飢餓って何だろう。原因を知って一人ひとりにできる取り組みから始めよう

飢餓って何だろう。原因を知って一人ひとりにできる取り組みから始めよう

世界では多くの人が「飢餓」に苦しんでいますが、日本にいると、あまり実感が湧きません。そのため、「飢餓に苦しむ人たちに何かしたい」と考えたことはあっても何ができるのかわからず、どこか別の世界のできごとのように感じている人も多いのではないでしょうか。

実は日本でも起こっている飢餓問題。決して遠い場所だけで起きている問題ではありません。この記事では、飢餓の解決のために一人ひとりにできることをご紹介します。

飢餓とは?世界の現状

そもそも飢餓について、明確に説明できない人も多いのではないでしょうか。

WFP(国連世界食糧計画)によると、飢餓とは「身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態」と定義されています。

つまり、「食事を十分に食べられず、栄養不良に陥って生命の存続や社会的な生活が困難な状態」といえるでしょう。

*参考:WFP

1.飢餓の現状

世界人口に対して、一人あたりの食糧が足りていないから飢餓が発生しているわけではありません。問題は、不足していないけれど必要なところに食糧があまねく行きわたらないことです。

しかし、推計8億2000万(2018年時点)の人々が飢餓に苦しんでいるのが現実です。世界の飢餓人口は増加傾向にあり、2030年までのSDGsの17の目標のひとつである「飢餓をゼロに」の達成も危ぶまれています。

また、地域別にみると、アフリカ・アジア地域がもっとも厳しい状況です。アフリカ諸国はいずれの地域も飢餓がまん延しており、東アフリカでは人口の約3分の1が栄養不良に陥っています。

さらに、アジアでは飢餓に苦しんでいる人口がもっとも多く、その数は5億人以上です。このような状況を打開するために、早急な対策が求められています。

*参考:WFP 1,2

2.飢餓が人に与える影響

飢餓が起こることで、人体は栄養不良の状態に陥ります。栄養不良は、妊婦の不調や発育阻害、乳幼児の死亡などを引き起こします。

新生児にとっての生命線は、母親が健康であることです。母親が栄養不良では、栄養価の高い母乳を与えられません。そうなれば、新生児の栄養不良を招き、死亡や発育阻害(低身長)につながります。

また、近年は、飢餓による肥満も問題視されています。一見、食糧不足と肥満は相反しているように思いますが、肥満も栄養不良のひとつなのです。飢餓地域では食糧が安定して手に入らないため、空腹と満腹を繰り返し、代謝機能が急激に変化してしまいます。「食べられるときにたくさん食べておきたい」という人間の心理が、肥満のリスクを高めているのです。

*参考:WFP,ユニセフ

3.日本で起こっている飢餓

実は日本でも飢餓は発生しています。日本の飢餓は「相対的貧困」による飢餓と呼ばれ、ここまでに紹介してきた世界の飢餓「絶対的貧困」による飢餓とは異なるものです。

相対的貧困とは、その国の文化水準や生活水準に満たない状態を指します。「国民生活基礎調査」(2018年の厚生労働省)では、17歳以下の子どもの貧困率は13.5%で、7人に1人が相対的貧困であるという日本の格差社会の弊害が浮き彫りになりました。

相対的貧困は、身なりや住居から判断するのが難しく、すぐに支援しづらいのが特徴です。また、相対的貧困にある子どもは塾に通えず、十分な教育を受けられない場合が多く、高収入の職業に就けないという世代を越えた悪循環を引き起こしてしまいます。

このように私たちの身近にも潜んでいる飢餓。貧困に苦しんでいる人たちを見逃さないためにも、地域社会のあり方の見直しや所得の再分配を強めていく必要があるでしょう。

*参考:厚生労働省,公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

飢餓がなくならない3つの原因

1. 貧困

飢餓のもっともわかりやすい原因は貧困です。貧しい農民は農業をおこなうための土地は持たず、水すら満足に使えません。当然、収入や食糧が確保できず、負のスパイラルから脱却できずにいます。

2. 災害

台風、干ばつ、地震、火山の噴火といった自然災害は、飢餓を引き起こす原因のひとつです。自然災害が発生すると生活に必要なすべてを失ってしまい、たちまち貧困へと追いやられます。また、食糧不足に苦しむ人の多くが、自然災害の発生しやすい環境で生活しているとされ、貧困ゆえに移住できない負の連鎖にいると考えられます。

3. 紛争

飢餓に苦しんでいる人の半数以上が、紛争影響国で生活しています。紛争が長期化すれば景気が落ち込み、雇用は悪化し、医療・福祉は受けられない事態となります。社会基盤が不安定なために食糧の供給が十分でなく、飢餓へとつながってしまうのです。

*参考:JICA,JAICAF,WFP 1,2

日本からできる取り組み

飢餓問題は根深く、すぐに解決できる問題ではありません。とはいえ、日本にいながらでも世界や日本で苦しむ人たちを援助する多くの活動があります。

1. ボランティア活動に参加する

飢餓に対する直接的な取り組みとして、ボランティア活動への参加が挙げられます。例えば、「国連ボランティア」は、25歳以上であれば、誰でも登録が可能です。適格な候補者と判断されると、空席があれば派遣要請によって活動することになります。現地での生活費については、派遣地域と家族構成によって異なりますが、月額でおよそ2,000米ドルが支給されます。海外に赴いての活動は難しいという場合には、、国内でできるボランティア活動として、外務省などが共催する「グローバルフェスタ」に運営ボランティアとして参加するのもひとつの方法です。

*参考:国連ボランティア, グローバルフェスタ 2021

2. 支援団体に寄付する

自分自身が活動に参加できなくても、支援団体に寄付する方法があります。支援団体は貧しい人々のために活動しており、活動資金を必要としています。例えば、飢餓のない世界をめざして活動する国際協力NGO「ハンガー・フリー・ワールド」は、毎月一口1,000円から募金できる「ひとつぶ募金」やいつでもできる寄付を募っています。直接の活動が難しいのであれば、寄付がおすすめです。

*参考:ハンガー・フリー・ワールド

3. 情報を発信する

「ボランティアに参加した」「支援団体に寄付した」など、自分の行動を発信するのもひとつの取り組みです。その発信が誰かの目にとまり、行動を促せるかもしれません。現在は、SNSで気軽に個人が発信できる時代です。例えば、Twitterで感想を投稿したり、Instagramでボランティアスタッフ同士の活動風景を投稿しましょう。何か行動したら、ぜひ発信してみてください。

4. 支援施設を応援する

日本における相対的貧困に苦しむ子どもたちは、家庭環境・経済的な事情によって、食事が十分にできず栄養不良となっています。

そこで、「こども食堂ネットワーク」では、地域住民や自治体が主体となり、無料または低価格帯で子どもたちに食事を提供する「こども食堂」で必要な食材をインターネット上で地域ごとにまとめています。

こども食堂の取り組みを「手伝いたい人」という方は、こども食堂ネットワークから必要な食材などの情報を確認して、地域の「こども食堂」に直接郵送してみてはどうでしょうか。

5. 間接的に支援に繋がるサービスを利用してみる

社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」は、売上の一部を支援団体へ寄付しているECサイトです。日本のフードロスを削減しながら、世界中の飢餓に苦しむ人たちを支援できます。

一人ひとりの行動で飢餓問題は解決に向かう

世界で生産される食糧の量は世界人口を支えるのに十分であるにも関わらず、いまもなお、飢餓に苦しむ多くの人たちがいます。飢餓に苦しんでいる地域のアフリカやアジアは、災害や紛争の影響でなかなか脱却できない状況に陥っています。

確かに飢餓に苦しむ人々へ直接手を差し伸べることは簡単ではありませんが、日本にいながらでも、できることはいくつもあります。私たち一人ひとりの行動が、飢餓問題を解決に導くはず。歩みはゆっくりでも、できることをひとつずつ始めてはいかがでしょうか。

くらだしマガジン編集部

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