最近耳にする機会が増えた、持続可能な開発目標「SDGs」。2030年までの目標達成に向け、世界各国が取り組もうとしています。くらだしマガジンでも個人でできる取り組みを紹介していますが、目標の中にはハードルが高いと感じるものもあるかもしれません。そこで、間接的にSDGsを実践できるアクションとして「SDGs自動販売機」を紹介します。
どうして自動販売機でSDGsなの?
SDGsと自動販売機は一見すると関連しないようにも思えますが、いま、企業や自治体は自動販売機を活用してSDGs達成に取り組んでいます。自動販売機は私たちにとって身近で、使い方も簡単。そこで自動販売機を使ってSDGsに貢献できる動きが、いま全国で広がっているのです。
たとえば、コカ・コーラやダイドードリンコなどが、SDGs貢献型の自動販売機を自治体と連携して庁舎や街中に導入したり、日本財団が飲料メーカーと連携してチャリティー自販機を全国に設置しているのです。
自動販売機で購入した金額の一部が社会貢献活動に寄付されたり、賞味期限の近い飲料を購入してフードロス削減に貢献できたりします。
今までと同じように自動販売機で買い物ができるので、消費者にとっても使いやすく、既存の自動販売機を切り替えるだけなので、設置したい企業や自治体にとっても、わざわざ新しく導入する必要がありません。
寄付型のSDGs自動販売機
ダイドードリンコ「募金自販機」
自動販売機の売上の一部を、団体や機構の寄付にあてる「募金自販機」を展開しています。大阪府門真市と連携し、市の課題である相対的貧困の解決を目指して自販機の売上の一部が子供向けの貧困対策事業に寄付されるのだそうです。ほかにも、ダイドードリンコの寄付先には盲導犬育成や国境なき医師団などがあります。
*参考:ダイドー×門真市
日本財団「チャリティー自販機」
1本の購入につき10円が寄付され、2020年末までに全国に8,110台が設置されています。設置者が「子ども第三の居場所」「難病児支援」「日本財団夢の奨学金」「災害復興支援特別基金」「HEROs」「様々な社会貢献」から寄付先を選び、集まった寄付金は日本財団を通して100%活用されるそうです。
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*参考:日本財団チャリティー自販機
フードロス解決型のSDGs自動販売機
コカ・コーラ「フードロス対策自販機」
コカ・コーラは、自治体と連携して「フードロス対策自販機」の設置を進めています。通常の商品だけではなく、賞味期限が近づいて廃棄予備軍となった製品を、通常より安価に販売することで、フードロス削減を目指します。賞味期限までの期間が短くても、買ってすぐに飲む自販機では、消費者にとっても安く買えるのでメリットが大きいため人気だといいます。
*参考:コカコーラ×相模原市, 日経ビジネス
ネスレ「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」
ネスレ日本は、フードロス削減事業を手がける「みなとく」と連携し、無人販売機サービス「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」を全国5ヶ所に設置しました。消費者は専用サイトから賞味期限が迫っているネスレ商品を購入し、自販機でパスワードを入力して受け取る仕組みです。
フードロス削減が目的なので、価格はネスレ通販と同程度にしているそう。この仕組みを知ることで、フードロスを防ぐために購入するという消費行動を生み出すことが目的だそうです。
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参考:流通ニュース
世界の社会課題解決型のSDGs自動販売機
ティ・アイ・エス「昆虫食自販機」
コインロッカー設置事業を手がけるティ・アイ・エスは、6ヶ所に昆虫食のみを扱う自動販売機を設置しています。世界で深刻化する食糧危機の解決策として、注目を集めている昆虫食。昆虫と聞いてためらってしまう人も想定し、ランダムに商品が出てくる「お楽しみCAN」も用意し、エンタメ要素から食糧危機に目を向けてもらいたいと考えているそうです。
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大王製紙「ハートサポート」プロジェクト
生理用ナプキンや紙おむつを展開する大王製紙は、世界中の女の子の自立を実現するための支援活動「ハートサポートプロジェクト」を展開して5年目になるそうです。
繰り返し洗って使える布ナプキンを製作し現地に届ける活動に加え、2022年3月5日から期間限定で開催される渋谷の宮下公園でイベントに、500〜2,000円の「支援」を購入できる自動販売機を設置しました。集まった支援はザンビアに送られ、布ナプキンの材料費に充てられます。
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*参考:大王製紙株式会社プレスリリース, ハートサポート
身近な自動販売機でSDGs達成にチャレンジしてみよう
私たちの生活に身近な自動販売機を活用して、寄付だけでなくフードロスや海外支援など、多岐にわたる分野で取り組みが進んでいます。こうした個人でもできる取り組みは、SDGs達成に向けて重要なアクションです。街中で見かけたら使ってみてはいかがでしょうか。