- はじめに
- クラダシチャレンジin YOKOHAMA の概要
- 8月以降の活動内容・スケジュール
- 横浜市役所でのマルシェや意見交換会(活動報告)
- 横浜市×食品ロス問題
- 横浜市×都市農業
- 横浜市×クラダシ
- 【最終報告会】 ~私たちが考える横浜市の課題と解決策~
- 最後に
はじめに
皆さんこんにちは!2023年度開催の横浜市クラダシチャレンジ参加者一同です!2023年8月から約6か月のあいだ開催された「クラダシチャレンジ in YOKOHAMA」も、ついに2024年1月末に開催された最終報告会をもって活動を終えました。
今回は、その最終報告会の様子はもちろん、8月からの活動を通して学生が学んだことや横浜の都市農業や食品ロスに関する取り組みについて知ってもらえたらうれしいです!!
クラダシチャレンジとは 社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ(通称 クラチャレ)」は、人口減少・少子高齢化により人手不足に悩む地域・農家さんのもとへ、地方創生やフードロス問題に興味がある学生やクラダシスタッフを派遣するプログラム。一次産品の収穫をはじめとした農業体験により、フードロス削減を目指します。参加者は、現地での農作業や現地の方との意見交換を通して、地域の現状や課題など座学では得られないたくさんの学びを得られます。 |
クラダシチャレンジin YOKOHAMA の概要
ここで改めて、クラダシチャレンジ in YOKOHAMA(以下、横浜クラチャレ)の概要をご説明いたします。横浜クラチャレは、横浜市内の大学に通う学生が、市内生産者の協力を得て野菜の生産・販売・流通を体験し、食品ロスや地産地消に貢献するアクションを考えて実行するプログラムです。
通常のクラダシチャレンジでは、学生が約1週間、全国各地に滞在し、農作物の収穫や現地の方々との意見交換会などの活動を行っています。
横浜クラチャレは、他のクラチャレとは異なり、数か月を超える長期開催というかたちで実施しており、昨年は2022年2月から9月にかけて、今年度は2023年8月から2024年1月にかけて、このクラチャレが開催・実施されました。
活動の一環として、横浜市内の3農家さん(矢野さん、佐野さん、藤又さん)にお世話になり、隔週での農作業に加え、12月には横浜市役所でのマルシェや意見交換会が行われました。(横浜市は、食品ロス削減や都市農業推進にむけて多様な取組をしている自治体です。今回は、そんな横浜市の取組の一部をシェアさせていただきます!!)
8月以降の活動内容・スケジュール
<矢野さん班>
矢野さんの班では、主に2つのことを行いました。1つ目は野菜の収穫や養蜂のお手伝い、2つ目は、イベント運営のお手伝いです。
今回は、矢野さんが普段行っているイベント型農業について詳しく紹介します!矢野さんのイベントでは、野菜の収穫から調理して消費する過程を知識としてだけでなく、実際に体験することで「食」への学びを深める機会を提供しています。生活の知恵や持続可能な農業などの情報を共有されており、日本の農業を次世代へ紡いでいくための消費者教育を意識されているように感じました。
<佐野さん班>
にんにくの植え付け、アロエ・さつまいもの収穫を行いました。
都市での農業体験を通じて、農家さんが都市での生活の傍ら農業ができ、町の景観を造ることにも繋がっているということに気づかされました。また、佐野さんは、自身が農家を始めた経緯を教えてくださいました。もともとスポーツ業界や美容業界で起業していて、農業とは全く無関係だったが、広いところが好きという理由で農業を始めたとお話していて、驚きました。農業の後継者不足が深刻化する中で、農家さんのお話を聞くこと、実際に体験することは、農業に関心を持つよいきっかけになると感じました。
<藤又さん班>
藤又さんの畑では、玉ねぎやキャベツの種蒔き、オクラ、サツマイモ、ミニトマトなどの収穫、梱包など、様々な体験をすることができ、種蒔き、収穫、梱包と流通されるまでの過程を一通り体験できました。
また、自分たちで収穫、梱包した農作物をマルシェへ出品しました。実際に自分たちが携わった収穫物を販売した際には、農家さんの想いや自分自身が農業体験で学んだ気づきを伝えることで、お客様の笑顔を引き出すことができました。これまで何気なく買っていた野菜などが、出荷され、消費者の手元に届くまでに多くの苦労や、困難があることを身をもって体験し、食への意識が変わるきっかけになりました。
横浜市役所でのマルシェや意見交換会(活動報告)
12月には、横浜市役所でマルシェの開催をしました。
地元横浜で収穫された野菜を販売し、多くのお客様が足を運んでくださいました。地産地消商品は、小売店などには販売できない規格外の野菜や果物を売ることができるというメリットがあります。一方で、デメリットとして今回のような直売所の運営は、商品としてのパッケージング、そして余った場合、商品の回収まで一貫して農家さんが行うことになるという点があります。
農業体験やマルシェでの経験を通して、地元の野菜を買うということがどのように農家さんに影響するのか、どのようにフードロスにつながるのか、一人一人の行動変化(地元の野菜を買う)が横浜市の抱えるフードロス問題の解決につながると実感しました。
横浜市×食品ロス問題
横浜市の過程から出される燃やすごみの中には、年間約8万7,000トン(※1)もの食品ロスが含まれており、これは市民一人当たり年間約23キロ(おにぎり約230個分)になる量です。
この食品ロスを削減するべく、横浜市はさまざまな活動を行っています。その一部を本日は、ご紹介したいと思います!!
(※1)参考:
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/shoku-loss/foodloss.html
①事業者・団体との連携
横浜市は、クラダシだけでなく、他の事業者や団体との連携も進めています。今年度は、10月の食品ロス削減月間・「世界食料デー」(※2)月間にあわせて、資源循環局が「世界食料デー」月間2023(注釈1)と共催で、世界の食料事情に詳しい3人の有識者を呼び、参加者とともに世界の食料問題について学びを深めるオンラインイベント「WORLD FOOD NIGHT 2023 with 横浜」を開催するなど、多様な取組を行っています。
(※2)「世界食料デー」月間2023とは
日頃から飢餓や食料問題の解決に向けて様々な活動を行っているNGO/NPOや国際機関などで構成される団体です。
参考:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/
②食品ロスを減らすレシピ(※3)
横浜市HPにて、使い切り動画『始末の一品』や冷蔵庫にある「残り野菜」をまるごと使ってできるレシピの紹介などを行っており、「食品ロス」の削減の推進を促進しています。
(※3)参考: https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/reshipi/
③フードドライブ情報
【フードバンクとは】
フードバンクとは、各家庭や食品を取り扱う企業から、まだ安全に食べられるのに廃棄されてしまう食品を引き取り、福祉施設等へ無償で提供する団体・活動を言います。
【フードドライブ】
フードドライブとは、各家庭で使い切れない未使用食品を持ち寄り、それらをまとめてフードバンク団体や地域の福祉施設・団体などに寄贈する活動を言います。なお、資源循環局が集めた食品は、フードバンク団体及び社会福祉協議会を通じて、地域の福祉施設や食を必要としている方に寄贈しています。
④食品ロス削減の取組
ちょっとした仕掛けにより行動変容を促す「ナッジ」と呼ばれる行動経済学の手法について紹介し、飲食店の食品ロス削減につながりそうな”お店で使える”ナッジをまとめたアイディアブック(※4)の公開なども行っています。
(※4)参考:食品ロス削減アイディアブックhttps://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/shoku-loss/foodloss-nudge.files/0005_20230410.pdf
令和3年度には、横浜市内の2店舗にて、”ナッジ”の考え方を活用し、「適量注文(頼みすぎない)」「食べきり(食べ残さない)」といった行動を促すことで、飲食店における食べ残しが削減できるか、実証実験を行い、調査の概要・分析・結果を報告書(※5)にまとめて公開しています。
(※5)報告書: https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/sakugen/shoku-loss/foodloss-nudge.files/0002_20220420.pdf
⑤「食べきり協力店」事業について
食べ残し等の削減に取り組んでいる飲食店を協力店として登録し、ホームページなどで紹介しています。登録のためには、①小盛りメニュー等の導入、②持ち帰り希望者への対応、③食べ残しを減らすための呼びかけ実践、④ポスター等の刑事による食べ残し削減に向けた啓発活動の実施、⑤上記以外の食べ残しを減らすための工夫のうち、1項目以上に取り組んでいる必要があります。横浜市内で食品ロス削減を推進している飲食店を見つけることができるプラットフォーム(※6)。
(※6)参考:https://tabekiri.city.yokohama.lg.jp/index.asp
横浜市×都市農業
横浜市は、「横浜都市農業推進プラン(※7)」のもと、都市農業を推進しています。
(※7)「横浜都市農業推進プラン」とは
横浜の農業を取り巻く環境の変化や、農家の抱えている課題、多様な市民のニーズ等に対応するため、大都市・横浜における今後の都市農業の目指す姿や取り組む事業など、これからの農業施策をまとめた計画のことです。
横浜市×クラダシ
クラダシと横浜市は、2020年2月に横浜市内の食品ロス削減とフードバンク活動支援に取り組むため、公民連携の覚書を締結しました。この連携は「環境白書」にも取り上げられています。
【最終報告会】~私たちが考える横浜市の課題と解決策~
意見交換会意見交換会を通じて得た知見をもとに、①「農業人口減少対策:隙間時間にサクッと農業体験できるアプリ・サイトの開発」②「規格外商品を救う、野菜の救急車」③「種まきから片付けまで一気通貫で体験、長期の農業イベント企画」の3つの施策を提案しました。
横浜市の課題として、農業人口の減少・兼業農家の増加、食料廃棄量の多さがあげられます。そこで、農業へのハードルを低くすることを目指す「農業人口減少対策:隙間時間にサクッと農業体験できるアプリ・サイトの開発」、地産地消野菜への親しみやすさ作り、フードロスへの解決を目指す「規格外商品を救う、野菜の救急車」、「農業への関心を高め、食育促進を目指した種まきから片付けまで一気通貫で体験、長期の農業イベント企画」を考案しました。
最後に
改めて、横浜市クラダシチャレンジを開催するにあたりご協力いただきました、横浜市役所の皆様、農家さん、その他多くの皆様、本当にありがとうございました。6ヶ月間の活動を通して、貴重な経験を積むことができ、たくさんの学びを得ることができました。この経験を今後の生活でも生かせるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。
また、クラダシチャレンジは今後も全国様々な地域で開催予定です。
クラチャレ公式InstagramやFacebookグループにて、優先的にご案内するため、是非以下をフォロー&グループへのご参加をお願いいたします!
▼クラチャレ公式Instagram
https://www.instagram.com/kuradashi_challenge/
活動レポート詳細
この記事でご紹介したクラチャレをもっと詳しく知りたい方はこちら!より詳細な活動レポートをご覧いただけます。
クラチャレ&クラチャレふるさとだより
Kuradashiでは、クラチャレをきっかけとする商品「クラチャレふるさとだより」を販売しています。日本全国の地域経済の活性化や特産品の魅力発信を実現したい。「クラチャレふるさとだより」は、そんな思いで生まれた商品です。
商品の収穫・梱包をおこなうのは、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の参加学生たち。 地方創生を志し、強い思いでクラダシチャレンジに参加するメンバーです。
「クラチャレふるさとだより」の購入によるクラダシ基金への支援が、また次のクラダシチャレンジにつながります。