革新を起こす小さなお弁当屋さん。Kuradashiオリジナル「3種の冷凍スープ」の製造を担うTokyo Bento Labo|つくってKuradashi開発秘話

革新を起こす小さなお弁当屋さん。Kuradashiオリジナル「3種の冷凍スープ」の製造を担うTokyo Bento Labo|つくってKuradashi開発秘話

2023年11月30日に発売した、クラダシ初のプライベートブランド「つくってKuradashi」。第1弾として登場したのは「3種の冷凍スープ」でした。

そのスープの製造を担うのは、東京都江戸川区の小さなお弁当屋さん。小さな佇まいでありながら、たくさんの革新に挑戦している企業でもあります。

今回は、そんな小さなお弁当屋さんの「Tokyo Bento Laboさん」にお話を伺ってきました。

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Tokyo Bento Laboのはじまり



写真中央が関さん。一次産業への想いなどを話してくれた

東京都江戸川区。都営新宿線の篠崎駅から歩いてすぐの場所にあるTokyo Bento Laboさん。代表の関 克紀さん(以後、関さん)が2020年12月に立ち上げた小さなお弁当屋さんです。

関さん「以前勤めていた出版社では東日本大震災の復興支援の商品を企画したり、本業とは別でおにぎり協会を立ち上げたりしていました。でも、生産者のみなさんがとても疲弊しているのを目の当たりにしたんです。食に関わる仕事を続ける中で、一次産業をどう支えればよいのかずっと考えていました」


洗米・炊飯などがほぼ全自動の炊飯ロボットを導入した

大手食品メーカーに就職したのち、出版社に転職。食に関する雑誌の事業開発担当を経て、2014年に「おにぎり協会」を設立。その後、地域の信用金庫の事業承継で紹介されたのが、のちにTokyo Bento Laboとなる仕出し弁当の工場でした。

関さん「そんな折に事業承継したのが、この弁当工場だったんです。承継後に加工設備を刷新・増強して、自動販売機で購入できる冷凍弁当を中心に製造・販売をおこなっています。これまでのお弁当工場はどうしても労働集約的になりがちだったのですが、承継前は手作業だった工程を自動化して早朝労働を減らすなど、労働環境の改善にも取り組んでいます」

ミッションは“地域と世界を「ごはん」でつなぐ”



工場の入り口脇にあるいっぴん食堂®などの販売スペース

事業の中でこだわっているのは、日本食の基本である「ごはん」をベースに日本全国の地域を盛り上げ、地域と世界の橋渡しをすること。

たとえば、手づくりの「冷凍おにぎり」。そのおにぎりや国産原料を活用した冷凍自動販売機「いっぴん食堂®」。最近では、Tokyo Bento Laboの工場前に生産や流通の過程で出てきた訳あり野菜を通常より安く買えるスペースもつくりました。


手で握っているので、冷凍とは思えないほろほろ食感

関さん「ごはんの価値を上げようと思ったときに、加工前の米では難しい現状がある。だからこそ、冷凍おにぎりや弁当に加工して付加価値を付けることに取り組んでいます。」

自社での製造・販売のみにとらわれず、地域と連携しながら、地域と世界の食を盛り上げる事業を展開しています。

「3種の冷凍スープ」製造のきっかけ

大型の冷凍コンテナ。製造した冷凍スープを運搬する際などに使用する

 「3種の冷凍スープ」を製造することになったきっかけは、レシピ開発を担当した株式会社ABCスタイルさんの存在。ABCスタイルさんからKuradashiへ、Tokyo Bento Laboさんをご紹介いただいたことでした。

実は、地域フードロス対策弁当として「江戸川三色丼」の製造・販売もしているTokyo Bento Laboさん。「もったいないをおいしく食べる」がテーマのつくってKuradashiにはぴったりのパートナーでした。さらに、事業承継後に刷新・増強した冷凍設備も参画の決め手になりました。

また、「3種の冷凍スープ」で活用している低利用魚 コノシロをご提供くださっている海光物産さんをご紹介してくれたのは、Tokyo Bento Laboさんでした。

関さん「海光物産さんとは以前から交流があって、東京湾の水産物の未来を気にかけていたことを覚えていたんです。売り先がない魚があるという話も伺っていて。それならつくってKuradashiにぴったりだと思ってご紹介しました。」

丁寧な手作業で出来あがる「コノシロボール」



大量のタネを混ぜるのも手作業。手がかじかんでしまうほど冷たいそう

「3種の冷凍スープ」全種の製造を担うTokyo Bento Laboさんですが、今回は「コノシロボールカレー」と「具だくさん酸辣湯」の2つに使われているコノシロボールの製造風景を拝見しました。

コノシロは、「シンコ→コハダ→コノシロ」と成長し、成長するごとに用途が少なくなっていく“逆出世魚”。小骨が多くて加工や喫食が難しいことが課題の魚でした。そのため、Tokyo Bento Laboさんでは丁寧な手作業でコノシロボールを製造しています。

提供元の海光物産さんによって下処理されたコノシロの切り身をフードプロセッサーでなめらかなペーストにして、手作業でつみれに成型。その後ゆがいてコノシロボールが完成します。手作業なのにつみれの大きさが均等なところにプロの技を感じますね。

下処理・冷凍されたコノシロの切り身を加工する

青魚のコノシロですが、丁寧でスピーディに下処理がされているほか、生姜・クミン・コリアンダーなどのスパイスを加えているので臭みはほとんどありません。調理場にも漂うスパイスのよい香り…そして、できたてのコノシロボールは美味そのものでした。

関さん「コノシロは足がはやい魚なので、下処理がとても重要なんです。海光物産さんの下処理があってこそ、こうしてコノシロボールの加工ができています。」

コノシロボールがたっぷりの「3種の冷凍スープ」でフードロス削減

今回取材したTokyo Bento Laboさんをはじめ、「もったいないをおいしく食べる」というテーマに賛同してくださったみなさんのお力添えで誕生したつくってKuradashi。

ひとつひとつ丁寧に、Kuradashiやみなさんの想いをこめてつくりあげています。みなさんもぜひお手に取ってみてくださいね。

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くらだしマガジン編集部

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