プラスチック環境資源促進法とは?私たち消費者にできること

プラスチック環境資源促進法とは?私たち消費者にできること

プラスチックは安価な値段で入手可能なため、生活に欠かせない素材です。しかし、その裏で、日本では毎年850万ものプラスチックごみが捨てられているのをご存知ですか?これは、一人あたり年間32kgのごみを排出している計算で、アメリカに次いで世界第2位の多さです。

そこで、国は「プラスチックを捨てることを前提としない経済活動」に焦点を当てた「プラスチック資源循環促進法」を2022年4月に施行しました。

この法律が適用されることで私たちの周りにどんな変化があるのでしょうか?プラスチック資源循環促進法についての解説と、私たち消費者にできることをご紹介します。

プラスチック環境資源促進法とは?

「プラスチック資源循環促進法」は、プラスチックの資源循環を目的とした法律で2022年4月より施行されました。「プラスチックの排出量を減らす」ことが目的ではなく、「プラスチックを捨てることを前提としない経済活動」を行うことが目的。つまり、サーキュラーエコノミー(資源を再利用しながら循環させる経済)に焦点を当てているのです。この法律では5つの措置が定められています。

環境配慮設計指針の策定

国が環境に配慮したプラスチック製容器包装のガイドラインを設定。プラスチック製品を製造する事業者は、この指針に則って製品に使用するプラスチック量を減らすほか、代替素材の使用を検討しなければなりません。指針に適合した製品は、認定プラスチックとして国が率先して利用を促進します。

ワンウェイプラスチックの使用を合理化

スプーンやフォークのようなワンウェイ(使い捨て)プラスチックを削減する仕組みが設けられます。具体的には、ワンウェイプラスチックを有償で提供するほか、消費者が不要だと判断した場合には、ポイントで還元されます。

市区町村による分別収集や再商品化を促進

プラスチック製容器包装廃棄物以外のプラスチックも、再商品化できるような仕組みが設けられました。これまでプラスチック容器包装廃棄物は資源ごみとして分別され、それ以外のプラスチック使用製品廃棄物は燃えるごみとして廃棄されてきました。自治体は分別の基準を決め、適正に分別してもらえるよう市民に呼びかける必要があります。

製造・販売事業者等の自主回収を促進

プラスチックの資源循環を促進するために、プラスチック製品を製造する事業者は、積極的にリサイクルに取り組まなければなりません。「自主回収・再資源化事業計画」の内容が国に認められることで、使用済みプラスチックの自主回収・再資源化事業を行う許可が下ります。

排出事業者に対する排出抑制や再資源化を促進

プラスチック製品を多く製造する事業者は、プラスチック排出の抑制と、リサイクルに関する目標を定めなければなりません。目標達成に向けて計画的に取り組みを進めていく必要があります。

*参考:環境省

プラスチックごみが環境に与える影響

日本のプラスチックごみの排出量は約891万トン。プラスチックが大量に生産、消費、廃棄されることで以下のような問題が発生します。

  • プラスチックごみによる環境汚染
  • 生産から廃棄の過程でCO2が発生し、地球温暖化の原因になる
  • 限りある石油資源の消費

このように環境負荷がかかっているにもかかわらず、世界全体でみると毎年約800万トンのプラスチックごみが海へ流出しているという試算があります。。プラスチックの分解は非常にゆっくりで、ペットボトルが自然分解するためには約400年も掛かるのです。現在では、分解されていない約1億5千万トンのプラスチックが、海に停留していると推測されています。

海には、マイクロプラスチックのように5ミリ以下の非常に小さな破片も浮遊しています。海洋生物が、水と一緒にマイクロプラスチックを体内に取り込むことで、食物連鎖を経て人間の体内に入り込み、健康に害を及ぼすとされています。

*参考:東京環境局福島中央テレビ

プラスチックごみを出さないために事業者が取り組んでいること

プラスチックごみを発生させないために、企業はどのような取り組みをしているのでしょうか?ここでは3つの事例をご紹介します。

みんなでボトルリサイクルプロジェクト

「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」は2021年6月より、ユニリーバ・ジャパンと花王による協業のもと開始された取り組みです。東京都東大和市内の10箇所に回収ボックスが設置され、日用品の使用済み容器を回収しています。回収した容器を分別・洗浄・処理した後に、いったん資源へ戻り、また同じ容器として生まれ変わるのです。

このプロジェクトをさらに発展させるため、P&Gジャパンとライオンが新たに参画し、今後は4社共同での実証事業を行っていくとのこと。

*参考:東京環境局

紙カミソリ

総合刃物メーカー・貝印は、世界初の紙カミソリを販売開始。カミソリの持ち手には、プラスチックの代わりに紙が採用されています。従来のカミソリから98%のプラスチック削減を可能としました。

一枚の紙から、折り紙のように組み立てて使用する画期的な商品で、重さは約4gと軽量。使い切りタイプのため、衛生面においても優れています。

*参考:貝印株式会社

循環型プラットフォーム「Loop」

イオンは2021年5月より、東京を中心にイオン19店舗にて循環型プラットフォーム「Loop」の商品を販売開始しました。Loopでは、日用消耗品や食品など繰り返し使える容器を利用した商品を取り扱うショッピングプラットフォームです。

使用済みの容器は、店頭設置の返却ボックスにて回収され、商品購入時に支払った容器代は

Loopの公式アプリを通して返金される仕組みとなっています。

*参考:株式会社イオン

私たち消費者にはどのような対応が求められるのか?

プラスチック資源循環促進法の施行により、事業者だけでなく、私たち消費者も変化を求められます。

プラスチックの排出抑制に向けて、コンビニや外食チェーンでは、プラスチック製のスプーンやフォークを、植物由来のものに切り替える動きがあります。宿泊施設では、客室に歯ブラシなどのアメニティを置かずにフロントにまとめて置かれる対策が取られるほか、有料化も進んでいます。

普段利用するお店などでプラスチック製品の有料化が進めば、私たちはマイバッグだけでなく、マイスプーンやマイストローを持ち歩く日が来るかもしれません。一方で、環境に配慮した製品がさらに世の中に出回ることで、私たち消費者が選択しやすい社会となっていくことでしょう。

*参考:プラスチック資源循環

プラスチックの代替素材を使って脱プラに取り組もう

プラスチックごみを発生させない取り組みとして、プラスチックの代替素材を使用するという選択肢も。ここでは、代替素材の一部をご紹介いたします。

トウモロコシ由来の生分解性プラスチック

生物由来バイオマスプラスチックの代表格として挙げられるのがトウモロコシです。たとえば、生分解性樹脂「ポリ乳酸」はトウモロコシのデンプンと乳酸菌を主原料としたもの。すでにベビー用の食器として実用化されている例があります。

*参考:iiwan

紙ストロー

コンビニやカフェでは紙ストローが多く提供されているように、紙は代替プラスチックの中で最も知られているといっても過言ではありません。セブン‐イレブン・ジャパンではカウンターコーヒー用のストローに、認証を取得した環境に優しい紙製ストローを使用しています。

*参考:セブン‐イレブン・ジャパン

寒天

2015年に開催された「LEXUS DESIGN AWARD 2016」にて、日本のデザイングループ・AMAMが寒天から作られた梱包資材を発表し、グランプリを受賞しました。寒天は海藻が原料であるため、海に流しても自然分解がされるサステナブルな商品です。マイクロプラスチックのように海洋生物に害を与えることもありません。

*参考:JDN

プラスチックの使用量を減らして環境を守る

プラスチックが大量生産・大量消費されることで、毎年大量に排出されるプラスチックごみ。

「プラスチック資源循環促進法」の施行により事業者だけでなく、私たち消費者も意識的にプラスチック削減に取り組む必要があります。プラスチックの代替素材をチョイスするなどして、プラスチックごみを減らす取り組みを少しずつしていきませんか?

くらだしマガジン編集部

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