フードロス(食品ロス)の原因とは?日本や世界の現状・取り組める対策や事例を紹介

フードロス(食品ロス)の原因とは?日本や世界の現状・取り組める対策や事例を紹介

私たちの生活を支える食文化は、豊かで便利な反面、大きな課題を抱えています。そのひとつがフードロス(食品ロス)です。

食べられるはずの食品が捨てられてしまうという現象は、近年深刻化しており、日本でもニュースや報道で耳にする機会が増えました。

しかし「フードロス(食品ロス)」という言葉を聞いたことがあっても、その具体的な原因や背景、さらには日本や世界でどのような現状があるのか、詳しく理解している人は意外に少ないでしょう。

また、この問題に対してどのような対策や取り組みがあるのかも、身近に感じづらいテーマです。

そこで本記事では、フードロス(食品ロス)の原因を明らかにするとともに、日本や世界の現状、さらに私たち一人ひとりが取り組める具体的な対策や成功事例について紹介します。

日本や世界におけるフードロス(食品ロス)の現状

 

フードロス(食品ロス)を理解する上で、実際にどのくらい食品が廃棄されているのか、まずは現状を知ることが大切です。

ここからは、日本と世界、それぞれのフードロス(食品ロス)の現状をみていきましょう。

日本のフードロス(食品ロス)の現状

環境省が発表したデータによると、日本におけるフードロス(食品ロス)は、約472万トン(※)であることが分かりました。以下は、2012年から2022年までの推移を表したものです。

 

出典:環境省

2022年度をみると、前年度から約51万トン(約9.8%)減少していますが、それでも多くの食品が食べられることなく廃棄されています。

この量は東京ドーム約4杯分に相当し、日本人1人当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てている計算です。

日本の食料自給率は、わずか38%(※)。残りのおよそ6割を、海外からの輸入に頼っています。それにもかかわらず、これだけ多くの食品が廃棄されてきました。

さらに、この食品廃棄量は、国連世界食糧計画(WFP)が年間に提供している食料支援量(約420万トン)の1.5倍(※)にもあたります。日本国内だけでこれほどの食品ロスが生じているのは大きな課題といえるでしょう。

(※)参照:
環境省 我が国の食品ロスの発生量の推移等]
農林水産省 食料自給率とは
消費者庁 食品ロス削減関係参考資料

日本で発生する食品ロスの発生元は、大きく2種類。「事業系食品ロス」と「家庭系食品ロス」の2つに分けられます。

事業系食品ロス   飲食店や食品製造業などの事業者から発生し、年間約236万トン(全体の50%)
家庭系食品ロス 家庭での食べ残しや期限切れ食品などから発生し、年間約236万トン(全体の50%)

 

参考:農林水産省 食品ロスとは

これらの割合はほぼ半々であるため、食品ロスを減らすには、事業者だけでなく私たち一人ひとりの行動も重要です。

事業者が無駄を減らす取り組みを強化するとともに、消費者も食べ残しをなくし、買い過ぎを控えるべきといえるでしょう。食品ロス削減のためには、国民全体での協力が欠かせません。

世界のフードロス(食品ロス)の現状

続いて、世界のフードロス(食品ロス)の現状をみていきましょう。

FAO(国際連合食糧農業機関)が発表した報告によると、毎年世界で廃棄される食料は約13億トン(※)。これは、世界で生産される食料の約3分の1に相当する膨大な量です。

出典:国際連合食糧農業機関 国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」

ヨーロッパや北アメリカでは、1人当たりの年間食料ロスが約280〜300kgと非常に多く、一方でサハラ以南アフリカや南・東南アジアでは約120〜170kgにとどまっています。

この差は、生産量や消費のスタイルの違いに起因しています。地域ごとの食料生産量を比較した、下記のグラフをご覧ください。

出典:国際連合食糧農業機関 国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」

ヨーロッパや北アメリカでは1人当たり年間約900kgの食料が生産されていますが、サハラ以南アフリカや南・東南アジアでは、その半分程度の約460kgにすぎません。

それにもかかわらず、先進国では消費者による食料廃棄が特に多く、年間95〜115kgが捨てられています。一方、途上国の消費者による廃棄量は、わずか6〜11kg。先進国の約10分の1以下にすぎません。

また、先進国と開発途上国では、食料ロスが発生する段階にも違いがあります。

開発途上国では、収穫後や加工段階でロスが発生する割合が、全体の40%以上。一方の先進国では、ロスの40%以上が、小売や消費者の段階で発生しています。

先進国の消費者による食料廃棄量(約2億2,200万トン)は、サハラ以南アフリカ全体の年間食料生産量(約2億3,000万トン)に匹敵する規模であることがわかるでしょう。

このデータは、地域によって食料の生産・消費・廃棄の在り方が大きく異なることを意味します。

先進国では必要以上に捨てられる食品が多い一方で、途上国では流通や加工が十分でないために廃棄される食品が多いという実態があります。

このような現状を踏まえ、フードロス(食品ロス)問題の解決には、地域ごとに異なるアプローチが必要であることが理解できるでしょう。

参照:国際連合食糧農業機関 国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」

家庭内のフードロス(食品ロス)の原因

 

家庭内で発生するフードロス(食品ロス)は、年間約236万トンとお伝えしました。

その内訳は「過剰除去」「食べ残し」「直接廃棄」の3点です。

出典:環境省

特に目立って多いのが「食べ残し」と「直接廃棄」です。なぜこのような状況が起きるのか、それぞれの原因を詳しくみていきましょう。

  1. 過剰な除去
  2. 食べ残し
  3. 直接廃棄(買ったのを忘れて放置)

過剰な除去

まずは、家庭系フードロス(食品ロス)の14%を占める過剰除去です。

「過剰除去」とは、野菜の皮を必要以上に厚くむきすぎてしまい、食べられる部分を無駄に捨ててしまう行為を指します。

たとえば、キャベツの外葉や玉ねぎの外側を過剰にむいて捨てることが、これに当たるでしょう。

実は、野菜の皮やその近くの部分にも、栄養が豊富に含まれていることが多いです。皮をむく際にはできるだけ薄く切り取るよう工夫するか、よく洗って皮ごと調理してもいいでしょう。

日常のちょっとした意識の変化で、無駄を減らす取り組みが可能です。

食べ残し

全体の43%を占めるのが「食べ残し」です。

「食べ残し」は、食べきれなかった料理を冷蔵庫に保存したまま最終的に捨ててしまうケースです。調理中に一部だけ使って残った食材を、そのまま廃棄する行為も含まれるでしょう。

これを防ぐには、食べ切れる分だけ調理し、余った食材があれば冷凍保存して後日活用するなどの工夫が必要です。

直接廃棄(買ったのを忘れて放置)

最後に、直接廃棄です。

よくあるパターンが、未開封のまま消費期限が過ぎてしまった食品や、買ったことを忘れて傷んでしまった食品など、一度も手を付けることなく廃棄する行為。こうした理由での廃棄は、全体の43%にも及びます。

これを防ぐには、食品を必要以上に買い込まないよう注意し、家にある食品の消費期限や賞味期限を定期的にチェックするなどの対策が欠かせません。

いつか食べるだろうと安易に買い込む習慣をなくせば、家庭内のフードロス(食品ロス)は大幅に減らせます。

事業でのフードロス(食品ロス)の原因

 

続いて、家庭内と同じく、年間約236万トンの廃棄が発生している事業でのフードロス(食品ロス)の原因を探っていきましょう。

事業でのフードロス(食品ロス)の内訳は、以下の4つに分類されます。

食品製造業   製造過程での規格外品や包装ミスによる廃棄
食品卸売業 輸送中の破損や輸入時の検疫で発生
食品小売業 売れ残りや商品の規格変更による廃棄
外食産業 お客様の食べ残しや提供できなかった仕込み食材

 

環境省が発表したデータによると、それぞれの割合は以下のとおりです。

出典:環境省

特に目立つのが、製造過程での廃棄で、半数を占めています。そのほかの要因も、決して無視はできません。

なぜこのような状況になっているのか、以下の原因をみていきましょう。

  1. 規格外品
  2. パッケージの印字ミス
  3. 3分の1ルール
  4. 季節商品
  5. 売れ残り・返品
  6. 作りすぎ

規格外品

まず挙げられるのが、先進国特有の問題「規格外品」による廃棄です。

先進国には「外観品質基準」という、商品が市場に出る際に見た目に関して厳しい基準が設けられています。先進国特有の原因で、日本に限った話ではありません。

この基準があることで、製造された商品が機能や味に問題がなくても、見た目が基準を満たさない場合には廃棄されることがあります。

たとえば、チョコレートの端が少し欠けているだけで、見た目の基準を満たさないとして市場に出回ることはほとんどありません。

農作物も同様で、収穫の際に傷がついたり形が不揃いなものは、消費者に好まれないと判断され、出荷される確率は低くなります。

パッケージの印字ミス

事業における食品ロスは、パッケージの印字ミスが原因で発生することがあります。

たとえば、賞味期限や商品名、アレルギー情報などの記載内容に誤りがある場合、その商品が市場に出回ることは難しくなります。

日本では、賞味期限やアレルギー情報は食品表示法(※)で表示が義務付けられており、これに誤りがあると事業者は法律違反になりかねません。

また、消費者が情報を信頼できなくなるため、印字ミスのある商品をそのまま市場に流通させることは難しいでしょう。

ここで「パッケージだけ変更すればいいのでは?」と疑問を抱くかもしれません。しかし実際には、いくつかの理由からパッケージ変更だけで済まない場合があります。

パッケージを変更するとなると、新しいパッケージを印刷し、製品を再包装する作業が必要です。この工程には、多くの時間や費用がかかります。特に短い賞味期限の商品では、再包装するよりも廃棄する方がコスト削減につながると、判断されてしまうでしょう。

また、衛生面の観点から、手作業で食品だけ替えるという行為が、後のリスクを生む可能性もあります。

食品ロスが解消されない理由には、コストや安全性、製造工程の制約、規制といった複数の要因が絡んでいます。

参照:食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン

3分の1ルール

日本では「3分の1ルール」という商慣習が食品流通に深く根付いています。

このルールは、食品が製造されてから賞味期限を迎えるまでの期間を、以下の3段階に分けたものです。

  1. 食品メーカー
  2. 小売店
  3. 消費者

たとえば、賞味期限6ヶ月の場合、各段階は2ヶ月ずつ管理することになります。
これは、あくまで業界で長年続いてきた慣例で、法律で定められたものではありません。

出典:消費者庁 食品ロス削減に向けた取組

そもそも賞味期限とは、その食品が美味しく食べられる期間を指し、消費期限とは異なります。

そのため、賞味期限が切れたとしても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

しかし、このルールが適用されると、メーカーは賞味期限の最初の「3分の1」を過ぎた商品を小売店に卸せなくなります。小売店も、期限の残りが3分の1以下になると、商品を棚から下げる傾向があります。

この結果、まだ安全に食べられる食品であっても、廃棄されるリスクは高まるでしょう。

こうした問題を解決するため、農林水産省を中心に食品業界全体でルールの見直しが進められています(※)。

参照:農林水産省 納品期限の緩和を進める事業者が大幅に増加!

季節商品

季節商品は、特定の時期に集中して需要が発生するため、販売期間が短く需要予測を誤ると過剰な在庫が発生してしまいます。

たとえば、節分の恵方巻きやクリスマスケーキは需要が1〜2日の間に集中するため、売れ残りが発生すると廃棄せざるを得ません。

多くの店舗では「売り切れ」を避けるために、需要を見越して多めに商品を準備する傾向があります。しかし、予想を上回る売れ残りが発生すると、その商品は廃棄の対象になります。特に賞味期限が短い商品では、次の日には販売できないため、廃棄が避けられません。

この問題に対処するため、農林水産省は食品ロス削減推進法に基づき、小売業者に対して需要に応じた販売の徹底を呼びかけています(※)。

具体的には、予約販売の促進や販売数量の適正化を推奨し、需要に見合った生産と販売が行われるよう支援しています。

食品業界は、いかに余剰分を削減するかが、食品の無駄をなくす軸になってくるでしょう。

参照:農林水産省 季節食品のロス削減

売れ残り・返品

売れ残りや返品も、事業上の食品ロスになる大きな原因の一つ。これらは、食品が流通や販売の最終段階で適切に消費されず、廃棄される場合に発生します。

小売店や外食産業では、商品の販売期限や賞味期限を過ぎると販売が難しくなります。特に、需要予測の誤りや仕入れ過多が原因で、在庫が過剰になり売れ残ることが多いでしょう。

<一例>

  • スーパーの棚に並ぶ生鮮食品や惣菜
  • 外食産業で準備されたものの、注文が入らなかった食材

また、食品の流通過程で発生する返品も、食品ロスの要因です。返品が発生する理由には、以下のようなものがあります。

納品期限の超過   「3分の1ルール」が影響し、小売店に納品できない場合がある
パッケージの破損や印字ミス 販売に適さないと判断された商品が返品される
需要予測の誤り 過剰に発注した商品が売れず、返品されることがある

 

「3分の1ルール」や「パッケージの印字ミス」など、事業上で発生するフードロス(食品ロス)は、相互に原因が絡み合っています。

返品された食品は、再販やリサイクルが難しい場合、廃棄されることがほとんどでしょう。

作りすぎ

食品製造業や外食産業、小売業では、需要を過大に見積もることで余剰在庫が発生し、それが作りすぎとなって廃棄につながるケースが多く見られます。

作りすぎを生む要因を、以下にまとめました。

需要予測の誤り   需要を過剰に見積もると、実際には必要とされない量の食品を生産・準備してしまう。特にイベントや季節商品の場合、売り切れを恐れて作り過ぎることが原因となる。
メニューの多様化 外食産業では、多くのメニューを提供するために多種類の食材を仕入れる必要がある。しかし、注文が集中するメニューとそうでないメニューがあり、作り過ぎた分が廃棄されることがある。
効率性の追求 食品製造業では、大量生産のほうが単価を抑えられる場合がある。その結果、需要を超えて作られた分が余剰在庫として食品ロスを生むことがある。

 

作り過ぎによる食品ロスは、事業運営の中で頻繁に発生する課題です。

しかし、需要予測の改善や生産調整、余剰品の再利用といった対策をとることで、改善の余地はあるでしょう。

食品ロス削減は、コスト削減だけでなく、倫理的な観点からも重視しなくてはいけません。

フードロス(食品ロス)対策が求められる理由

 

フードロス(食品ロス)対策が、なぜここまで求められるかを理解するには、こうした状況がもたらす影響に目を向けなければいけません。

具体的に、以下3つの要素に注目してみていきましょう。

  1. 環境汚染を起こす原因になる
  2. 処理費用が増大する
  3. 貧困や食糧不足を引き起こす

環境汚染を起こす原因になる

一つは、環境汚染です。

食品が廃棄されると、その多くは焼却処理されるのが一般的。この際、二酸化炭素やメタンガスといった温室効果ガスが排出され、地球温暖化を進行させる要因となります。

世界資源研究所(WRI)の調査では、食品ロスが原因で排出される温室効果ガスは、全体排出量の約8%(※)を占めていることが明らかになりました。

出典:Reducing Food Loss and Waste: Setting a Global Action Agenda

地球温暖化が加速すると、異常気象の増加や海面上昇、私たちの暮らしにさまざまな影響を及ぼします。

さらに、埋め立て地に食品廃棄物が大量に送られることで、土壌汚染や地下水への悪影響は避けられません。

また、食品が生産される過程でも、大量の水やエネルギーが使用されています。食品を無駄に捨てることは、これらの資源を浪費することにつながり、持続可能な社会の実現を妨げる要因になってしまうでしょう。

参照:Reducing Food Loss and Waste: Setting a Global Action Agenda

処理費用が増大する

食品廃棄物の処理には、多大なコストがかかります。

地方自治体や企業が食品廃棄物を処理するためにかかる費用は、消費者に間接的に影響を及ぼすものです。税金や製品の価格が上がる形で、私たちの生活に跳ね返ってきます。

特に、日本では焼却処理が一般的で、廃棄物を減らすための処理施設や輸送費もかさんでくるでしょう。廃棄量が増えるほど、これらの費用も増大し、経済全体への負担が大きくなります。

貧困や食糧不足を引き起こす

フードロス(食品ロス)は、貧困や食糧不足を引き起こします。

その引き金は、廃棄時に排出される温室効果ガスの影響です。

食品廃棄の多くは焼却処理なので、地球温暖化が進行し、気候変動の影響で食料を生産できる地域が限られてしまうでしょう。

一方で、世界の人口は増加の一途をたどり、2050年には現在より約20億人多い97億人に達すると予測されています。

参照:人口と開発 | 国連広報センター

生産可能な地域が減少する中で人口が増え続けると、世界的な食糧問題や貧困問題に歯止めをかけられません。食糧の供給が追いつかず、需要の増加が供給を上回ることで、食品価格の高騰も予想されます。

特に食料自給率が低い日本では、多くの食料を海外からの輸入に依存しているため、価格の上昇が避けられません。

経済的に余裕のある人々は引き続き十分な食糧を得られるでしょう。しかし、低所得層では必要な食料の確保が難しくなります。国内でも、経済格差が広がるリスクが懸念されています。

家庭でできるフードロス(食品ロス)対策

 

フードロス(食品ロス)を減らすために、家庭でできる具体的な対策を詳しく紹介します。

ちょっとした意識の変化や工夫が、日々の無駄を減らし、環境や家計にも良い影響を与えるはず。「これならできそう!」と思えるよう具体例を交えて解説するので、ぜひ今日から実践してみてください。

  1. 買い物の前に保存している食材をチェックする
  2. 使い切れる分や食べられる分だけ量を買う
  3. 期限表示を確認する
  4. すぐに使う食材は食品棚の手前から手に取る
  5. 長持ちする方法で適切に保存する
  6. 残った食材から利用する
  7. 余った食材を有効活用する

買い物の前に保存している食材をチェックする

「先週買ったことを忘れて、同じ食材を購入してしまった!」という経験は、誰にもあるはずです。使いきれずに消費期限が切れると、廃棄せざるを得ません。

これを防ぐには、買い物に行く前に、冷蔵庫や食品棚の中を確認する習慣をつけましょう。

すでにある食材を把握すれば、同じものを重複して買う必要はありません。意外に使い忘れている食材や調味料を発見することもあるので、一石二鳥です。

また、冷蔵庫を「見える化」するのがおすすめです。「透明な容器に入れる」「ラベルを貼る」などして中身が一目でわかるように工夫すると、何を優先して使うべきか判断しやすくなるでしょう。

また、週末に冷蔵庫を整理する習慣を設けることで、残っているものを把握しやすくなります。

使い切れる分や食べられる分だけ量を買う

使い切れる分や食べられる分だけの量を買うようにしましょう。

「特売!」「値下げ!」という言葉があると、つい大量に買い込んでしまいたくなるものです。しかし、ここでグッとこらえて、本当に必要かどうかを考える癖をつけましょう。

「お得だから」と買っても、消費しきれなければ廃棄するだけになってしまいます。

対策としては、買い物前に必要な食材をリスト化しましょう。たとえば、今週のメニューを考えてから買い物に行けば、必要な量だけの購入で済みます。

お菓子や冷凍食品などの「つい買い」を防ぐために、リスト以外のものは極力買わないルールを決めるのも効果的です。

期限表示を確認する

食品には「消費期限」や「賞味期限」が表示されていますが、それぞれの意味を正しく理解しておきましょう。これを正しく理解することで、まだ食べられるはずの食品を無駄に捨てることがありません。

消費期限   安全に食べられる期限を示します。期限を過ぎたら食べられません。
賞味期限 美味しく食べられる期限を示します。期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。

 

無駄をなくすコツとして、消費期限が近いものから優先的に使ってみてください。わかりやすく、期限をパッケージに大きく書いてもいいでしょう。

正しい知識を持つことで、家庭からの食品廃棄は大幅に減らせます。

すぐに使う食材は食品棚の手前から手に取る

食品棚や冷蔵庫の奥に置いた食材は、いつの間にか存在を忘れてしまいがちです。

使わずに期限が切れてしまうという状況を防ぐためには「手前に置く」「先に使う」を意識してみてください。

冷蔵庫の整理を行う際、新しい食品を奥に入れ、古いものを手前に移動する「先入れ先出し」のルールを実践してみましょう。また、定期的に棚の奥まで見渡して、何が残っているか確認することも大切です。

長持ちする方法で適切に保存する

保存方法を工夫するだけで、食品の鮮度を長く維持できます。食品が傷む前に保存状態を見直すことで、食品ロスを大幅に減らせるでしょう。

食材別の具体的な保存方法は、以下を参考にしてみてください。

野菜   湿らせたキッチンペーパーで包み、密閉袋に入れて冷蔵庫で保存
果物 バナナやアボカドは常温保存、リンゴや柑橘類は冷蔵保存が適切
肉・魚 購入後すぐに小分けして冷凍保存。解凍時には冷蔵庫でゆっくり解凍すると品質維持につながる

 

また、冷蔵庫の温度設定を適切にすることで、食品が劣化しにくくなります。冷蔵室は3〜5℃、冷凍室は-18℃以下が理想的です。

その他、くらだしマガジンでは食材を長持ちさせるヒントをお届けしています。意外なアイディアもあるので、参考にしてみてください。

玉ねぎの保存ガイド!長持ちさせる正しい方法と保存期間の目安を紹介

きゅうりの保存ガイド!正しい方法と保存日数の目安を紹介

残った食材から利用する

残った食材をそのまま捨てている方は、意外に多いでしょう。料理で余った食材や端切れは、次の食事に活用することで食品ロスを減らせます。

たとえば、野菜の皮や端切れは、スープや出汁に活用できます。ご飯は、炒めてチャーハンにすると味変になって食べやすくなるでしょう。

パンの耳は、ラスクやフレンチトーストにすると、デザートに早変わりです。

アレンジのアイデアは、レシピサイトで調べてみましょう。「こんな使い方があったんだ!?」と意外な発見が見つかるかもしれません。

余った食材を有効活用する

冷蔵庫や食品棚にある余った食材を「最後まで使い切る」工夫をしましょう。これにより、廃棄される食品の量を大幅に減らせます。

たとえば「パンの耳でパン粉をつくる」「果物の皮でジャムにして保存」など、アイディアは無限大。余ったからといって、新たに追加で食材を買い足して調理する必要はありません。

また、冷凍庫を積極的に活用して、保存期間を延ばすことも大切です。冷凍した食品は、日付を記入して管理するといいでしょう。

またくらだしマガジンでは、余った食材で一品料理が完成するアイディア集を掲載しています。大量消費したいときのレスキューレシピもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

くらだしマガジン一覧 レシピアイディア

クラダシが取り組むフードロス(食品ロス)の対策事例

 

クラダシ(Kuradashi) では、日本国内で発生するフードロス(食品ロス)を削減しながら、環境保護や社会貢献を実現する「ソーシャルグッドマーケット」を提供しています。

私たちは、フードロス(食品ロス)削減のために、以下のことに力を入れています。

  1. 規格外品や余剰品を活用した販売
  2. お得な買い物が社会貢献につながる仕組み

1. 規格外品や余剰品を活用した販売

食品ロスの大きな原因の一つは、味や品質には問題がないのに「規格外品」として市場に出回らない商品が多いこと。当マーケットでは、以下のような理由で流通から外れた食品を積極的に取り扱い、消費者に50%オフや60%オフといった価格で提供しています。

  • 商品の割れや小さな傷があり販売できない商品
  • オフシーズンのため廃棄が懸念される商品
  • 賞味期限が近く店頭に並べない商品

スーパーでいつも購入しているお馴染みの商品から、産地直送の贅沢な食材、一度は試してみたかった珍しい食材まで、幅広いラインナップをおトクな価格で購入できます。これにより、廃棄されるはずだった商品を再流通させ、フードロス(食品ロス)の削減につなげています。

2. お得な買い物が社会貢献につながる仕組み

当マーケットを通じて商品を購入するだけで、フードロス(食品ロス)削減と同時に社会貢献が可能です。購入金額の一部が、消費者が選んだ社会貢献団体に寄付される仕組みを設けています。

支援先として、以下のような団体と提携しています。

  • 環境保護団体
  • 海外支援団体
  • 災害支援団体
  • 動物保護団体

これにより、利用者が気軽に社会貢献活動に参加できる仕組みを構築しています。

こうした取り組みから、クラダシはその活動が高く評価され、以下のような数々の賞を受賞しています。

  • 「食品ロス削減推進表彰」環境大臣賞(2022年)
  • 「食品安全安心・環境貢献賞」受賞
  • 「B Corp認証」取得(日本で13番目)
  • 脱炭素チャレンジカップ優秀賞

また、当社はB Corp認証を取得している数少ない日本企業の一つです。日本では、13番目に認証を取得しました。

この認証は、環境や社会への取り組みを評価する国際的な基準をクリアした企業にしか与えられません。規格外品や余剰在庫を再流通させるだけでなく、購入者が環境保護や社会支援に参加できる仕組みを提供しています。

誰でも気軽にフードロス(食品ロス)削減に貢献できるサービスとしてご利用ください。

クラダシの公式サイトはこちらからご覧ください。

フードロス(食品ロス)の原因や現状を理解して対策しよう

 

フードロス(食品ロス)を減らすために、日常でできることはたくさんあります。
家庭では、冷蔵庫や食品棚を整理し、必要な分だけ購入することから始めてみましょう。

私たち一人ひとりの小さな行動が、大きな変化を生み出す力になります。今できることから、ぜひ始めてみてください。

くらだしマガジンは、「みんなと一緒に、明日をつくる」をコンセプトに誕生したWEBメディアです。

「何かを変えたいけれど、何から挑戦すればいいか分からない」
「未来を変えるなんて、ひとりの力では難しいと思う」

だからこそ、くらだしマガジンを通じて「みんな」と一緒に明日をつくってほしい。コンセプトにはそんな願いを込めています。

読む人みんなが知って、選んで、試せて、語れるWEBマガジンを目指して、クラダシならではの目線で、明日をつくるための日々の暮らしの情報をお届けします。

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くらだしマガジン編集部

Collaborator 山岸功季

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