SDGs達成において食品ロス削減は必須。家庭でできる6つの取組も紹介

SDGs達成において食品ロス削減は必須。家庭でできる6つの取組も紹介

食品ロスは世界中で重要な問題となっており、SDGsとも深く関連しています。一方で、なぜ食品ロスがSDGsと関連しているのか、具体的にどのような対策をすれば食品ロスを削減できるのかなど、気になる方も多いでしょう。


この記事では食品ロスとSDGsの関連性や、個人でもできる対策を解説します。また、良い商品を割安で購入できるうえに社会貢献につながる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

食品ロス削減はSDGsの目標のひとつ

SDGsという単語が使われる機会は年々増えています。まずはSDGsの概要と、食品ロスの現状を解説します。

SDGsについて

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能でより良い世界を目指すための国際目標のことです。SDGsは2015年9月開催の国連サミットで定められた「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されています。2001年に策定された「ミレニアム開発目標(MDGs)」の後継として採択されました。


17のゴールと169のターゲットで構成されており、2030年までに誰ひとり残さず達成することを目指しています。SDGsは先進国・発展途上国ともに取り組むべき目標としており、日本も積極的に推し進めています。


SDGsのなかでも重要な目標のひとつが、まだ食べられる食品であるにもかかわらず廃棄されてしまう、食品ロスの削減です。

食品ロスの現状

食品ロスは世界中で問題になっています。国際連合食糧農業機関(FAO)の発表によると、世界では1年間に13億tもの食材が廃棄されているというデータがあります。これは食料生産量全体の3分の1にもおよぶ量です。


日本では年間522万tの食品を廃棄しており、日本人1人あたり毎日1個のおにぎり(113g)を捨てている計算になります。食品ロスの内訳は、事業系食品ロスが275万t、家庭形食品ロスが247万tです。


日本の食料自給率は38%であり、多大な量の食品を海外から輸入している一方で、その多くを廃棄しています。さらには食品ロスによって、年間2兆円もの一般廃棄物処理費用が発生していることも深刻な問題です。

SDGsと食品ロスの関連性

ゴミ箱に入る廃棄野菜

SDGsにおいて、食品ロスは目標2「飢餓をゼロに」や目標12「つくる責任 つかう責任」をはじめ、複数の項目に関わっています。本項では、それぞれの項目がどのように食品ロスと関連しているのか見ていきましょう。

目標2. 飢餓をゼロに

SDGsのなかでも食品ロスに関連する項目としてまず挙げられるのが、目標2「飢餓をゼロに」です。この項目では、飢餓の撲滅や栄養不足の解消、農業の生産性・所得を増やすことなどが掲げられています。つまり飢餓をゼロにするだけでなく、持続可能な農業の推進まで目標としています。


世界には環境問題や紛争、農業技術の低さから、十分な食料を確保できずに飢餓が起こっている地域が少なくありません。飢餓に苦しむ人々がいる一方で、まだ食べられる食品を廃棄したり、必要以上の食品を確保して捨ててしまったりしているのが実情です。


目標2を達成するためには食べ物を無駄にしないことは当然ながら、飢餓が起こっている地域に持続可能な農業を導入して、食料を生産し続けられるよう協力することが大切です。

目標12. つくる責任 つかう責任

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」も、食品ロスに関連しています。目標12では、持続可能な生産・消費を実現するための計画を実施することなどがターゲットです。また、目標12のなかでもターゲット12-3では、2030年までに世界全体の1人あたりの食品廃棄を半減させるとともに、生産やサプライチェーンにおける食料の損失を減らすことが掲げられています。


今までは地球の資源を大量に生産・廃棄することで、人々は豊かに暮らしてきました。しかし今後さらに人口が増加することが見込まれており、当然より多くの食料が必要になります。そこで、未来を守るためにも生産や消費に責任をもち、食品ロス削減に取り組むことが求められています。


また目標12では食品ロスを削減する以外にも「3R」と呼ばれる、包装用紙などのゴミを減らすReduce(リデュース)、同じものを繰り返し使用するReuse(リユース)、資源を再利用するRecycle(リサイクル)をそれぞれ意識することも重要です。

その他項目にも食品ロスは関連している

食品ロスの問題は、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさを守ろう」などにも関連しています。


水に関していえば、農作物や食品の加工など、私たちが口にする食品を生産するためには大量の水が必要です。そのため大量の水を使った食品を廃棄するのは、水を無駄にしているのと同じといえます。世界には水道設備の整っていない場所で暮らす人が多くいるなかで、水を今後も永く確保するためには食品ロスを減らすことも大切な取り組みです。


また、廃棄した大量の食品の焼却処理で使用する燃料は温室効果ガスを発生させ、地球温暖化を加速させてしまいます。特に水分を多く含む生ごみは燃えにくく、大量の燃料が必要です。


さらに、焼却して出た灰を処分する最終処分場を新設するためには海や森林を開拓しなければならず、目標14や目標15における海・陸の豊かさを守ることの妨げにもなります。このように、食品ロスはその他あらゆる問題につながっているといえます。

食品ロスの原因

FOOD LOSS

食品ロスは家庭・飲食店・小売店などあらゆる場所で起こっており、その原因もさまざまです。


まず、売れ残りや食べ残しによる食品の廃棄が挙げられます。生産量と需要のバランスが取れずに売れ残った食品は、消費期限や賞味期限の観点から廃棄されます。特にクリスマスケーキやおせちなど時節に関連する商品は、イベントが終わると同時に需要がなくなるのが一般的です。牛乳のように生産量を調整することが難しい農畜産物も、需要とのバランスが取れなければ基本的には廃棄されてしまいます。


飲食店や家庭での食べ残しも食品ロスにつながります。また、家庭では調理済みの料理を食べ切れずに捨てたり、賞味期限が切れて手をつけないまま腐らせたりするケースも珍しくありません。


ほかにも、規格外による廃棄や3分の1ルールに沿った廃棄もあります。規格外の商品は品質や味は変わらないにもかかわらず、変形やサイズが合わないことにより廃棄されてしまいます。


3分の1ルールとは製造日から賞味期限までの期間を3等分にして、3分の1を超えると返品する商慣習です。消費者に賞味期限が短いという印象を与えないように生まれたものではありますが、食品ロス削減が叫ばれている現代、このルールに則って販売している企業は減ってきています。

食品ロスを削減するために家庭でもできる6つのこと

まな板の上にある野菜

食品ロス対策は食材に対する考え方を変えたり、買い物の際に少しのことを意識したりするだけで個人でも行えます。本項では、今日から取り組める6つの食品ロス対策を紹介します。

食材は買いすぎず、使い切る

食品ロス対策でまず意識したいのが食材を買いすぎないこと、そして最後まで食材を使い切ることです。「買い物から帰って冷蔵庫を開けたら同じ食材が入っていた」「お得なまとめ買いで購入したものの、食べ切れずに腐らせてしまった」といった経験はないでしょうか。


無駄な買い物を避けるためには、冷蔵庫の中身を確認してから買い物に行き、安さだけで選ぶのではなく使い切れる量のみを買うことが大切です。またストックしている食材は、古いものから使うようにしましょう。

適切に保存して食べ切る

食材をできるだけ長く日もちさせるために適切な方法で保存するほか、食べ切れなかった料理をそのまま捨てることがないようにしましょう。


例えば、使い切れない肉や魚は小分けにして冷凍する、野菜は新聞紙で包み野菜室で保存するなど、食材に応じた保存方法があります。また、大根の葉っぱや長ネギの青い部分など「今まで捨てていたけど実は食べられる部分だった」というケースもあるので、調べてみるのもおすすめです。


食べ切れなかった料理も、翌日に違う料理としてリメイクすれば飽きずに食べ切れるでしょう。

すぐに使うものは手前から購入する

食品を購入するときは、なるべく手前に陳列されている消費期限・賞味期限の短いものから購入することも食品ロス対策につながります。


先述した通り、3分の1ルールに則っている企業では消費期限・賞味期限前の食品でも返品・廃棄されます。特にすぐに使う食材を購入する場合は、手前の商品から選びましょう。期限が迫っている「おつとめ品コーナー」から購入するのもひとつの方法です。

期限表示を理解して管理を徹底する

期限表示には、消費期限と賞味期限の2種類があります。消費期限は劣化するのが早い惣菜や弁当、生菓子などに表示されている期限で、期日を過ぎた場合は食べないほうが良いという目安です。


賞味期限はおいしく食べられる期間を表しており、劣化しづらいレトルト食品や菓子類、缶詰などに表示されています。賞味期限は期日を過ぎても食べられないわけではありません。


消費期限表記の商品は期限内に食べ切る、賞味期限の場合は期日が過ぎたからといってすぐに捨てる必要はないなど、2種類の違いを把握して適切に管理することも重要です。

外食時には持ち帰りや3010運動を推進する

食品ロスの削減には、外食時に意識できることもあります。例えば、注文しすぎた場合や初めて訪れる飲食店で想像以上に量が多かったときなど、料理を食べ切れなかった際には店舗側に確認したうえで持ち帰りましょう。


また、宴会時の食べ残しを減らすために「3010(さんまるいちまる)運動」の取り組みが推進されています。3010運動とは「食品ロスを削減するために、乾杯後の30分と宴会終了の10分前は席を立たずに食事を楽しもう」という運動です。

食品ロス削減に取り組む企業のサービスを利用する

食品ロス削減に取り組んでいる小売店やスーパー、食品メーカーも増えており、そのような企業のサービスを利用することは、消費者としてのメッセージになります。


消費期限が近い食品を購入するとポイントがつく、製品容器の構造を工夫して長もちさせるなど、食品ロス削減に対する取り組みはさまざまです。


店舗以外にも、インターネットを通して食品ロス削減に取り組むサービスも少なくありません。規格外の食材や期限が近い商品などを割安で購入できるサービスもあり、楽しみながらお得に食品ロス削減に貢献できます。

家庭でもできる食品ロス対策

食品ロスはSDGsにも関連しており、日本のみならず世界で取り組まれている問題のひとつです。食品ロスを削減するとともにSDGsの目標を達成するためにも、家庭でできることを意識してみましょう。


お得に買い物を楽しめるソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」では、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう可能性がある商品を通常よりもお得に購入できます。食材やお菓子をはじめ、お酒、化粧品なども取り扱っています。まとまった量を購入できるので、近所の友人や家族とシェアするのもおすすめです。


「Kuradashi」の取り組みは食品ロスの削減だけではありません。売り上げの一部を社会貢献団体に寄付しており、食品ロス対策と同時に社会貢献も可能です。


具体的な商品は商品一覧ページから確認できます。また、無料会員に登録すると会員限定のキャンペーンや商品情報もご覧いただけます。

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くらだしマガジン編集部

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