初夏から秋にかけて旬を迎える「なす」。体を冷やす作用があり、夏場の疲労回復にはうってつけの野菜です。
そんななすを「長持ちさせるにはどうやって保存すればいいの?」「冷凍保存していいの?」などと疑問を持たれる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、なすの美味しさをキープさせたまま保存する方法や、おすすめの食べ方をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
なすの常温保存方法|保存期間2〜3日
なすは高温多湿な環境で育つため、室温が15℃以下であれば常温保存が可能です。
ただし、常温での保存期間は2〜3日と短めなので、できるだけ早く使いきりましょう。
なすは90%以上が水分でできており、水分が蒸発しやすく空気に触れると縮んでしまうため、乾燥を防ぐことが重要です。
保存する際は、ラップや湿らせたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて密閉することで、乾燥を防ぎながら少しでも鮮度を保てます。
なすの冷蔵保存方法|保存期間7〜10日
寒さや冷気に弱いなすは、5℃以下になると実が縮んだり変色したりなどの「低温障害」を起こしてしまいます。そのため、なすを冷蔵保存する場合は、冷やしすぎに注意が必要です。
なすを冷蔵庫で保存する場合、乾燥や冷気から守るために、ひとつひとつをラップでしっかり包み、保存袋に入れて密閉してから、冷蔵庫の中でも比較的温度が高めな野菜室で保存しましょう。
この方法なら、約7〜10日ほどなすの鮮度を保てます。
なすの冷凍保存方法|保存期間1か月
なすは、冷凍することで長期保存が可能になりますが、冷凍方法によっては触感や風味が変わるため、その後の調理方法によって使い分けることがポイントです。
冷凍すると1ヶ月ほど持ちますが、つい使い忘れてしまうこともありますので、保存袋に日付を入れておきましょう。
ここからは、用途に応じた冷凍保存方法をご紹介します。
そのまま冷凍する方法
なすをそのまま冷凍保存する方法を紹介します。
- なすを洗って水気をしっかりふき取る
- まるごとラップに包んでから、冷凍用の保存袋に入れ空気を抜き、冷凍する
解凍方法は、600Wの電子レンジで30秒ほど加熱するだけでOK。完全に解凍するより、半解凍の状態の方が時短になるうえ、切りやすくておすすめです。
冷凍することで、実がやわらかくなり、味が染み込みやすくなるので、煮びたしや煮物にすると良いでしょう。
切ってから冷凍する方法
続いて、料理で使いやすいように、なすを切ってから冷凍保存する方法を紹介します。
- なすのヘタを取り、輪切りや乱切りなどの食べやすい大きさに切る
- 軽く水にさらしてアクを抜く
- キッチンペーパーでしっかり水気を取る
- 冷凍用の保存袋で密閉し冷凍する
保存袋に入れる時は、なすが重ならないようにするのがポイント。
あとでくっつきにくく調理しやすくなります。
調理する時は、すでに下処理済みのため、凍ったままフライパンや鍋に投入し、加熱するだけなのでとても簡単です。
切ってから生のまま冷凍すると皮が少しかたく感じるため、ラタトゥイユやカレーなどの煮込み料理におすすめです。
加熱後に冷凍する方法
- なすのヘタを取って洗う
- 耐熱皿にのせてふんわりとラップをかける
- 600Wの電子レンジで約2分ほど加熱する
- あら熱が取れたらキッチンペーパー余分な水分をとる
- 1本ずつラップに包み、冷凍用の保存袋で密閉し冷凍する
なすをあらかじめ加熱してから冷凍保存すると、水分を飛ばせるため食感があまり変わらず、美味しさをキープできます。
食べる時は、常温か電子レンジで解凍し、味をつけるだけでそのままいただけますが、加熱調理する時は凍ったまま使用してください。
焼いた後に冷凍する方法
焼いたなすを冷凍保存する方法を紹介します。
- なすを洗って水気をふき取る
- オーブントースターやグリルで、なすの皮は黒く焦げるまで焼く
- 熱いうちに皮をむき、あら熱をとる
- (熱くて触れない場合は、氷水につけながら皮をむく)
- 食べやすい大きさに切り、ラップに包む
- 冷凍用の保存袋に入れて密閉し、冷凍する
お浸しや和え物におすすめですが、皮をむいてあるので離乳食にも使えて便利です。
素揚げした後に冷凍する方法
素揚げした後のなすも冷凍保存できます。手順は以下の通りです。
- ナスのヘタを取り、食べやすい大きさに切る
- 水にさらしてアクを抜く
- 水気をキッチンペーパーでよくふき取り、170〜180℃の油で素揚げする
- あら熱をとって冷凍用の保存袋で密閉し、冷凍する
なすは油との相性がよく、油を吸収すると肉質がやわらかくなり、うま味が増します。調理する時は凍ったまま使え、麻婆なすや中華の炒め物などにおすすめです。
なすの乾燥保存方法|保存期間3週間
なすは乾燥保存すれば、3週間は日持ちします。主な手順は以下の通りです。
- なすのヘタを取り、繊維に沿って5mm程度にスライスする
- 水にさらしてアクを抜く
- 水分をしっかりとふき取ってから、ザルに並べて2〜3日天日干しする
(湿度がない晴れた日に干しましょう)
※天日干し以外に、電子レンジで加熱して乾燥もできます。
なすは、干すことによって水分が抜けることでうまみが凝縮し、また新たな美味しさを引き出します。
調理する際は水で戻してナムルや汁物の具に活用できます。コリコリとした食感を活かして、きんぴらや佃煮にするのもおすすめです。
保存したなすがしなびたときの戻し方
しなびたなすも、実が茶色くなっていなければ食べられますが、そのままでは食感や味は損なわれてしまいます。
しかし実は、簡単な方法で元のようにみずみずしくハリのある状態に戻せます。
まず、なすのヘタとお尻の部分を切り落とし、大き目のボールに水を張ってその中になすを浸します。
そのまま冷蔵庫に入れて、5〜6時間ほど置いておきましょう。
もしなすが浮いてきてしまう場合は、濡らしたキッチンペーパーをかぶせて、全体を湿らせてください。
なすがしなびる原因は水分不足です。
このように水分を与えれば、ハリとツヤが戻り、新鮮な状態に近づけることができます。簡単なので、ぜひお試しください。
保存前にチェック!新鮮で鮮度が高いなすの見分け方
ここまで、なすのさまざまな保存方法をご紹介してきましたが、より美味しさを長持ちさせるためには新鮮ななすを選ぶことも大切です。
ここでは、新鮮ななすを選ぶポイントをご紹介します。
まず、皮にツヤとハリがあり、濃い紫色であるものを選びましょう。
さらに、ガクの下が白く、ガクに鋭いトゲがあるものは新鮮な証拠です。
お尻の部分が割れていたり、シワがあると熟しすぎている可能性があるため、避けたほうが無難でしょう。
手に持ったときに弾力があり、ずっしりと重さを感じるものが新鮮で美味しさが長持ちします。
保存したなすの美味しい食べ方
保存したなすはどのように調理すればより美味しくいただけるでしょうか。
ここでは、保存後のなすを使った簡単で美味しいレシピを3つ紹介します。
どれも家庭で手軽に作れる料理なので、ぜひ試してみてください。
なすの肉味噌炒め
なすの肉味噌炒めは、ご飯がすすむ定番のおかずです。
肉の旨味と油を吸ったなすを、コク深い味噌で炒め合わせれば、ご飯が止まらなくなること間違いなし。
どの保存方法のなすでも美味しく仕上がり、作り置きにも最適です。
【材料】
- なす:3~4本
- 豚ひき肉:200g(豚バラ肉でも可)
- サラダ油:大さじ1
- おろしにんにく:少々
- おろししょうが:少々
合わせ調味料
- 味噌:大さじ2
- 酒:大さじ2
- みりん:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
【作り方】
- 合わせ調味料をまぜ合わせておく
- なすを食べやすい大きさに切る
- フライパンでサラダ油を熱し、おろしにんにく、おろししょうが、豚ひき肉を色が変わるまで炒める
- なすを加えて、油を吸わせるように炒め合わせフタをする
- なすがやわらかくなったら☆合わせ調味料を絡めながら炒め、全体になじんだら完成
なすの煮浸し
なすの煮浸しは、冷やしても美味しくいただけて、夏バテにもぴったりのメニューです。
なすがたっぷりだしを吸って、やわらかくジューシーな食感に仕上がります。
冷凍保存したなすとめんつゆを使えば簡単に味が染み込んで時短になります。
【材料】
- なす:3本
- ごま油:大さじ2
- 小ねぎ:お好みで
- かつおぶし:お好みで
合わせ調味料
- めんつゆ(3倍濃縮):100ml
- 水:200ml
- おろししょうが:少々
【作り方】
- 合わせ調味料をまぜ合わせておく
- まるごと冷凍したなすを600Wの電子レンジで30秒ほど温めて半解凍にする
- なすを縦半分に切り、皮に浅く切れ込みを入れ、さらに縦半分に切る
- フライパンにごま油を熱し、皮を下にして焼く
- なすを返して、残り2面も焼き、合わせ調味料を加え3~4分煮る
- お好みで小ねぎとかつおぶしをかけて完成
(そのまま熱々で食べても美味しいですが、2~3時間味をなじませるのがおすすめです)
※素揚げして冷凍保存したなすを使用して、合わせ調味料と一緒に電子レンジで加熱するだけの揚げ浸しも簡単でおすすめです。
参考:クックパッド
なすと玉ねぎの味噌汁
どの保存方法でも使える味噌汁。
ただ、ナスを入れると味噌汁が黒くなってしまう経験をしたこともあるのではないでしょうか。
今回は、先にごま油で炒めることでなすをコーティングし、黒くなる原因「ナスニン」の流出を防ぐレシピです。
ごま油が加わることでコクも増し、いつもと違う味噌汁を楽しんでみてください。
【材料】
- なす:1本
- 玉ねぎ:1/2
- ごま油:大さじ1
- だし汁:400ml
- 味噌:大さじ2
- 小ねぎ:お好みで
【作り方】
- なすは縦半分に切り、1cm幅の半月切りにする
- 玉ねぎは薄切りにする
- 鍋にごま油を熱し、なすと玉ねぎを油がなじむように炒める
- 鍋にだし汁を加え煮立たせ、具材がやわらかくなるまで煮る
- 火を止め、味噌を溶く
- お椀によそい、小ねぎを散らし完成
※素揚げして冷凍保存したなすをそのまま使用するのもおすすめです。
なすは正しい保存方法で美味しく食べよう
なすを美味しく長持ちさせるためには、適切な保存方法がポイントです。
常温・冷蔵・冷凍それぞれの保存方法を使い分けることで、なすをムダなく消費できます。
この記事で紹介した保存方法を活用して、毎日の料理に新鮮で美味しいなすを取り入れてみてください。
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