アスパラガスは、春から初夏にかけて旬を迎える緑黄色野菜です。ビタミンやミネラルが豊富で、食卓に彩りを添えてくれます。しかし、アスパラガスは鮮度が落ちやすく、保存方法を間違えるとすぐにしなびてしまいます。
「アスパラガスを購入したはいいけど、すぐにシナシナになってしまう…」「冷蔵庫に入れておいたら、いつの間にか傷んでしまった…」そんな経験はありませんか?
アスパラガスは、鮮度が落ちやすく、保存方法に悩む方も多い野菜の一つです。
しかし、適切な保存方法を知っていれば、アスパラガスをより長く、おいしく食べられます。この記事では、アスパラガスの保存における「あるある」な課題と、その解決策となる冷蔵・冷凍保存の秘訣、そしておすすめレシピをご紹介します。
アスパラガスの保存は乾燥に要注意
アスパラガスを新鮮な状態で長持ちさせるためには、乾燥を防ぐことがとても重要です。アスパラガスは水分を多く含んでいるため、空気に触れるとすぐに水分が抜け、しなびてしまいます。
特に、冷蔵庫にそのまま入れてしまうと乾燥が進み、根元からスカスカになってしまうことも。水分の蒸発を防ぎ、自然な状態を保つためには、根元にたまった水分が均等に行き渡ることが重要です。しなびたり硬くなったりするのを防ぐためにも、アスパラは「立てて保存する」ことがポイントです。
アスパラガスは常温保存NG
アスパラガスはとてもデリケートな野菜で、温度や光の影響を受けやすいため、常温保存には適していません。
特に気温の高い場所に置いておくと、アスパラガスは成長を続けてしまい、繊維が増えて硬くなってしまいます。アスパラガスをおいしく食べるためには、適切な温度管理が欠かせません。
常温保存は避け、冷蔵または冷凍でしっかりと管理することで、みずみずしく新鮮な状態をキープしましょう。
アスパラガスは立てて冷蔵保存|保存期間3~7日
アスパラガスは冷蔵保存だと約3~7日ほど日持ちします。長期保存ではなくて、早めに食べる場合は、冷蔵での保存がおすすめです。以下のの手順を参考にして、より長く鮮度を保ち適切に保存しましょう。
【手順】
- アスパラガスの根元部分を約1cm程度カットします。根元を切ることで、水分の吸収が促進され、アスパラガスの鮮度が保たれます。
- 次に、コップや容器に少量の水を入れ、アスパラガスの根元が水に浸かるようにします。
- コップや容器に入れたアスパラガスをポリ袋で覆います。湿気を保持することで、アスパラガスのしなびやカビの発生を防ぎます。
- 冷蔵庫の野菜室に保存します。
アスパラガスの鮮度を保つために立てて保存するのが最適です。立てて保存することで、根元部分に水分を供給しつづけることができ、乾燥を防ぐことができます。水分が失われるのを防ぐことで、シャキシャキとした食感を保ちやすくなるでしょう。
アスパラガスを生のまま冷凍保存|保存期間3週間
アスパラガスを生のまま冷凍保存すれば、約3週間ほど保存できます。下ゆでの手間もなく、手軽に保存したい方は、以下の手順を参考にして生のまま冷凍してみてください。
【手順】
- アスパラガスの切り口を2~3mmほど切り落とします。切り口が乾燥しているため、この処理を行うことで冷凍後の食感が良く保たれます。
- アスパラガスの穂先を手で押さえ、根元を持ってしならせると、皮をむくべき位置がわかります。
- アスパラガスを4本程度まとめてラップで包み、そのまま冷凍用の保存袋に入れます。袋に入れた後は空気をしっかり抜いてから封をして、冷凍庫に保存します。
冷凍アスパラガスは、解凍せずそのまま調理が可能です。まずお好みの長さにカットし、電子レンジ(600W)で約45秒加熱すれば、簡単に使えます。炒める場合は、アスパラガスから出る水分をしっかり飛ばすために、少し長めに加熱するのがポイントです。ゆでる場合は、3〜4本で約1分45秒ほどが目安となります。ゆで時間はあくまで目安なので、アスパラの大きさや本数に合わせて、しっかり火が通るまで加熱してください。竹串で刺してスムーズに通れば、調理完了です。
アスパラガスを下ゆでしてから冷凍保存|保存期間1か月
アスパラガスは、下ゆでしてから冷凍保存することで、食感や甘みをキープしながら1か月程度の日持ちが可能です。また、下ゆですることでアスパラガスの風味や栄養が損なわれにくく、解凍後もおいしく食べられます。長期間保存できるため、必要な時に手軽に取り出して使えるのが便利です。
【手順】
- アスパラガスの根元部分の皮をピーラーでむきます。切り口も2~3mmほど切り落としましょう。
- フライパンに水を入れ、沸騰したらアスパラガスを加えて、約1分30秒ほどゆでます。短時間で茹でることで、甘みと風味を保つことができます。
- ゆで上がったアスパラガスを取り出し、粗熱を取ります。
- アスパラガスを3~4本程度まとめてラップで包みます。
- ラップで包んだアスパラガスを冷凍用保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて封をし、冷凍庫に保存します。
アスパラガスを冷凍する前に、必ず粗熱をしっかりと取ってください。熱いまま冷凍すると、結露が生じて品質が落ちる原因になります。また、冷凍用保存袋に入れる際は、袋内の空気をしっかり抜き、密封することで冷凍焼けを防ぐことができます。解凍する際は、凍ったままお湯をかけたり、電子レンジ(600W)で1本あたり約20秒加熱することで、食感や甘みを保ったまま調理できます。
アスパラガスはふにゃふにゃになるので完全解凍は避ける
アスパラガスを完全に解凍してしまうと、いくつかのデメリットがあります。まず、冷凍中にアスパラガス内の水分が氷に変わり、解凍時にその水分が抜けてしまいます。このため、食感がふにゃふにゃになり、シャキッとした歯ごたえが失われてしまいます。また、解凍することで栄養素も流れ出る可能性があります。特にビタミンCやビタミンB群など水溶性の栄養素は、解凍時に失われやすく、栄養価が低下することがあります。さらに、解凍後に再冷凍すると品質が劣化し、栄養素も減少してしまいます。そのため、アスパラガスは解凍せず、凍ったままで調理するのがベストです。炒め物やスープに加える際は、凍ったままで短時間加熱することで、食感や栄養をしっかり保ちながら、おいしく食べることができます。
おいしく保存するための新鮮なアスパラガスの見分け方
アスパラガスは新鮮なものを選ぶことで、よりおいしくいただけます。以下の、おいしいアスパラガスを見分けるポイントを参考にしてください。新鮮なアスパラガスを選ぶことで、保存時にも品質を保ちやすく、調理してもそのおいしさを存分に楽しめます。
- 茎が太めでまっすぐ伸びているもの
- 濃い緑色でみずみずしいもの
- 穂先が締まっているもの
- 縦スジの少ないもの
- ハカマの形が正三角形
茎が太めでまっすぐ伸びているもの
アスパラガスの茎が太めで、まっすぐに伸びているものが新鮮で、食感が良いです。細すぎる茎は食べる際に硬く感じることがあるので、太めのものを選びましょう。
濃い緑色でみずみずしいもの
新鮮なアスパラガスは、色が鮮やかな濃い緑色をしています。また、見た目がみずみずしく、パリッとした張りがあるものを選ぶと良いです。色が薄いものやしおれた感じのものは、鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。
穂先が締まっているもの
アスパラガスの穂先がしっかりと締まっているものが、新鮮でおいしい証拠です。穂先が開ききっていたり、傷んでいたりすると、味や食感が落ちることがあります。
縦スジの少ないもの
アスパラガスの茎に縦スジが多く入っていると、食べる際に食感が硬くなることがあります。縦スジが少ないものを選ぶと、柔らかくおいしく食べられます。
ハカマの形が正三角形
アスパラガスのハカマ(根元の部分)は、正三角形の形をしているものが発育が良いとされています。ハカマの形がしっかりしているのは、アスパラガス全体が健康に育った証拠です。
保存したアスパラガスのおいしいレシピ3選
冷凍アスパラガスを使ったレシピは、手軽に作れておいしさをキープできるので便利です。以下のレシピを参考に、忙しい日でも簡単においしい一品を楽しみましょう。
- アスパラベーコン
- アスパラガスの豚肉巻き
- アスパラちくわ
アスパラベーコン
アスパラベーコンは、アスパラガスのシャキシャキ感とベーコンの旨味が絶妙に絡み合った、一度食べるとクセになるおいしさの一品です。食べたいときにすぐに焼くだけで、おかずやおつまみとして楽しめます。
【材料】
- アスパラガス:8本
- ベーコン: 4枚
- 塩こしょう:お好みで
【作り方】
- アスパラガスの下側にある固い部分をピーラーでむき、ベーコンの幅に合わせてアスパラをカットします。その後、ベーコンでアスパラガスを巻きます。
- 巻いたアスパラベーコンをバットに並べ、ラップをかけて冷凍庫に入れます。数時間後に凍ったら、冷凍用保存袋に移し、空気を抜きながら袋を閉じて冷凍保存します。
- 油をひいたフライパンに凍ったままのアスパラベーコン巻きを、巻き終わり部分を下にして並べます。フタをして、弱めの中火で加熱します。ふつふつとしてきたら、約3分を目安に蒸し焼きにします。(加熱時間は量や火力によって異なります。)
- フタを外し、水分を飛ばしながら焼きます。巻き終わり部分がくっついてきたら裏返し、両面に焼き色がつくまで焼き続けます。
- 最後にお好みで塩こしょうを加えて味を調えれば、完成です!
アスパラガスは火が通りやすいため、ベーコンで巻いてそのまま冷凍できるのでとても便利です。加熱前に冷凍することで、アスパラガスがきれいなままで、風味や食感を損なうことなく楽しめます。
冷凍したまま調理するため、加熱時はフライパンで蒸し焼きにして、アスパラの鮮度を保ちながらおいしく仕上げましょう。
参考:Nadia
アスパラガスの豚肉巻き
アスパラガスのシャキシャキ感と豚バラのジューシーさが絶妙にマッチした「アスパラの豚バラ巻き」。冷凍しておくことで、忙しい日でも手軽においしいおかずが楽しめます。下ごしらえをして冷凍しておけば、食べたいときにフライパンで焼くだけで、簡単においしい一品が完成します。
【材料】(10〜12本分)
- 豚バラ肉:10〜12枚
- アスパラガス:10〜12本
- 冷凍保存袋:1枚
【作り方】
- アスパラガスを洗い、根元からぽきっと折れる部分でカットします。
- 生のアスパラガスを豚バラ肉で端からくるくる巻いていきます。巻き終わりを冷凍用保存袋に入れ、冷凍します。
- 食べるときは、冷凍したまま塩こしょうをふりかけ、フライパンで焼きます。焼いてからカットするほうが、切りやすくなります。
- フライパンで焼くのがおすすめですが、グリルで焼くと余分な脂が落ちてヘルシーに仕上がります。さらに、小麦粉→卵→パン粉をつけてフライにしてもおいしいです。
アスパラガス以外にもいんげんなどで作ってもおいしいです。いんげんを使用する場合は軽くゆでてから巻くとさらにおいしく仕上がります。冷凍保存の目安は約1ヶ月以内で、冷凍したアスパラの豚バラ巻きは食べたいときにすぐ調理できるため、忙しい日にもぴったりの冷凍ストックになります。
参考:クックパッド
アスパラちくわ
アスパラガスとちくわを組み合わせたお弁当用の冷凍ストックレシピです。忙しい日やお弁当作りに便利な一品で、手軽においしいおかずを作ることができます。
【材料】(4人分)
【作り方】
- アスパラを1分ほどレンジで加熱して柔らかくします。※あまり柔らかくなりすぎないように注意してください。
- ちくわ1本にアスパラを半分ずつ入れていきます。
- それぞれを半分に切り、冷凍保存します。
- お弁当で活用する場合、天ぷらやフライ、カレー味、ケチャップ味、あまから醤油味などにアレンジできます。
アスパラにはあらかじめ火を通しておくことがポイントです。冷凍後は、お弁当のおかずとして使いやすくなるため、事前にしっかり加熱しておくことをおすすめします。
参考:クックパッド
まとめ:アスパラガスは正しく保存しておいしく食べ切ろう
アスパラガスをおいしく長持ちさせるためには、乾燥を防いで適切に冷蔵・冷凍保存することが大切です。
また、新鮮なアスパラガスを見極め、より長く保存できるよう工夫しましょう。無駄なく使い切ることができれば、フードロスの削減にもつながります。
この記事を参考に、アスパラガスを上手に保存して、簡単おいしいレシピを試してみてください。
くらだしマガジン編集部
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