「キムチの賞味期限を切らしてしまった!これはもう食べられないの?」
冷蔵庫に入れていたキムチを取り出したら、賞味期限が過ぎていたという経験をされた方は多いでしょう。
「捨てるのはもったいないけれど、お腹を壊すのは避けたい……」
「そもそも賞味期限が切れても大丈夫?食べられる目安ってあるの?」
そのような疑問を解消すべく、この記事では賞味期限切れのキムチが食べられるかの見分け方や、実際に食べられる具体的な期間を解説します。
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キムチ(未開封)の賞味期限は1か月ほど
未開封のキムチは、製造後約1か月を目安に賞味期限が設定されています。発酵キムチの場合、未開封であれば乳酸菌の活動が抑えられるため、賞味期限を過ぎても比較的長く保存が可能です。
そもそも賞味期限とは、製造者が食品の美味しさや品質を保証する期間を指します。これは、商品が「最も美味しく食べられる期限」を意味し、必ずしもその日を過ぎたらすぐに食べられなくなるわけではありません。
ここで、賞味期限と消費期限について押さえておきましょう。
賞味期限 |
スナック菓子や缶詰など、比較的傷みにくい食品に表示されるもの。期限が過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではない。
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消費期限
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お弁当やお惣菜、生鮮食品など、品質が急速に劣化する食品に表示されるもの。期限を過ぎたら食べない方がいいとされる。
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参照:農林水産省
記載されている日付が賞味期限の場合、過ぎると「風味や味が変わる」だけで、すぐに腐敗するわけではありません。
ただし「消費期限」で表示されている場合、未開封であっても期限を過ぎたものは食べないようにしてください。
キムチ(開封済み)の賞味期限
キムチは一度開封すると、空気や外部の菌が入り込んで酸化が進み、傷むスピードが速まります。そのため開封後は、賞味期限に関係なく1〜2週間程度を目安に食べ切るようにしてください。
また、保存方法にも工夫が必要です。
開封後の保存方法は、以下のように推奨されています。
理想的な保存状態:10℃以下で保存
気温が10℃以下であっても、常温での保存はおすすめしません。
必ず密閉容器に入れて冷蔵保存し、取り出す際は清潔な箸やスプーンを使い、余計な菌が混入しないよう徹底しましょう。
また、使われる原材料によっては、早く傷んでしまうことがあるので注意してください。
たとえば、水分が多いきゅうりキムチは、他の野菜よりも傷みやすく、保存期間が短い傾向があります。
さらに、イカキムチやチャンジャなどの魚介類を原料にした商品は、通常のキムチより腐敗するスピードが速くなります。購入後1週間以内を目安に食べ切るといいでしょう。
キムチは賞味期限が切れてから何日までなら食べられる?
賞味期限が切れてしまった場合は、日数ごとに状態を確認しながら、食べられるかどうかの見極めが肝心です。
ここからは、賞味期限切れ後のキムチの状態と、食べられる目安について詳しく解説します。
お手持ちのキムチに記載された賞味期限や中身の状態と照らし合わせて、判断してみてください。
- キムチの賞味期限切れから数日間
- キムチの賞味期限切れから1週間
- キムチの賞味期限切れから10日〜2週間
- キムチの賞味期限切れから1か月
- キムチの賞味期限切れから2か月
- キムチの賞味期限切れから3か月
- キムチの賞味期限切れから半年
- キムチの賞味期限切れから数日間
賞味期限を過ぎて1〜3日程度で、未開封かつ冷蔵保存がしっかりとされていれば、問題なく食べられるでしょう。
この時点で、キムチ本来の風味が損なわれる心配は、ほとんどありません。酸味や香りに違和感がなければ、安心して食べられます。
ただし、開封後は雑菌が繁殖しやすくなるため、しっかりと状態を確認しましょう。
キムチの賞味期限切れから1週間
賞味期限から1週間程度過ぎた場合、未開封で冷蔵保存されていれば、食べられることがほとんどです。しかし、発酵状態や管理方法によっては、酸味が強く感じられるかもしれません。
酸味が許容範囲内であれば問題ありませんが、異臭や変色、ヌメリなどの異常がないかしっかりと確認してください。開封済みの場合は、食べる前に念入りに状態をチェックし、自己判断で食べるようにしましょう。
キムチの賞味期限切れから10日〜2週間
賞味期限を10日〜2週間過ぎたキムチは、未開封でも発酵がさらに進んでいる可能性があります。
酸味が強くなり、風味に変化が見られることが一般的ですが、その酸っぱさを逆手にとって料理に活用する方法もあるでしょう。
また、水分の多いきゅうりが含まれている場合は、他の野菜に比べて傷みが早く、異臭やヌメリが出ていないか念入りに確認しください。
また、キムチの賞味期限後に数週間が経過すると、成分にも変化が訪れます。
キムチには、旨み成分であるグルタミン酸やイノシン酸が含まれますが、これは時間と共に減少してしまいます。
- グルタミン酸:アミノ酸系の旨み成分
- イノシン酸:核酸系の旨み成分
美味しく食べたい場合は、早めに食べ切るようにしましょう。
キムチの賞味期限切れから1か月
正しく保存されていた場合、賞味期限が1か月過ぎたキムチでも、食べられる可能性はあります。
しかし、以下の状態が見られる場合は、食べるのを避けた方がいいでしょう。
- 鼻がツンとするほどの強烈な酸味がある
- 色が変わっている
このような変化は、傷みが進行しているサインです。賞味期限が1か月過ぎたキムチは、安全を考えて無理に食べないようにしてください。
キムチの賞味期限切れから2か月
賞味期限が2か月過ぎた場合は、保存状態によって安全性が大きく変わるため、慎重に判断する必要があります。
後に詳しく解説しますが、賞味期限切れのキムチが食べられるかどうかの判断は、以下を参考にしてみてください。
見た目 |
素材が白っぽく変色している場合はNG 表面にカビが発生している場合は食べない
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匂い
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強烈な酸っぱい匂いや異臭がする場合は腐敗の可能性が高いため避ける
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味
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強い酸味や雑味がある場合は食べない方が無難
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「加熱すれば安全」と考える方もいますが、火を通しても死滅しない菌が存在します。カビの発生や強い異臭がある場合は、潔く処分しましょう。
キムチの賞味期限切れから3か月
保存状態さえ良ければ、キムチは賞味期限から3か月過ぎても食べられることがあります。ただし、発酵食品に限った話です。
本格的なキムチは発酵食品であり、乳酸菌が生きているため、適切に保存されていれば腐敗しにくいのが特徴です。
乳酸菌は、雑菌の繁殖を抑える役割も持つため、見た目や匂いに異常がなければ食べられることがほとんどでしょう。
一方で「キムチ風味の漬物」の場合は、発酵食品ではありません。この場合、雑菌の増殖が懸念され、賞味期限が3か月過ぎていると食中毒のリスクが高まります。
「もったいない」より「安全第一」です。食中毒のリスクを避けるためにも、賞味期限内に食べ切るよう心掛けましょう。
キムチの賞味期限切れから半年
賞味期限後半年のキムチは、食べない方が安全といえます。
キムチの種類によっては、未開封かつ適切な保存状態であれば、賞味期限が半年過ぎても問題ないとされる商品もあるでしょう。しかし、必ずしも安全とは限りません。
発酵させたものであっても、強烈な酸味やカビや異臭が感じられる場合は、廃棄をおすすめします。
消費期限切れのキムチは食べるのを避ける
消費期限は「安全に食べられる期限」であり、これを過ぎた食品は安全性が保証されません。
未開封・開封に関係なく、食べることを避け、処分することをおすすめします。
キムチに限らず、消費期限切れの食品には、雑菌の繁殖や食中毒の危険性が潜んでいます。
「もったいない」と思う気持ちから、消費期限後の数日間であれば「健康被害はないだろう」と思う方もいるでしょう。しかし、食中毒菌は必ずしも異臭や変色を伴うわけではありません。
体調を守るためにも、期限内に美味しく食べ切ることが大切です。
賞味期限切れで食べられないキムチの見分け方
賞味期限が過ぎたキムチでも食べられる可能性がありますが、以下の項目に当てはまる場合は、食べずに処分した方がいいといえます。
- 黒・青・緑などに変色している
- ヨーグルトやアルコールのような臭いがする
- ヌメリが出ている
- 酸味が増す
黒・青・緑などに変色している
黒・青・緑などに変色している場合は、カビのサインです。少し取り除いても安全ではないため、廃棄するのが最善です。
ただし、白菜に見られる黒い斑点は、ポリフェノールの蓄積によるもので、食べても問題ありません。
ここで、カビによる変色なのか判別が難しいという場合は、食べない方が安全といえるでしょう。
ヨーグルトやアルコールのような臭いがする
キムチは、酸っぱい発酵臭が特徴ですが、ヨーグルトのような酸臭やアルコール臭がする場合は、腐敗している可能性があります。
こういった異臭は、食べるべきではない危険な状態のサインです。
ヌメリが出ている
キムチを触ったときに異常なヌメリを感じる場合は、雑菌が繁殖して腐敗が進んでいる証拠です。
ヌメリが危険かどうかを見極めるポイントは、以下のとおりです。
- 素材全体がヌルヌルとした不自然な質感になっている
- 箸で触ると、粘り気が強く糸を引くような状態になっている
- ヌメリと同時に腐敗臭がする
これらの状態が確認できた場合、腹痛や嘔吐、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。味見も危険なので、廃棄してください。
酸味が増す
キムチは、日が経つにつれて酸味が増します。これは自然な現象ですが、万が一強烈な酸味を感じる場合は、食べない方が無難といえるでしょう。
「少しだけ味見を…」と考えたくなりますが、腐敗しているキムチは見た目や匂いだけでは判断しきれないこともあります。
わずかな酸味であれば、加熱して食べ方を工夫するのは一つの手でしょう。ただし、これはあくまで発酵が進んで酸味が増した状態に限ります。カビや腐敗の兆候がある場合は、加熱しても安全にはなりません。必ず廃棄してください。
キムチを長持ちさせる保存方法
キムチは、正しく保存すれば美味しさをキープしつつ、長く楽しめる食品です。キムチを最後まで美味しく食べるために、以下3つの方法を試してみてください。
- 保存容器に移し替えて冷蔵保存する
- キムチ専用の箸で食べる分だけ取り分ける
- 冷凍保存する方法もある
保存容器に移し替えて冷蔵保存する
品質を長持ちさせるためには、空気に触れない密閉容器に移し替え、冷蔵保存しましょう。
おすすめの保存容器と、取り扱いの注意点を以下にまとめました。
ステンレス製 |
匂い移りしにくく軽量。電子レンジは使用できないものが多いため、使い方には注意が必要です。
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ホーロー製
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匂いや汚れが付きにくくデザインも豊富。傷や衝撃に弱いため、取り扱いに注意が必要です。
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ガラス製
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中身が一目で確認でき、食卓にもそのまま出せます。重さがあるため、冷蔵庫に入れる際は数個程度に留めましょう。
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キムチの冷蔵保存は、10℃以下とされていますが、できれば2〜7℃前後のチルド室が最適です。空気をしっかり遮断することで雑菌の繁殖を抑え、美味しさを維持できます。
キムチ専用の箸で食べる分だけ取り分ける
キムチを保存容器から取り出す際は、専用の箸を使って食べる分だけ取り分けましょう。
普段の食事で使っている箸には、他の食品成分や唾液が付着していることがあります。その箸をキムチの容器に直接入れてしまうと、雑菌の混入につながりかねません。
「キムチがすぐに酸っぱくなってしまう……」と悩んでいる方は、ぜひ専用の箸を用意して、清潔な状態をキープする習慣を心がけてみましょう。
冷凍保存する方法もある
期限内に食べきれない量のキムチを買った場合は、冷凍保存が便利です。
冷凍保存する際は、以下の方法がおすすめです。
小分けにする |
一度に食べる分ずつ小分けにして、保存袋や密閉容器に分けます。必要な分だけ解凍できるので、使い勝手が良くなります。
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空気を抜いて密閉する
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保存袋を使う場合は、しっかり空気を抜いて密閉してください。保存袋にそのまま入れるのに抵抗がある方は、ラップを巻いてから保存袋に入れておくのがおすすめです。
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ラベルを貼る
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冷凍した日付を書いたラベルを貼っておくと、保存期間を確認しやすくなります。
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冷凍したキムチは、以下のように解凍するのがおすすめです。
自然解凍 |
冷蔵庫でゆっくり解凍するのが一番おすすめです。急激な温度変化を回避すれば、風味を維持できます。
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流水解凍
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保存袋のまま水に浸して解凍してもいいでしょう。短時間で解凍できるので便利です。
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解凍する際は、常温解凍や電子レンジの使用は避けましょう。水っぽくなり、味が落ちる原因になります。
また、冷凍保存は非常に便利ですが、素材のシャキシャキした食感や風味が若干損なわれることがあります。解凍後は、加熱調理に活用すると美味しく食べられるでしょう。
キムチには発酵・未発酵の2種類がある
「そもそもキムチは発酵食品だから賞味期限は無いんじゃないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、キムチには「発酵したもの」と「未発酵のもの」の2種類が存在します。そして、両者は作り方や保存期間にも違いがあります。
発酵キムチと未発酵キムチの違い
発酵キムチと未発酵キムチの違いは、以下のとおりです。
発酵キムチ |
塩漬けにした白菜や大根に唐辛子やニンニクなどの薬味を加え、低温で時間をかけて乳酸発酵させたもの。発酵が進むことで乳酸菌が増え、腸内環境を整える効果や免疫力向上が期待できます。
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未発酵キムチ
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キムチ風味の調味液に野菜を漬け込んだもので、発酵させていない浅漬けタイプ。酸味が少なく食べやすい反面、乳酸菌は含まれていません。
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発酵キムチは、数か月から数年熟成させることもあります。特に、6か月以上熟成させた「ムグンジ」と呼ばれるキムチは、酸味が強く深い旨味が特徴です。発酵が進むほど風味が変わり、料理にも幅広く活用できるでしょう。
日本で一般的に販売されているキムチは、発酵せずに作られる浅漬けタイプが多く見受けられます。酸味が少なく食べやすい反面、発酵キムチに比べて賞味期限が短く傷みやすくなります。
発酵キムチと未発酵キムチの見分け方
発酵キムチを選びたい場合、以下のポイントをチェックしてみましょう。
本場韓国の発酵キムチ |
「キムチくんマーク(※)」がついているもの。韓国の伝統製法で発酵させたキムチを指します。
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国産の発酵キムチ
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「熟成発酵」や「乳酸発酵」といった記載があるもの。
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(※)キムチくんマーク
画像出典:韓国農水産食品流通公社
これらの表示がない場合は、未発酵の浅漬けキムチの可能性があります。
腸活や免疫力アップを目指す方には、発酵キムチがおすすめです。
一方、酸味が苦手な方や手軽に楽しみたい方は、未発酵の浅漬けキムチを選んでもいいでしょう。
まとめ:キムチは賞味期限切れに注意して食べ切ろう
キムチを美味しく食べるには、保存方法と食べ切る工夫が大切です。大前提として、キムチは使い切れる量の購入を心がけてください。
冷蔵保存では密閉容器に移し、空気に触れさせないことで発酵をゆっくり進め、鮮度を保ちます。また、チルド室(2〜7℃)で保存すれば、酸味の進行を抑えられるでしょう。
発酵が進み酸味が強くなったキムチは、炒飯やチヂミなど加熱調理で旨味を引き出せます。状態を見極めながら、最後まで美味しくいただきましょう。