クラダシチャレンジとは 社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ(通称 クラチャレ)」は、人口減少・少子高齢化により人手不足に悩む地域・農家さんのもとへ、地方創生やフードロス問題に興味がある学生やクラダシスタッフを派遣するプログラム。一次産品の収穫をはじめとした農業体験により、フードロス削減を目指します。参加者は、現地での農作業や現地の方との意見交換を通して、地域の現状や課題など座学では得られないたくさんの学びを得られます。 |
開催地紹介
第28回 社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」in 和歌山県すさみ町
開催期間:2023年8月22日〜8月28日
参加人数:学生8名 ・クラダシ社員2名
開催の背景
すさみ町は、東京から飛行機で約1.5時間、大阪から車で約2時間とアクセスがよく、山と海にかこまれた自然豊かな土地です。「ケンケン鰹」で有名なカツオ漁や伊勢エビ漁などが盛んなほか、レタスの発祥地でもあります。人口は約3,800人と決して多くはありませんが、町長と町民の距離が非常に近く、温かい人ばかり。そしてみんながすさみ町愛にあふれている、とても素敵な町です!
クラチャレ開催のきっかけとなったのは、2022年に和歌山県すさみ町、積水ハウス株式会社、株式会社クラダシの3者で締結した「すさみ町における食品ロス削減及び特産品のPRに向けた連携協定」。この協定をきっかけに、学生が地域の生業体験を通して、フードロスの削減をはじめとする地域及び社会課題の解決と、地方創生の一助となることを目指すことを目的として開催されました。また、活動を通じて漁業をはじめとする一次産業や地域への価値を見出す学生を増やすことも目的でした。さらに、SNSを通じた地域の魅力発信、認知拡大と関係人口の増加も目指し、開催されました。
【活動内容】漁の詳細
すさみ町の壮大な海にて、主に3種類の漁、そしてスルメイカ加工作業を体験させていただきました。
まず、体験させていただいたのは「アカイカ漁」。辺りが薄暗くなりはじめた頃に出港し、アカイカの生息地へ向かいました。アカイカが獲れるまで時間がかかり、忍耐力が必要となる作業でしたが、獲れた時の達成感や喜びは忘れられません。獲れても大きさが基準を満たさないために海に戻すイカが多く、捕獲数にもばらつきがあり、普段口にしている魚介類がいかに大変な過程を経て食卓に届いているかを実感しました。
期間中に「スルメイカ漁」も体験させていただきました。早朝に港を出発し、比較的落ち着いた波の中、スルメイカの生息地に向かいました。スルメイカ漁の作業は、機械にステンレス製の糸を巻きつけ、水深200mから引き上げるものでした。時間帯によって、釣れる時と釣れない時がはっきりしており、漁業収入の不安定性を実感しました。また漁師の方から、スルメイカ漁で用いる機械の修理を行う会社が存在しないことを伺いました。そのため、機械の故障により漁師を引退する方も多くいると知りました。これらのことから、漁師の後継者を増やすためには多様なアプローチが必要だと考えさせられました。
これらに加え、「オキザワラ漁」も体験させていただきました。未利用魚となっているオキザワラは、釣り具を壊すほど獰猛な性格であると同時に、サイズが大きく運搬が難しいことから、市場では価値がでないことを知りました。
スルメイカ加工作業では、イカ捌きやパッキングなどを行いました。釣ったばかりのスルメイカを船上で捌く体験は非常に新鮮で、強く記憶に残っています。
【活動内容】学研との体験プログラム
クラチャレ期間中に、学研が運営している「生業体験プログラム」にも参加しました。「森」「磯」「海」の3つのプログラムに分かれて、それぞれ座学と実習を行いました。「森」では、狩猟体験やジビエの実食を、「磯」では、水族館や山の峡谷にて魚釣りを、「海」では、漁師体験を通して未利用魚の美味しさや、認知されていない現状についての学習を行いました。
【活動内容】施策提案の詳細
現地の活動を通して、漁師の高齢化や仲買人が持つ販路の少なさなどに問題を感じました。また、未利用魚の卸し手・買い手がおらず、町内外の人における認知度が低いことにも問題意識をもつようになりました。そこで、ストーリーテリングを用いた未利用魚付き広報誌の作成を施策として提案したいと考えました。
本プロジェクトを通して、すさみの魚・漁師に愛着を持って定期的に買う人(=ファン)を町外につくることで、価格を安定させ、漁師の収入を向上させることができると考えるからです。また、味だけでは語れない魚にまつわる魅力についても発信し、町内外の人に未利用魚と町の魅力を同時に伝えられる施策だと考えています。
参加者の声
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、案外それを実感することは少ないと思います。しかしクラチャレはそれを感じることができる貴重な機会となりました。私がすさみ町に来る前に感じていた魅力は、雄大な自然とその自然を利用したアクティビティ、釣りなどでした。しかし、現地に行くとあくまでそれらは付随的なもので、本来の魅力は地域の人たちの人の輪、人の温かさでした。本当にすさみ町は一度来ると忘れられない町となるし、もう一度来たいと思わせてくれるような町でした。
だからこそ、初めてすさみ町に足を運ぶお客さんをどのようにして集めるのかが重要です。それは、どんなきっかけでもいいのではないかと現地で感じました。この町は、どんなことでも受け入れてくれる寛容さがあり、どんなきっかけであったとしても、来るものを拒むことはないと思います。すさみ町はどんなことだってできるだけの環境があるので、誰かのしたいこと、趣味、それらをするきっかけの一つに、私が大好きになったすさみ町が入ったらとてもうれしいです。
【大学1年 谷田さん】
月並みですが、すさみ町の何よりの魅力はまちづくりに携わっている人だなと、現地を訪れて思いました。
すさみで元々漁師をされていた岩田町長がいて、町長の人柄に魅了された人がまちに携わり、人が人を呼ぶ輪がどんどん拡がりつつある…統計上の人口は減っているかもしれないけれど、現時点で数値化されていない可能性やチャレンジ、すさみに関わる人の数はどんどん増えていることを身を持って感じました。
時代によって“価値があるとされるもの”が変わることを理解して、未利用魚の活用やまちづくりに取り組むすさみの活動が気になった皆様、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
【クラダシ社員 関口】
活動レポート詳細
この記事でご紹介したクラチャレをもっと詳しく知りたい方はこちら!より詳細な活動レポートをご覧いただけます。
クラチャレ&クラチャレふるさと
Kuradashiでは、クラチャレをきっかけとする商品「クラチャレふるさとだより」を販売しています。日本全国の地域経済の活性化や特産品の魅力発信を実現したい。「クラチャレふるさとだより」は、そんな思いで生まれた商品です。
商品の収穫・梱包をおこなうのは、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の参加学生たち。 地方創生を志し、強い思いでクラダシチャレンジに参加するメンバーです。
「クラチャレふるさとだより」の購入によるクラダシ基金への支援が、また次のクラダシチャレンジにつながります。