肉を加工した食品であるハムは賞味期限が長く、長期間の保存が可能なハムを自宅に常備しているという方は多いのではないでしょうか。一方で、ついハムを買いすぎて賞味期限内に食べきれなかったり、ハムを使ったレシピのバリエーションが少ないと余らせてしまったりするかもしれません。
そこで、本記事ではハムの種類やハムを使った人気のレシピ、より長く保存するための方法について紹介します。お中元やお歳暮などでハムをいただく機会が多い方や、つい買いすぎて余らせてしまうという方は、ぜひ参考にしてください。
ハムの種類
ハムとは、肉の塊を塩漬けや燻製にして加工した食品のことで、多くの場合は豚肉が使われます。そのままでも焼いても食べられ、手軽に使えることからさまざまな料理に用いられており、お歳暮やお中元などのギフトとしても人気です。
ハムにはさまざまな種類があり、加工方法が異なります。豊富にあるハムの種類の中から、日本でよく食べられている代表的なハムを以下で紹介します。
ロースハム
肩から腰の部分の背肉であるロース肉を塩漬けにし、燻製、加熱して作るのがロースハムです。適度に脂肪を含むため、柔らかな食感とまろやかな風味、赤みがかったピンク色をしているのが特徴です。
ロースハムの発祥は日本で、第一次世界大戦時に捕虜として日本に連れてこられたドイツ人が、当時あまり使われることのなかったホース肉を食べられるように工夫して作ったことから始まりました。ロースハムは日本で最もポピュラーなハムといえるでしょう。
ボンレスハム
ボンレスハムは、塩や香辛料に漬けた豚のもも肉を燻製・加熱したものです。骨を抜きとって作るため、骨がついていないことを意味する「ボンレス(boneless)」という名が付けられました。
ロースハムと作り方は同じですが、ボンレスハムはもも肉を使うため、より脂肪が少なく肉感が強めで、食感があっさりしています。比較的低カロリーなので、ダイエットをしている方でも、カロリー過多を気にせず安心して食べられるでしょう。
骨付きハム
豚のもも肉を骨付きのまま加工したのが骨付きハムで、「ボンインハム」とも呼ばれています。製法は加熱処理する方法と、低温で長時間にわたって乾燥させ燻製にする方法の2種類です。
加工する過程で骨に含まれる骨髄液が染み出すためコラーゲンが大量に含まれ、柔らかく旨みのあるハムに仕上がります。
日本では一般的なハムではありませんが、欧米ではハムというと骨付きハムを指すことが多いです。
ショルダーハム
ショルダーハムは、豚の肩ロースを塩漬けにして熟成させたのち、燻製したものです。豚肩ロースには赤身の部分と筋肉組織に脂肪が沈着している部分があり、いわゆる「霜降り状」になっています。
比較的脂肪が少なめで赤身が多く、さっぱりとしていながらも豚肉の深い風味やコクが味わえるでしょう。ロースハムとボンレスハム、ショルダーハムは製法が同じで、使用する部位だけが異なります。
プレスハム
プレスハムは豚肉と牛肉などを塩漬けにして練り合わせ、つなぎを加えて加熱し、固めて作る日本特有のハムです。
余った肉を使うなどしてコストを抑えられるうえ、容易に作れるため戦後の物資が乏しかった1955年~1973年頃の高度経済成長期にかけて普及し、当時は誰もがハムと聞くとプレスハムを連想するほどでした。
しかし、1980年代に入ると高級ハムの需要が高まり、流通量が減少。現在は主に業務用として使われています。
混合プレスハム
混合プレスハムもプレスハム同様に、日本が生み出したハムです。プレスハムと同じ製法で作られますが、材料が異なります。
プレスハムは畜産肉のみで作られますが、混合プレスハムは魚肉を加えたもので、魚肉は主にくじら肉が使われるほか、まぐろやかじき、たらなどが使われることもあります。
魚特有の臭いがありますが、加熱することで臭いを抑えられるでしょう。
ラックスハム
ラックスハムはいわゆる生ハムのことをいい、豚肉を長時間にわたって塩漬けにして、発酵・乾燥、燻製させています。燻製のスモーキーな香りと生肉のような食感、凝縮した肉の旨みが楽しめるハムです。
生ハムには発酵させずに作るイタリアのプロシュートや、黒豚で作るスペインのハモン・イベリコなどがありますが、ラックスハムはドイツ系のハムです。
ラックスとはドイツ語で「鮭」のことを指し、色が鮭の切り身と似ていることからラックスハムという名が付けられました。
ベリーハム
ベリーハムの特徴は、ほかのハムには見られないインパクトある見た目です。豚の腹部であるバラ肉を丸めて塩漬けにし、燻製するため、カットすると渦を巻いたような断面に仕上がります。
脂肪分が多い豚バラ肉をハムにするため、食感がしっとりしており、まろやかな味わいです。ご飯と相性が良いためチャーハンの具材にしたり、焼いたベリーハムをご飯に乗せたりするのがおすすめ。ハムから脂が出るため、油をひかずに調理できます。
パストラミ
パストラミとは、塩漬けにした赤身肉を燻製にした後に、粗びき胡椒やニンニク、ハーブ、スパイスなどをまぶしたものです。多くの場合は牛肉が使われますが、豚肉や鶏肉、鴨肉から作ることもあります。
スパイスなどのピリッとした辛みと肉の旨みを楽しめ、サラダやサンドイッチなどに使われていることが多く、食品を冷蔵する技術がなかった時代に、肉を長期保存するために生まれました。
ハムを使ったレシピ
ハムは、さまざまなレシピに取り入れやすい万能な食材です。そのままでも加熱してもおいしく食べられるので、メインのおかずだけでなく、手早く作りたい朝ごはんやお弁当のおかず、おつまみなどにも活躍します。
ここからは、シーンごとにおすすめのハムを使ったレシピを紹介していきます。
朝ごはんレシピ
朝は通勤・通学前に身支度などの準備をするため、何かと忙しいという方は多いのではないでしょうか。次から紹介する朝ごはん向けレシピなら、短時間で作れるうえ、お腹をしっかり満たせます。
ホットサンド
ハムとチーズをパンで挟み、オーブンやフライパン、トースターなどで焼いたものがホットサンドです。肉の旨みが凝縮したハムと、とろりとしたチーズが食欲をそそります。
- サンドイッチ用のパン2枚にバターを塗り、片方のパンの上にハムとチーズ、好みの具材を乗せる
- 1をサンドして、トースターやホットサンドメーカーで焼く
ハムとチーズオムレツ
卵を溶きほぐし、塩・コショウなどで調味してフライパンで手早く焼き上げるオムレツに、ハムやチーズを入れたものです。オムレツは電子レンジでも調理できるため、フライパンで焼く手間を省ける忙しい朝にぴったりのメニューといえます。
- ボウルに卵を入れて溶き、ピザ用ソースと粗みじん切りにしたロースハムを加えて混ぜ合わせる
- 1を耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、500Wの電子レンジで約2分加熱
- ケチャップをかけて完成
おかずレシピ
次から紹介するのは、ボリュームがあり、食べ応えがある夕食のおかずにぴったりなハムを使った料理です。
ポテトサラダ
茹でたじゃがいもを使ってほかの食材と混ぜたサラダのことをポテトサラダといいます。じゃがいもを電子レンジで加熱すれば、調理工程は比較的簡単です。
- じゃがいもは、一口サイズにカットして水にさらす
- 耐熱ボウルに1を入れてラップをかけ、500Wの電子レンジで5〜6分加熱
- 2をあたたかいうちに潰し、塩・コショウを加えて混ぜ合わせる
- 粗熱が取れたらスライスして水にさらした玉ねぎときゅうり、刻んだハムなどを加え、マヨネーズと粒マスタードで味付けして完成
キッシュ
キッシュは卵と生クリームハムなどが入ったフランスの郷土料理です。手間がかかる料理と思われがちですが、冷凍パイシートを使えばオーブンで焼くだけで手軽に作れます。
- ボウルに卵を入れて溶き、生クリームと牛乳を加えて混ぜる
- 1に塩・コショウ、1cm角にカットしたハム、チーズを加える
- パイ皿に打ち粉をしたパイシートを伸ばし、フォークなどで全体に穴を空ける
- パイシートに2を入れ、茹でて約5cmに切ったほうれん草を散らす
- 200度に予熱したオーブンで、約20分焼いたらできあがり
弁当レシピ
ここからは、冷めてもおいしくお弁当に彩りを添えてくれるメニューを2つ紹介します。どちらも少ない工程で作れるので、お弁当作りにあまり時間を割けないという方にもおすすめです。
ハムエッグ
ハムエッグは、薄切りのハムの上に生卵を落とし、目玉焼きにして一緒に焼いたもののことをいいます。ハムエッグだけで食べるのはもちろん、トーストの上にのせたりチーズをかけたりと、アレンジができるのもうれしいポイントです。
- 熱したフライパンに油をひき、ハム、卵の順に入れて塩・コショウを振り蓋をする
- 白身が白くなり、好みの黄身の状態になったら火からおろして完成
はんぺんハムチーズ焼き
ふわふわしたはんぺんにハムとチーズを挟んだもので、冷めてもおいしく子どもに人気のメニューです。
- はんぺんを二等分し、断面の中央に包丁を入れて袋状にする
- 二等分したハムとチーズをはんぺんの切れ目に入れる
- フライパンに油をひいて熱し、2の両面に焼き目を付けたらできあがり
おつまみレシピ
最後に紹介するのは、おつまみにぴったりなレシピ。ハム自体に塩気があるためお酒との相性が良く、おつまみレシピも豊富です。以下では、簡単かつお酒を楽しめる一品を紹介していきます。
ハムカツ
ハムカツはハムに衣をつけて揚げたシンプルな料理で、居酒屋で定番・人気のメニューとなっています。ハムの旨みとサクサクの衣がビールとの相性抜群です。
- 塊のロースハムを好みの厚さにカットする
- ハムに小麦粉と溶き卵、パン粉の順にくぐらせて衣をつける
- 衣をつけたハムを180度の油できつね色になるまで揚げる
- ソースやマヨネーズなどを付けて完成
クリームチーズの生ハム巻
クリームチーズを生ハムで巻いただけの簡単レシピ。まろやかなクリームチーズに塩気の効いた生ハムの組み合わせは、ワインにぴったりです。
- クリームチーズを一口大位の大きさにカットする
- カットしたクリームチーズを生ハムで包む
- 2をお皿に盛り付けたらオリーブオイルをまわしかけ、パセリを散らしたら完成
ハムの冷凍保存は可能?
ハムは加熱や燻製などの処理を施した加工品のため、賞味期限が長いというメリットがあります。賞味期限が長いとはいえ、まとめ買いをしたりお歳暮などでいただく機会が多かったりするため期限内に食べきれないこともあるでしょう。
ハムが余って食べきれないときには、冷凍保存すれば1ヶ月ほど保存可能です。パックのままでも、スライスしたハムなら1枚ずつラップやアルミホイルで包んで冷凍すると良いでしょう。塊りの場合は、あらかじめ使いやすい大きさにカットして冷凍しておくと便利です。
調理する際は解凍せずとも使用できますが、水分が出やすいため冷蔵庫で自然解凍することをおすすめします。
ハムを使ったアレンジレシピで献立にも迷わない
ハムの塩気や肉感は手軽に料理にアクセントを加えられるほか、ハムの色が料理に彩りを加えてくれるため料理の幅を広げられます。長期保存も可能なため、いつでも使えるようにハムをストックしておくと便利です。
ハムを購入する際は、Kuradashiを活用してみてはいかがでしょうか。パッケージの変更や包装のヨレなどの理由から、店頭では販売できないハムをお得に購入可能です。さまざまな種類のハムを取り揃えているので、ぜひKuradashiの商品一覧をご確認ください。