香り高く味わい深い紅茶は、優雅で上品なイメージがあります。紅茶の本場として知られるイギリスでは1日に5杯以上飲むともいわれており、軽食やスイーツとともに紅茶を楽しむ「アフタヌーンティー」の習慣があるほどです。日本でも、紅茶はリラックスしたいときの飲み物として、コーヒーと人気を二分しています。
本記事では、紅茶の種類やグレード、飲み方、選び方などについて紹介します。紅茶好きの方はもちろん、紅茶にはあまり馴染みがないという方も、ぜひ参考にしてみてください。
紅茶の主な生産国
そもそも紅茶は中国発祥とされていますが、イギリスの歴代女王に紅茶好きが多かったためか、「紅茶といえばイギリス」というイメージがあります。
紅茶は世界各地で生産されており、主な生産国はインドやスリランカ、ケニア、インドネシア、中国などが挙げられます。日本への茶葉の輸出量が最も多いのがスリランカで、続いて多いのがインドです。
紅茶の産地は、熱帯や亜熱帯地域で昼夜の気温差が大きいエリアに集中している傾向があります。
紅茶に期待できる効能
紅茶は飲んでおいしいだけでなく、含まれている成分によってさまざまな効能や効果が期待できるのも魅力的。紅茶に含まれる主な成分はタンニンやカフェイン、テアニンなどです。
タンニンはポリフェノールの一種で、抗がん性や抗菌性の作用があります。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、血糖値や血中コレステロールを調整するなど生活習慣病予防効果があるといわれています。
カフェインの効能としては眠気の軽減が知られているほか、疲労回復や脂肪燃焼効果なども期待できますが、過剰摂取には注意が必要です。
アミノ酸の一種であるテアニンには、リラックス効果や血圧上昇の抑制効果なども期待できます。
代表的な紅茶の種類
紅茶は産地によって独特の個性があり、色や香り、味も種類によってさまざまです。人気の種類はカフェや専門店などでもよく耳にするため、以下で代表的な紅茶の種類を紹介していきます。
ダージリン
「紅茶のシャンパン」と称されるダージリンは世界三大銘茶の一つでもあり、フルーティな香りとコクの深い味わいで最高級品とされています。レモンやミルクなどは足さずに、オレンジの水色を楽しみながらストレートで味わいたい紅茶です。
アッサム
アッサムは世界最大のお茶の産地である北東インドのアッサム地方で収穫されます。芳醇な香りとコクのある甘みが特徴のアッサムは、ミルクとの相性が良く、ミルクティーにして飲むのがおすすめです。
ウバ
スリランカの南東部ウバ地方で収穫されるウバは、世界三大銘茶の一つです。7~9月の乾季に収穫される茶葉は高級品とされ、バラのような華やかな香りや、清涼感のある味わいが楽しめます。旬の時期はお茶本来の香りと味を楽しむためにストレートで飲むのがおすすめですが、ほかの時期ではミルクティーで飲むのも良いでしょう。
ヌワラエリヤ
ヌワラエリヤはスリランカ中央部の山岳地帯であるヌワラエリヤで収穫され、緑茶に似た渋みと優雅な花の香りが特徴です。緑茶感覚で楽しめる紅茶ということもあり、ストレートで飲むのがおすすめです。
キーモン
中国の安徽省祁門県で収穫されるキーモンは世界三大銘茶の一つで、中国の伝統製法で作られています。花のような華やかな香りと、まろやかで甘い味わいが特徴です。独特のスモーキーな香りを楽しむために、ストレートで飲むのが良いでしょう。
ニルギリ
インド南部のニルギリ地方で収穫されるニルギリはすっきりとした味わいで、鮮やかな紅色が特徴です。柑橘系のような爽やかな香りが引き立ち、クセがないので飲みやすく、ミルク、レモン、アイスなどさまざまな飲み方で楽しめます。
ジャワ
ジャワはインドネシアのジャワ島西部で収穫され、味も香りも軽めでクセがないため、ブレンドティーにも多く使われています。爽やかな香りで渋みが少なく、マイルドな味わいなためストレートやアイスで飲むのがおすすめです。
ケニア
ケニアの山麓にあるケリチョ、ニエリ、ナンディ、ソティック地区で収穫されるケニアは、クセがなくフレッシュな香りが特徴です。ストレート、ミルク、レモンなどさまざまな飲み方が楽しめるほか、ブレンドにするのもおすすめです。
キャンディ
キャンディはスリランカ紅茶発祥の地であるキャンディで収穫され、紅色に近いオレンジ色で、クセのないマイルドな味わいと、ほのかな甘みが特徴です。おすすめの飲み方は、ストレートかフルーツティーなどが挙げられます。
アールグレイ
アールグレイは茶葉や産地に関わらず、イタリア原産の柑橘類であるベルガモットで香りづけされたフレーバーティ―です。お茶の名前は、英国に実在したグレイ伯爵にちなんでいます。味わいは茶葉によって異なりますが、基本的に爽やかな香りが特徴で、アイスやミルクで楽しむのがおすすめです。
茶葉のグレード
紅茶の茶葉には等級区分のグレードがあります。グレードというと序列のように思われるかもしれませんが、品質の良し悪しではなく、茶葉の大きさや形、用途によって区分されています。パッケージなどに「B」や「F」などのアルファベットで表記されているのがグレードです。以下で茶葉のグレードの一部を紹介します。
OP:オレンジペコー
カットされていない細長い大型の茶葉のことで、葉の長さは約1cmです。「ペコー」は中国語由来の言葉で、白いうぶ毛がついた茶の芯芽(生えたばかりの葉のことで、ティップとも言う)を指し、ダージリンやキーマンに多く見られます。薄めで明るいオレンジ色が特徴的で、抽出時間は長くかかりますが、しっかり蒸らすと香りが立ちます。
P:ペコー
オレンジペコーに比べてやや硬い葉で、太く短いのが特徴です。針金状ではなく芯芽はあまり含まれず、オレンジペコーに比べるとやや濃い色になります。
BOP:ブロークンオレンジペコー
茶葉のサイズは2~4mmほどで、リーフタイプではもっとも小さいサイズです。芯芽を多く含み、上級品が多く、需要がもっとも多いグレードといえます。濃い色で香り高く、コクのある味わいが特徴です。
紅茶の飲み方
紅茶は種類が豊富で茶葉ごとに特徴があります。茶葉によって適した飲み方が異なるので、茶葉に合う最適な飲み方を知っておくとより一層おいしく飲めるでしょう。
また、同じ紅茶でも飲み方を変えることで、味わいや香り、見た目を変化させられるほか、違う茶葉を合わせてブレンドティーにするのもおすすめです。以下にさまざまな紅茶の飲み方を紹介します。
ストレートティー
もっともシンプルなストレートティーは、茶葉にお湯を注ぎ、3~5分蒸らしてから抽出した紅茶を、レモンやミルクなどを加えずにそのまま飲むという飲み方です。
ストレートティーは、茶葉本来の香り・味わいやコクが楽しめます。初めて飲む茶葉の場合は何かを加える前に、まずはストレートで味わってみることをおすすめします。
ミルクティー
ミルクティーは、紅茶にミルクを入れて飲む飲み方です。使う茶葉やミルクの量によって味わいが変化するので、飽きのこない飲み方といえます。ミルクティーで飲む場合はコクが深く、濃厚な味わいの茶葉がおすすめです。
イギリス人がもっとも好む紅茶の飲み方として知られていますが、ミルクティーにはさまざまなバリエーションがあり、世界中で楽しまれています。 インド発祥のチャイはミルクティーに砂糖とスパイスを加えたものです。香港式ミルクティーは、ミルクの代わりにエバミルクを入れます。
レモンティー
紅茶にレモンスライスやレモン果汁を入れて飲むのが、レモンティーです。さっぱりとした味わいで、ホットとアイスのどちらでもおいしく飲めます。レモンティーで飲む場合は、渋みが少なくレモンに合うフルーティな香りがする茶葉を選ぶと、より爽やかさが増すでしょう。
お好みで砂糖やレモンと相性の良いハチミツを加えるのもおすすめです。なお、レモンは紅茶に入れっぱなしにすると苦み成分が出るので、早めに取り出すのがポイントです。
フルーツティー
紅茶にレモン以外のフルーツを入れたものがフルーツティーです。りんごや桃、オレンジ、キウイなどお好みのフルーツをカットし、紅茶に入れて漬けこみます。そのまま飲んでも良いですが、アイスフルーツティーにすると清涼感が増します。さらに、炭酸で割ったり凍らせてシャーベット状にしたりすると、デザート感覚で楽しめるでしょう。
フレッシュフルーツの代わりにドライフルーツを使って作ることもできます。ロシアンティーとしても知られるフルーツジャムを合わせた飲み方も格別です。
お気に入りの紅茶の選び方
紅茶は種類が豊富なため、自分のお気に入りの銘柄を選ぶのはなかなか難しいかもしれません。たくさんの種類を飲み比べていくなかでお気に入りを選ぶのも良いですが、その時々の気分やシーンで選ぶ方法もおすすめです。
以下で紅茶の選び方について紹介します。
タイプ別で選ぶ
紅茶にはリーフティー、ティーバッグ、粉末、ペットボトルなどさまざまなタイプがあります。好みの飲み方やシーンに合わせて選ぶと良いでしょう。
紅茶の香りや味わいをじっくりと楽しみたい場合には、リーフタイプがおすすめです。手間はかかりますが、お茶を抽出している間は香気に包まれて優雅な気分に浸れますし、自分好みに濃さを調節することもできます。
ティーバッグであれば、手軽においしい紅茶を飲むことができます。数種類をセットにした詰め合わせもあるので、さまざまな種類を試したいときなどにも便利です。
粉末のスティックタイプはお湯にも冷たい水にも溶けやすいので、アイスティーが飲みたいときにもおすすめです。ペットボトルであれば、外出先にも手軽に持ち運べるでしょう。
ブランドで選ぶ
紅茶には世界的に有名な高級品や、オーガニック、リーズナブルで日常使いしやすいものなど、さまざまなブランドがあります。香りや味だけでなく、パッケージにも特徴が表れるのが紅茶の魅力です。
特別な日や来客用には長い歴史のある老舗ブランド、普段使いやリフレッシュしたい時にはオーガニックやコスパの良いブランドの紅茶など、シーンに合わせてブランドを選ぶのもおすすめです。
紅茶の選び方を変えて気分もリフレッシュしよう
世界中で愛飲されている紅茶は、さまざまな種類やタイプ、飲み方があります。お気に入りの紅茶が見つかったらまずはストレートで味わい、気分によって飲み方をアレンジして楽しんでみてください。産地によって、また茶葉によって香りや味わいが異なるので、手軽に試せるティーバッグなどで試してみると良いでしょう。
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