「スーパーの安売りで牛乳を多めに購入してしまった……」
「料理で使うだろうと思って買ったけど、飲まずに賞味期限が切れてしまっていた……」
このような経験もあるのではないでしょうか。
気づかぬうちに賞味期限が切れてしまった牛乳は、果たして安全に飲めるのか気になるでしょう。
そこでこの記事では、賞味期限が切れた牛乳は期限が過ぎてから何日経過したところまで飲めるのか、日数ごとに紹介します。腐敗しているときの特徴や見極め方についても解説しますので、参考にしてみてください。
賞味期限切れの牛乳も飲める
大前提として、牛乳には「賞味期限」もしくは「消費期限」の表示がされています。賞味期限と消費期限は、品質に関わる重要な記載なので、まずは牛乳パックの表示を確認しましょう。
賞味期限の牛乳は、記載されている10℃以下という保存方法を守れば、品質が変わらずに美味しく飲食できる期間を示しています。超高温瞬間殺菌(UHT)という方法で、120〜130℃で2〜3秒間加熱殺菌処理されているのも特徴として挙げられます。
つまり、賞味期限が切れたとしても、すぐに腐ってしまうわけではありません。
- 臭い
- 形状
- 味
以降で見分け方を詳しく解説しますが、上記に問題がなければ、賞味期限が切れた牛乳でも飲むことは可能です。
消費期限切れの牛乳は過ぎると安全には飲めない
消費期限が記載されている牛乳は、期限が切れたら飲んではいけません。
「消費期限」が設定されている食べ物は、記載されている保存方法を守っていれば品質の保持が可能で、安全に飲食できる期限を示しています。
消費期限の牛乳は、低温保持殺菌(LTLT法)という方法で、63〜65℃で30分以上かけて殺菌処理されています。
「冷蔵に入れておいたし、未開封だから飲んでも大丈夫だろう」と考えずに、消費期限が過ぎてしまった牛乳は、品質が保障されていないので廃棄しなければなりません。
品質が劣化している牛乳は、飲むと健康被害を引き起こす可能性があるため、「賞味期限」なのか「消費期限」なのか表示を確認しましょう。
牛乳の賞味期限目安|保存方法別
牛乳は、どのような状態で保存しているのかによって、賞味期限の目安は大きく異なります。
- 未開封なのか
- 開封しているのか
- 冷蔵なのか
- 冷凍なのか
保存方法別に賞味期限の目安やそれぞれの注意点を知っておきましょう。
一般的な牛乳は、10℃以下の低温で保存しなくては品質が保てません。常温保存はせず、購入してきたらすみやかに冷蔵庫に入れて保存することが大切です。
「夏場に車内に長時間放置してしまった」「玄関に置いたまま冷蔵庫に入れ忘れた」などという場合は、品質が劣化している可能性があるため注意しましょう。
以降では、牛乳を未開封・冷蔵庫・冷凍庫・開封後の保存状態別の賞味期限の目安について詳しく解説していきます。
未開封の牛乳の賞味期限
まだ開けていない牛乳は、以下の保存方法を守っていれば賞味期限が多少すぎても品質に影響はありません。
- 常温で放置しない
- 10℃以下の低温で保存する
もし、常温で長時間放置してしまった場合は品質が保障されていないため、未開封であっても品質が劣化している恐れがあります。
冷蔵保存した牛乳の賞味期限
未開封の牛乳なら、正しく保存すれば賞味期限を数日過ぎてもすぐに腐るわけではないので、品質に問題なく飲めます。
冷蔵保存する際は、以下の点に注意しましょう。
- 10℃以下の冷蔵庫で保存する
- 長時間冷蔵庫のドアを開けっぱなしにしない
- 冷蔵庫のドアの開閉回数を少なくする
一般家庭の冷蔵庫は、野菜室が10℃以下にならないことが多いです。よって、保存場所は野菜室ではなく冷蔵庫が最適です。
さらに、冷蔵庫に保存しても冷蔵庫のドアの開閉によって、庫内の温度が上昇してしまうため注意しましょう。
冷凍保存した牛乳の賞味期限
新鮮な牛乳であれば、冷凍保存によって腐るのをより遅らせられるでしょう。
しかし、たんぱく質と脂質が分離してしまい、ざらざらとした触感や水っぽくなるため注意が必要です。触感が悪くなるだけでなく、味も薄く感じて美味しく食べられなくなるのでひと工夫を加えましょう。
分離させにくくするためには、牛乳をホワイトソースなどに加工する方法があります。製氷皿などに入れて小分けにすると、シチューやグラタン、パスタソースに使える美味しい万能ソースとして使えます。
そのままの状態で保存したい場合は、1回で使い切れる量をフリーザーバックなどに入れて、ホットミルクにして飲むなど、工夫してみてください。ざらざらとした触感が気にならなくなるでしょう。
なお解凍する際は、2〜3時間前に冷凍庫から取り出し、ソースにするなら凍ったまま鍋で加熱して使用できるので時短にもなります。
開封済みの牛乳は賞味期限に関わらず2日程度で飲む
飲みかけの牛乳は、開封した時点で賞味期限は関係なくなるため、期限の年月日に関係なく開封後2日以内には全て使い切るようにしましょう。
牛乳パックの開口部は、コップに注ぐときに指が振れやすい場所ですが、直接触らないように注意して、雑菌が入らないように注意してください。
開封した牛乳は、野菜室ではなく冷蔵庫のドアポケットで保存し、冷蔵庫を頻繁に開け閉めしないことや開けっ放しにしないことにも注意が必要です。
賞味期限切れの牛乳はいつまで飲める?
賞味期限切れの牛乳は、賞味期限が切れるとすぐに飲めなくなるわけではありません。保存方法や品質の劣化具合などによって、飲めなくなる期間が異なります。
賞味期限が切れてしまったけど、品質に問題のない牛乳はフードロスを防ぐため、上手に活用して使い切りましょう。
以降では、賞味期限が切れてしまった牛乳は、いつまで問題なく安心して飲めるのかを日数ごとに目安を解説していきます。
賞味期限が1~3日過ぎた牛乳
賞味期限が1〜3日ほど過ぎた程度では、牛乳の品質が変わることはありません。
- 未開封の状態
- 10℃以下の冷蔵庫に入れて保存している
上記のように正しく保存した場合なら、品質が劣化することはほぼないため問題なく飲めます。
ただし、夏場やしばらくの間、常温で放置してしまっていた場合は、品質が劣化している可能性があります。臭いや形状などの変化をくまなく確認しましょう。
賞味期限が4~5日過ぎた牛乳
賞味期限が4〜5日ほど過ぎてしまっても、牛乳の状態が良ければ飲めるケースが多いです。
- 開封していない
- 10℃以下の冷蔵庫で保存している
そのまま飲むことに抵抗があるなら、沸騰前まで加熱してホットミルクにしたり、お菓子作りに使ったり、クリームコロッケなどの料理に活用していただきましょう。
賞味期限が1週間過ぎた牛乳
牛乳は賞味期限が1週間過ぎてしまったら、正しい方法で保存できていたとしても、品質が劣化している可能性が高いです。
そもそも一般的な牛乳の賞味期限は、製造から1週間で設定されています。つまり、賞味期限が1週間切れている場合、製造から2週間経過していることになります。
賞味期限が1週間過ぎた牛乳は、少しでも異変を感じたら未開封であっても飲まずにすみやかに破棄しましょう。もし問題が見られなかったとしても、十分に加熱してから使用してください。
賞味期限が1か月過ぎた牛乳
賞味期限が1か月過ぎた牛乳は、製造から1か月と1週間過ぎたことになり、品質が劣化している可能性が非常に高いと考えられます。
特に牛乳パックがパンパンに膨らんでいるなら、ガスが発生している証拠。腐敗しているので、すみやかに破棄しましょう。
1か月も賞味期限を切らした牛乳は、たとえ10℃以下の冷蔵庫で保存していても、味だけでなく品質が保障されないため飲んではいけません。
なお冷凍保存なら、味の劣化は進んでいるものの、安全面では飲める可能性があるでしょう。
賞味期限切れで傷んだ牛乳の特徴
賞味期限切れで傷んだ牛乳は、臭いや見た目、味に異変が生じている可能性があります。明らかに普段の牛乳とは様子が違うので、視覚・嗅覚・触覚でしっかりと判断しましょう。
以降では、賞味期限切れで傷んだ牛乳の特徴と見極め方を5つのポイントで紹介します。
- ツブツブが出るなど質感が違う
- 臭いが違う
- 酸味や苦味が出ている
- 温めると固まり分離する
- ヨーグルト状になっている
ぜひ参考にしてみてください。
ツブツブが出るなど質感が違う
牛乳をコップに注いだときにツブツブとした物体が見える場合、傷んでいるかもしれません。
これは液体が分離している証拠です。品質を損なっている可能性があります。
通常、牛乳はサラサラした液状であり、このような異変は腐っているサインなので、迷わず破棄してください。
ヨーグルト状になっている
牛乳パックを振ってみると、液体が固まっていてゴトゴトと音がしたり、コップに注いだらヨーグルト状にドロドロとしている場合は、品質が劣化して腐敗しているため飲めません。
普段と違うと感じたら、腐敗しているサインなので、飲まずにすみやかに廃棄しましょう。
臭いが違う
品質が落ちて傷んだ牛乳は、明らかにいつもと違う不快感のある異臭やツンとしたすっぱい臭いがします。
飲めるかどうか判断したいときは、まず臭いをかいでみましょう。
牛乳パックは、周囲の臭いを吸収しやすいため、他の食品の臭いがうつっているだけなら品質そのものに影響はありません。もし、嫌な臭いがするなら飲むのは避けたほうがいいでしょう。
酸味や苦味が出ている
牛乳は傷むと、飲んだ時にすっぱいと感じる酸味や苦味が出てくる場合があります。賞味期限が切れていて摂取に不安があるなら、牛乳を少し舐めてチェックしてみてください。
少し舐めた程度であれば、すぐにお腹を壊すことはほとんどないでしょう。視覚や嗅覚を駆使して、問題ないと判断できる牛乳は、使用してください。
傷んだ牛乳を飲まないように細心の注意を払いましょう。
温めると固まり分離する
傷んでいるか分からない牛乳は、加熱してみると食べられるかが判断しやすいです。
牛乳を加熱したときに豆腐のように固まって分離してしまう場合は、腐っていると判断できるので飲まずに捨てましょう。
なお牛乳は、通常温めると表面に薄い膜のようなものができますが、薄い膜ができるのは正常で問題ありません。
牛乳を長持ちさせる正しい保存方法
牛乳を長持ちさせるためには、2つのポイントが大切です。
- 牛乳パックの中に雑菌を入れないこと
- 雑菌を増やさないこと
牛乳パックの中に雑菌が入らないように、牛乳を注ぐときにパックの口を直接手で触らないように気をつけて清潔に保ちましょう。
パックの口が開いてしまうのが気になる場合は、クリップなどで口を止めて、密封に近い状態にしっかりと閉じての保存をおすすめします。
雑菌が増えないようにするには、牛乳を常温で放置したりせず、野菜室ではなく冷蔵庫のドアポケットに入れて、10℃以下の冷蔵庫で保存して鮮度を保つ必要があります。
また、冷蔵庫の開閉回数を減らしたり、開けている時間を短縮したりする工夫も必要です。
特に夏場は、冷蔵庫を開ける度に牛乳を収納するドアポケット部分の温度が上がるので、常に10℃以下がキープされない可能性があるので注意しましょう。
賞味期限が切れそうな牛乳の美味しいレシピ
以降では、賞味期限が切れそうな牛乳を無理なく無駄なく美味しく使い切る、おすすめのレシピを紹介します。
- クリームシチュー
- グラタン
- 牛乳プリン
特に冬場には嬉しい温かい料理が多いので、ぜひ参考にしてみてください。
クリームシチュー
牛乳たっぷりの濃厚で美味しいクリームシチューは、市販のルーがいらず面倒なホワイトソース作りも不要なのでおすすめです。
以降では、牛乳をふんだんに使ったクリームシチューの材料と調理方法を紹介していきます。
【材料】(4人分)
- 鶏もも肉:300g
- 玉ねぎ:1個
- にんじん:1/2本
- じゃがいも:1個
- ブロッコリー:1/2株
- バター:20g
- 牛乳:1,000cc
- 小麦粉:大さじ6
- 塩・コショー:適量
- 砂糖:小さじ2
- 固形コンソメ:2個
【調理方法】
- 肉を一口大に切り、野菜は皮をむいて一口大に切る。
- ブロッコリーは小房に分けて茹でる。
- フライパンにバターを熱して、1を入れて炒める。
- 100ml程度水を加えて、弱火にし、フタをして具材が柔らかくなるまで加熱する。
- 火を止め、小麦粉・塩コショウ・砂糖・コンソメ・牛乳を加えてよく混ぜる。
- 再び火をつけて弱火にし、焦がさないように混ぜながら加熱してとろみがついたら完成。
- 盛り付けるときに茹でたブロッコリーを添えると型崩れせずにきれいな色どりになる。
参考:クックパッド
グラタン
グラタンは、お肉や魚、きのこ、野菜などさまざまな食材を入れると栄養満点で寒い季節にぴったりのメニューです。
以降では、牛乳と野菜たっぷりの濃厚グラタンの材料と調理方法を紹介していきます。
【材料】(4人分)
- 牛乳:600㏄
- 玉ねぎ:1/2個
- 白菜:1/6個
- じゃがいも:2個
- ほうれん草:1袋
- しめじ:1/2株
- コーン:適量
- ベーコン:4枚
- 小麦粉:大さじ4
- オリーブオイル:大さじ2
- バター:大さじ2
- 塩胡椒:適量
- 固形コンソメ:1個
- とろけるチーズ:適量
- パン粉:適量
【調理方法】
- 玉ねぎは薄切り、しめじはほぐしてその他の野菜とベーコンを一口大にカットする。
- フライパンを熱してオリーブオイルとバターを加えて、1を入れて弱火で炒める。
- じゃがいもが透き通ってきたら小麦粉を入れて混ぜ合わせ、固形コンソメと牛乳を加えてさらに混ぜる。
- とろみがついたらグラタン皿に入れて、上からとろけるチーズとパン粉をふりかける。
- トースターで焦げ目がつくまで加熱したら完成。
参考:クックパッド
牛乳プリン
牛乳が苦手な子どもでも、牛乳プリンであれば美味しく牛乳をとることができます。
以降では、使い切れなかった牛乳を効率的に消費できる簡単調理の牛乳プリンの材料と調理方法を紹介しています。
【材料】6人分
- 牛乳:400cc
- 砂糖:大さじ3~3.5
- 粉ゼラチン:5g
- お湯:50cc(ゼラチンを溶かす用)
【調理方法】
- 深めの鍋に牛乳250ccと砂糖を加えて沸騰しないように注意し、砂糖が溶けるまで加熱する。
- ゼラチンとお湯50ccを混ぜ合わせて溶かす。
- 1に2を加えてよく混ぜ合わせ、残りの牛乳150ccを入れてさらに混ぜる。
- 器に入れて冷蔵庫で冷やして固まったら完成。
参考:クックパッド
賞味期限切れの牛乳は状態を見て慎重に判断しよう
賞味期限切れの牛乳は、開封していない状態で冷蔵庫に入れて10℃以下で適切に保存されていれば品質が劣化することはなく、期限が切れても数日は品質に問題なく飲めます。
しかしながら、封を開けた牛乳は表示されている賞味期限が無効となるので、牛乳を開けたら2日以内に使い切りましょう。
賞味期限が切れてもすぐに品質が劣化するわけではありません。とはいえ、いつもと違う臭いや形状、味がするときは腐敗しているので、すみやかに廃棄しなくてはなりません。
賞味期限切れを起こさないように、賞味期限が近い牛乳は料理に活用して美味しくいただきましょう。
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