・クレヨンに大変身! フードロス削減に貢献する活用方法とは

今、注目を集めている「規格外野菜の活用」。見た目のきれいさが求められる市場では需要が少ないため、その多くは出荷されることなく、畑で廃棄処分されています。ただ、規格外野菜は毎年の生産量の約2割を占め、その量は膨大です。

自然のものとはいえ、農作物の大量廃棄は環境に大きな負荷をかけてしまうもの。そのような現状を変えるべく、現在は規格外野菜をさまざまな形で活用している製品が多数あります。今回は、意外な場所で活用される規格外野菜についてご紹介します。

畑で処分される「規格外野菜」は、なぜ生まれるの?

規格外野菜とは、色や形、品質が農業協同組合などの定める「出荷規格」から外れてしまった野菜のことです。

「出荷規格」は、青果市場やスーパーなどで野菜・果物などの農産物をスムーズに流通させるためにつくられたもの。この規格にあてはまらない「見た目の悪い野菜」は、いくら鮮度が高く美味しくても、店頭に並ぶことはありません。畑で廃棄処分されてしまうことがほとんどです。

処分される規格外野菜の割合は、農林水産省の作況調査によると収穫量の約20%であると推計できます。2020年のデータを例に挙げれば、秋冬野菜の収穫量290万トンのうち、58万トンは規格外野菜として廃棄されているのです。非常に多くの「まだ使える野菜」が廃棄され、環境負荷のかかっている現状があります。

ちなみに、規格外野菜と並んでよく聞くのが、フードロスという言葉。これは売れ残りや食べ残しなど、「本来は食べられる食品が捨てられてしまうこと」を意味しています。フードロスは一度市場に出ている商品の廃棄を指しますが、規格外野菜は市場に出る前に捨てられている点に違いがあります。

*参考:農林水産省

規格外野菜の活用方法は4種類

昨今、SDGsが声高に叫ばれるなかで、世界的に規格外野菜の活用が広がっています。日本でも2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、国としてフードロスの削減に力を入れ始めました。

フードロスの中でも、まだ素材として利用できる規格外野菜には、大きく分けて4つの活用方法が考えられます。

ECサイトや直売所で販売する

規格外野菜をECサイトや直売所で販売すれば、生産者から消費者に直接届けることが可能です。

特にECサイトは近年、「食べチョク」や「らでぃっしゅぼーや」など、産地直送で農産物を購入可能なサイトが次々と生まれています。それらのサイトの中で、廃棄予定だった野菜が規格外価格で販売されることも多いほか、「みためとあじはちがう店」「única(ウニカ)」といった規格外野菜の通販に特化したサイトも出てきました。

また、発送の費用はかかりますが、無料で規格外野菜を引き取れるものもあります。社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」でも規格外野菜を扱うことがあるため、気になる方はぜひチェックしてみてください。

食料品として加工する

規格外野菜の活用で最もイメージしやすいのが、ジュースやゼリー、カット野菜などの加工食品ではないでしょうか。最近では食品の加工技術も進歩し、バリエーションが広がっています。

たとえば、千葉県では2021年に大量廃棄予定だった梨を使用して、お酒の一種「シードル」を開発したことが注目されました。また、規格外野菜を海苔ようなシートに加工した「ベジート」も、次世代の食材としてSNSなどで話題となっています。

 

この「ベジート」の原料は野菜と寒天のみで非常にシンプル。海苔のように長期保存も可能です。災害時の備蓄や子どもの食事の栄養補助を目的として、生活に取り入れるのも良いかもしれません。

 

フードバンクに寄付する

市場で流通できない食品を生活困窮世帯や福祉施設に寄付する「フードバンク」をご存じでしょうか。この活動はNPO法人などが行っており、農林水産省では農家や生鮮食品の市場関係者に向けて、フードロス削減の手段としてフードバンクへの寄付も推奨しています。

売れ残った食品や流通時に傷のついてしまった食材だけでなく、規格外野菜もフードバンクの対象です。農協や農家による自主的な寄付による支援も、少しずつ広がりをみせています。

*参考:農林水産省

食料品以外の加工品に活用する

技術の開発と進歩により、規格外野菜は「食べる」用途以外でも活用されはじめています。カバンやクレヨンなど、意外な加工品として新たなビジネスを生み出しており、今後の発展が期待される領域です。

バッグやクレヨンにも!意外なものに加工される規格外野菜

ここでは規格外の野菜や果物を意外な場所で活用している製品についてご紹介します。

フルーツレザー(ヴィーガンレザー)

廃棄される果物から本物の革製品のような素材を生み出す「フルーツレザー(ヴィーガンレザー)」が、今世界で注目を集めています。

フルーツレザーを開発している企業は世界に数社あり、このうちオランダの若手デザイナーが手がける事業では2015年からフルーツレザーを研究・開発、製品化を進めてきました。

オーストラリアの企業では、りんごやブドウ、パイナップルを使ったフルーツレザーを開発。カバンや小物を扱うブランド「iFarmaissance」を展開しています。通常の革製品と比べて軽くて丈夫なことが特徴です。加工時に使う水も少なく、製造過程での環境負荷も少ない製品です。

フルーツレザーはカバン、コインケース、時計のベルト、猫の首輪など、さまざまな製品に活用されています。

 

おやさいクレヨン

規格外野菜と米油、食品に使用されるものと同等の安全性がある顔料からつくられた「おやさいクレヨン」。もともとグラフィックデザイナーとして活動していたmizuiro株式会社 代表・木村尚子さんが開発した製品です。

 

 

おやさいクレヨンは、世界で一番厳しいと言われる玩具の安全性の欧州規格「EN71-3:2013(Safety of toys Part 3 2013)」を取得しています。高い安全性が保障されているからこそ、万が一誤って子どもの口の中に入ってしまっても安心です。りんご、ねぎ、ゆきにんじんなどの原材料が織りなすやわらかな色が子どもの色彩感覚を育て、環境問題を学ぶきっかけにもなります。

mizuhiro株式会社では派生商品として、りんごの搾りかすを使ったスケッチブックや「おやさいねんど」も開発・販売しています。

廃棄食材で染めた洋服やスニーカー

廃棄される野菜や食材から染料をつくり、洋服やカバン、スニーカーなどを自然由来のやさしい色合いで染め上げているベースウェアブランド「FOOD TEXTILE」。繊維の専門商社である豊島株式会社が手がけるサステナブルなプロジェクトです。

 

 

材料となる食材は、パートナーを組んでいるカゴメ株式会社、タリーズコーヒージャパン株式会社などの食品メーカーや飲食店、農家・農園から回収。国内外で特許を取得した技術で染料化し、天然素材でも色落ちしにくい製品を実現しています。

アイテムの種類も豊富です。赤ちゃんの産着から大人用のTシャツ、エプロンなどのキッチングッズ、ネクタイ、くつしたなど、さまざまな製品が展開されています。

毎日使うものを、地球にやさしい製品へ

カバンやクレヨンなど、さまざまな場所で活用がすすむ規格外野菜。私たちの周りにある豊かな環境を次世代に引き継いでいくためには、自分にできる小さなアクションを積み重ねていくことが必要です。

毎日使うものを、環境にやさしい製品に変える行動もそのひとつ。今回記事の中でご紹介した製品を、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

 

くらだしマガジン編集部

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