【3種の冷凍スープ座談会】企画・レシピ開発・製造担当が語る裏話|つくってKuradashi開発秘話

【3種の冷凍スープ座談会】企画・レシピ開発・製造担当が語る裏話|つくってKuradashi開発秘話

さまざまな方のニーズに合わせてご利用いただける総菜などを展開する、クラダシ初のプライベートブランド「つくってKuradashi」。

2023年11月に予約販売を開始し、2024年1月24日からはいよいよ本格販売が始まります。おかげさまで好評な「つくってKuradashi」。今回は、その第1号「3種の冷凍スープ」の企画者・レシピ開発者・製造者が一堂に会し座談会をおこないました。

まったく初めての取り組みをどのように成功させたのかや、実は…という苦労話も飛び出しました。「3種の冷凍スープ」の舞台裏をぜひご覧ください。

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座談会のメンバー

  • 株式会社クラダシ 広報担当 齊藤(写真右)
    クラダシの広報担当。クラダシ側の中心メンバーとして「つくってKuradashi」のプロジェクトに参加。

  • 株式会社Tokyo Bento Labo 代表 関 克紀さん(写真中央右)
    自動販売機で購入できる冷凍弁当を中心に製造・販売をおこなうお弁当工場の代表。「3種の冷凍スープ」の製造を担当。

  • 株式会社ABCスタイル フードソリューション事業部 瀧井 瑠華さん(写真中央左)・上村 碧さん(写真左)
    食のコンサルティングを手掛けるABCスタイル側のメンバーとしてのプロジェクトに参加。レシピ開発や製造先の開拓などを担当。

ロス食材にはまだまだ可能性がある。「3種の冷凍スープ」の反響

株式会社ABCスタイル フードソリューション事業部 上村 碧さん

クラダシ 2023年11月に予約販売が始まったつくってKuradashi「3種の冷凍スープ」ですが、ともにプロジェクトを盛り上げてきたみなさんにあらためてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます!クラダシ初のプライベートブランドということで、Kuradashiユーザーさんやメディアさんからも大きな反響がありました。11月の販売開始以降、みなさんのところにも反響は届いていますか?

上村さん 別の案件でクライアントさんが「あのKuradashiさんと一緒にスープを作ったんだね」と言ってくださって。フードロス食材を使ったスープはやはりすごく反響があると実感していますね。どのメーカーさんもフードロス食材をお持ちで、その活用方法に困っています。すでに、「3種の冷凍スープ」をきっかけにして「うちの鶏肉で何かできない?」とお声を頂いたりしていて。ABCスタイルの事業に広がりができたので、ありがたい機会だったなと思います。

株式会社ABCスタイル フードソリューション事業部 瀧井 瑠華さん

クラダシ ABCスタイルさんは、「サステナ缶」という商品も販売されていますよね。つくってKuradashiをきっかけに、さらに新しい展開につながりそうですか?

瀧井さん 「サステナ缶」という自社商品だけだと、どうしてもすぐに新商品が出せなかったりするんです。でも、つくってKuradashiを通じて「他の企業さんとコラボする」という方法が増えたことで、フードロス削減の手段が増えたと感じています。

株式会社Tokyo Bento Labo 代表 関 克紀さん

クラダシ わたしたちも、今回のプロジェクトを通じて、1社だけではできないことでもパートナーがいれば実現できることを実感しました。「3種の冷凍スープ」の製造を担当されている関さんはいかがでしたか?

関さん Tokyo Bento Laboはもともと冷凍おにぎりやお弁当を中心に製造しているので、お米関係の製品だけではなくて「冷凍スープ」も製造できるのか!と驚かれましたね。

クラダシ 以前、工場に伺った際に設備を拝見しましたが、冷凍スープを製造するうえで特に障壁はありませんでしたか?

関さん クラダシさんとABCスタイルさんが「スープ」と「レシピ」という土台を整えてくださっていたので、まったく問題なかったですね。幸いにも冷凍設備は整っていて加工のノウハウもあったので、スープを作るのもお弁当を作るのも基本的な考え方は同じなんだという発見がありました。

クラダシ Tokyo Bento Laboさんは地域フードロス対策弁当も手がけられているので、フードロス削減の意味でもぴったりの抜擢だったと感じています。

関さん その通りですね。初めての取り組みなのでまだ手探りの部分もありますが、フードロス食品を活用した商品の製造・開発をひとつのプラットフォームとして育てていけたらと思っています。

株式会社クラダシ 広報担当 齊藤

クラダシ クラダシから見ても大きな反響がありましたね。

齊藤 そうなんです。すでに、「うちのフードロス食材を使ってほしい」「一緒に何かできないか」とお問い合わせをいくつか頂いています。つくってKuradashiは販売開始に先駆けてメディアさんへの記者発表を実施したんですが、「いい取り組みだから応援してるよ」とお声を掛けていただきました。

クラダシ 初めての取り組みだからこそ、商品ページの作り方にもこだわっていますよね。

齊藤 お客さまに「3種の冷凍スープ」の魅力をしっかり伝えるために、特設ページや商品詳細ページのコンテンツやデザインにこだわりましたね。社内のメンバーも「こんなに作りこめるんだ!」と驚いていました。

企画、レシピ開発、製造。それぞれのこだわりポイント


クラダシ
 初めて尽くしの取り組みですが、役割がフィットして進行できましたよね。企画、レシピ開発、製造とそれぞれの立場で特にこだわったポイントを教えてください。

瀧井さん レシピ開発にあたって最初のお題が「スープ」だけだったので、12種類ほどレシピ案を作って試食しながら、最終的に3種類に絞り込んだんです。ABCスタイルのレシピ開発チームは女性が多いので、同じく女性が多いKuradashiユーザーさんの声も参考にして、味はもちろん利用シーンもしっかり想定しながら作りこみました。

クラダシ 12種類も!そのレシピ開発はどうやって実現されたんですか?

上村さん ABCスタイルは登録者さんが2万人いて、みなさん異なる多様なバックグラウンドをお持ちなんです。たとえば海外生活が長い方はその国のお料理のエッセンスを加えたり、お子さんがいらっしゃる方はお子さんも美味しく食べられるレシピ開発が得意だったり…。だからこそ、12種類のご提案ができました

クラダシ 初期の案の中に「ボルシチ」もありましたよね。今回、ABCスタイルさんに「3種の冷凍スープ」のレシピ開発をしていただく中で、冷凍スープに対する概念が変わりました。具材のゴロッと感が強いですし、誰でも食べやすい味付けですよね。

瀧井さん 性別や年齢を問わず幅広い方に食べていただけるけれども、3種類それぞれにポイントとなる味わいを持たせられたと思います。

上村さん 具材にお肉を使う案もあった中で最終的にコノシロを使うことになったので、お魚に合うスープにすることにもこだわりました。


クラダシ
 ちなみに、カレー・ベーコントマト・酸辣湯の中で一番難しかったのはどれですか?

関さん 一番簡単そうに見える酸辣湯が一番難しかったですね。メンバーそれぞれがおいしいと感じる加減が違うので、酸味の付け方を調整したりして。家庭用のレシピを工場用のレシピに変換する必要があるので、工場側で微調整して対応しました。

瀧井さん レシピの調整方法や作り方は工場によって大きく異なるんですが、関さんはいつも柔軟でスピーディに対応してくださるので、タイトなスケジュールの中で本当に助けていただきました。

関さん でも、今回はABCスタイルさんから頂いたレシピがとても詳細で、そしてクオリティも高かったので、これならうちで作れると確信したんですよ。そのクオリティを損なわないために、なるべく手仕事・手作業で製造することに決めました。必要な手間もかけていて、たとえば封入前の粗熱を取る作業も工程を通常より1つ増やしてやっています。

クラダシ コノシロボールも一つひとつ手作業で作っているんですよね。

関さん ふわふわの食感を出すためにいろいろ工夫しましたね。コノシロボールの味に関しては、ABCさんが考えてくださったスパイスが決め手になっています。

封入やパートナー集め…?実は苦労したこと


クラダシ
 それぞれの得意分野とこだわりを掛け合わせて、本当にいいものが作れたと思います。ちなみに、実は苦労したことってありますか?

関さん できあがったスープを封入する作業ですね…。一つひとつ手でパウチに入れるんですが、丁寧に作業しないと、スープが飛び出てしまったり、具とスープのバランスが悪くなったりしてしまうんです。さらに、パウチの結着部に少しでもスープがついてしまうと、密閉できなくなってしまうんです。だから、先に具を量ってからパウチに入れて、スープを後から入れるような工夫をしています。

クラダシ そうだったんですね!丁寧に作業していただいて感謝しかありません…。

関さん 今回は、Kuradashiアンバサダーさんからのご意見の中に、「冷凍庫の中で場所を取らないようにコンパクトサイズだと嬉しい」というお声を頂いていたこともあり、小さめのパウチを使用しているという事情もあります。

クラダシ 「コンパクトな冷凍ストックで防災用の備蓄にもなる」というのは、まさに今回の「3種の冷凍スープ」のポイントです。おいしさ以外にも、使い勝手にもこだわっていますよね。ABCさんはいかがですか?

瀧井さん このプロジェクトを、誰とどんな風に進めるのがベストなのが、走り出しの体制を作る部分は手探りでした。いろいろな企業さんにご相談しましたが、お断りされてしまうことも少なくなかったんです。最後に、「関さんならご協力いただけるかも…!」とお電話するとご快諾いただけたので本当に安心しました。

つくってKuradashi「3種の冷凍スープ」のこれから

これまで、オンラインでの予約販売として展開してきたつくってKuradashi「3種の冷凍スープ」。1月24日からは本格販売が始まります。オンラインでは9食セットのみの販売でしたが、たまプラーザ テラス店では単品でもご購入いただけるようになり、さらにお手に取りやすくなるはず。

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くらだしマガジン編集部

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