クラダシチャレンジとは 社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ(通称 クラチャレ)」は、人口減少・少子高齢化により人手不足に悩む地域・農家さんのもとへ、地方創生やフードロス問題に興味がある学生やクラダシスタッフを派遣するプログラム。一次産品の収穫をはじめとした農業体験により、フードロス削減を目指します。参加者は、現地での農作業や現地の方との意見交換を通して、地域の現状や課題など座学では得られないたくさんの学びを得られます。 |
概要
社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」in 鹿児島県喜界町・島根県益田市
開催期間:(喜界町)2024年7月20日(土)〜7月26日(金)・(益田)2024年8月29日(木)〜9月4日(水)
参加人数:学生4名、クラダシ社員2名
開催の背景
~鹿児島県喜界町~
このたび、今年創⽴40周年を迎えるJACが架け橋となり、喜界町‧クラダシ‧JACの3者にて「⿅児島県喜界町におけるSDGsの推進にかかる⾷品ロス削減等に向けた連携協定書」を締結する運びとなりました。この締結は、喜界町の農業が抱える課題解決による持続可能な社会の実現を⽬的としています。
~島根県益田市~
クラダシは2022年12⽉に益⽥市の就航都市である、⼤阪府豊中市と「豊中市と株式会社クラダシとのSDGs推進に関する協定」を締結。その縁で今回クラチャレを実施する運びとなりました。
【活動内容】作業の詳細
~鹿児島県喜界町~
今回の活動では、高岡農園にてマンゴーの収穫と出荷作業を行いました。収穫作業では、地面に落としてしまうと商品価値を失うため、慎重な取り扱いが求められました。収穫後は、マンゴーの重量や糖度を記録し、糖度15%以上のものだけが出荷されます。喜界島マンゴーの特徴は、その高い糖度と大きさであり、品質を保つために1つひとつ丁寧に選別されています。また、記録したデータをもとに分析や農法の研究も行い、高品質なマンゴーの栽培を追求しています。
さらに、SONTAR GARDEN「Tasuku」の活動では、地域農家を支援するための加工品づくりに取り組みました。特にドライマンゴーづくりでは、厚みを均一にする技術や乾燥作業の細かい管理、衛生面の徹底などが重要です。しかし、加工が追いつかず廃棄せざるを得ないマンゴーが発生する問題もあり、生産量に応じた効率的な加工方法の模索が課題となっています。
これらの取り組みを通じて、地域農業の発展と持続可能な経営の実現を目指し、今後も努力を続けていきます。
~島根県益田市~
スカイファーム様にて梨の収穫作業を行いました。収穫では、出荷可能な梨と傷がついて出荷できない梨を丁寧に選別しました。日当たりによって成長度が異なるため、収穫する木を適宜変えながら作業を進めました。この選別作業は、品質の良い梨を届けるために欠かせない重要な工程です。
収穫後は、梨を1つずつ慎重に選別し、贈答用と家庭用に分けて出荷しました。特に細かな傷が出荷後に広がるリスクがあるため、熟練した目で梨の状態を見極める必要がありました。
また、贈答用や家庭用として利用できない加工用の梨が大量に存在することを知り、これを活用した加工品の開発にも取り組みました。この取り組みは、食品廃棄の削減だけでなく、新しい商品価値を生み出すきっかけとなっています。
さらに、地元の五穀豊穣を祈る「八朔祭」にも参加しました。この祭りでは、多くの地元住民が訪れ、「毎年ここの梨を買いに来るんだよ」と語るお客様もおり、スカイファーム様が地域の人々に愛されていることを改めて感じました。
祭りの中では「瑞秋」と「豊水」という2種類の梨を使った食べ比べイベントも行い、多くのお客様に梨の美味しさを体験していただきました。
このように、収穫作業から商品開発、地域行事への参加を通じて、スカイファーム様の梨が地域と密接に結びついていることを実感しました。
【活動内容】意見交換会
~北海道仁木町~
役場の方、地域おこし協力隊、そしてJACの方々と意見交換会を実施しました。この会では、喜界島が誇る白ゴマの取り組みや、GIマークの取得、さらにはジオパーク認定を目指した活動について話し合いました。和やかな雰囲気の中でありながら、熱のこもった議論が繰り広げられ、喜界島の未来について深く考える貴重な時間となりました。
まず、日本一の生産量を誇る白ゴマについては、そのブランド価値を高めるための取り組みや、GIマークの取得による販路拡大の可能性についてお話を伺いました。喜界島の白ゴマが持つポテンシャルを再確認し、その魅力を全国に届ける方法について考える機会となりました。
次に、ジオパーク認定に向けた活動についても意見交換を行いました。喜界島ならではの独自の地質や自然環境を活かした取り組みは、地域の観光振興や活性化にとって大きな可能性を秘めています。認定を目指す上での課題や、それを克服するためのアイデアを共有できたことは大きな収穫でした。
さらに、喜界町が目指す「どんな世代も住みやすい、消滅しない町」の実現に向けた議論も行われました。農業や観光分野における現状や課題、そして今後の展望について多角的な視点から意見が交わされました。この取り組みを進める中で、地域の皆さんがどのような想いを持ち、何を大切にしているのかについて深く理解することができました。
意見交換会を振り返ると、私たちが喜界島の魅力をもっと多くの人に伝えたいという想いを改めて実感しました。疑問点や気づいた点についても一つ一つ丁寧にお答えいただき、非常に実りある時間となりました。
今後も喜界島の未来に向けた取り組みに少しでも貢献できるよう、引き続き努力を重ねていきたいと思います。この意見交換会をきっかけに、さらに多くの方々と連携しながら地域の発展を目指していきます。
~島根県益田市~
益田市の現状や魅力、市が取り組む食品ロス削減への施策、そして萩・石見空港の活用についてお話を伺いました。特に、石見空港と伊丹空港、羽田空港とのつながりを維持していくという目標について確認し、地域の発展における空港の重要性を再認識しました。
また、梨の収穫体験を通じて、小規模農場ならではの課題について考える機会を得ました。小さい農場では販売経路が限られているため、食品ロスの発生リスクが高まる現状があることをお伝えしました。こうした課題に対して、益田市が取り組む施策と、連携している豊中市との共同の取り組みについても教えていただきました。
この意見交換を通じて、双方が食品ロスの発生やその解決策について改めて考える貴重な時間を共有できました。益田市の取り組みや連携の実践例から、多くのことを学ぶことができました。食品ロス削減に向けて双方が連携を深め、さらに効果的な解決策を見出すための素晴らしい機会となりました。
【活動内容】施策提案の詳細
2地域のクラチャレ参加で得た知見をもとに、施策提案を行いました。「新規就農者のための移住ツアー」というタイトルで、農家の人手不足解消を目的に、移住希望者向けツアーを提供といった内容の施策案でした。
参加者の声
~鹿児島県喜界町~
クラチャレ参加前後での変化は、果物への想いである。喜界島では、台⾵による船の⽋航でマンゴーを輸送できない状況があった。⾼岡果樹園の⽅のもどかしさは、お話を伺っていて痛切に感じた。摘果後の選ばれし果実たちが、輸送による困難を乗り越え、私たち消費者のもとに新鮮な状態で届けられるのは、ある種の奇跡であり出会いである。夏はお中元の季節で、果物の配送も盛んになる。毎年私の家には祖⽗⺟の実家から桃が届けられるが、なかなか⼿を出さず、だめにしてしまうことがあった。 今回のクラチャレを通して、⼀つずつの果実に⽣産者の想いが込められていることを感じた。私たちの⼿に届くまでの過程に想いを馳せながら、決して無駄にせず、感謝して咀嚼したい。また、今回学んだことを周囲に共有し、果物を含めて⾷品を無駄にしない環境を当たり前にしたい。
【大学4年 勝俣さん】
~島根県益田市~
クラダシチャレンジを通して、農家さんの作業量の多さ、考える事の多さを痛感した。農園は、働く⼈が⾜りていないからこそ作業に⼿が回らずに梨を収穫仕切れない、B級品の梨を加⼯する余裕がない、販路や販売⽅法を考える余裕がない、など、様々な⾷品ロスを⽣んでしまう問題に直⾯していた。他にも、害⾍の問題、観光客呼び込みの問題、シーズン外の商品の敷地の管理問題など、常に様々な問題が⼭積みとなっている。それらの問題を解決するにはまず、解決策を考える時間が必要だが、それに当てられる時間がないほど常に業務に追われている。そんな農園の厳しい現状を肌⾝で感じた。それを直接的には解決は難しいが、農園での体験を元に⾃分の⾔葉で⼈⼿不⾜の解決を促すような意⾒を発信していきたい。また、私達の⼝に⼊っている⾷材は農家さん達の努⼒の集⼤成でありほんの⼀部の成功作で、それを⼝にするまでに農家さん達の計り知れない努⼒と時間が掛けられていることを忘れずに、毎⽇の⾷事を楽しみたい。⾷の厳しさとありがたみを再度認識した7⽇間だった。
【大学4年 萩原さん】
活動レポート詳細
この記事でご紹介したクラチャレをもっと詳しく知りたい方はこちら!より詳細な活動レポートをご覧いただけます。
クラチャレ&クラチャレふるさとだより
Kuradashiでは、クラチャレをきっかけとする商品「クラチャレふるさとだより」を販売しています。日本全国の地域経済の活性化や特産品の魅力発信を実現したい。「クラチャレふるさとだより」は、そんな思いで生まれた商品です。
商品の収穫・梱包をおこなうのは、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の参加学生たち。 地方創生を志し、強い思いでクラダシチャレンジに参加するメンバーです。
「クラチャレふるさとだより」の購入によるクラダシ基金への支援が、また次のクラダシチャレンジにつながります。